2005年度版DVDオーサリングソフト主要4本の使い勝手を比較する(前編)(4/4 ページ)

» 2005年05月02日 18時00分 公開
[柳谷智宣(アバンギャルド),ITmedia]
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CMカット編集を行う

 “保存版”としてDVDを作成するのであれば、不要なシーンやテレビ番組のCMを残らずカットしておきたい。

 その際には、フレーム単位で編集できる機能は必須である。この機能は、基本的にほぼすべての編集ソフトに付属するものだが、15フレームをひとまとめにしたGOP(Group of Picture)単位のみでは、CMをきれいにカットできないことが多い。

 今回紹介するソフトはすべて、フレーム単位の編集に対応している。ただし、フレーム単位で編集すると全体を再エンコードする必要があり、処理時間がかかるうえ、画質の劣化がネックとなり、ここをいかに工夫しているかがポイントだ。

 今回、TMPGEnc DVD Author 2.0、PowerDirector 4、DVD MovieWriter 4の3ソフトが、編集した部分のみ再エンコードするスマートレンダリング機能を搭載している。カット編集のみなら、切り口のGOPのみのレンダリングなので、画質の劣化はほとんど気にならない。

 また、映像内容を解析してシーンを自動的に抽出してくれる機能もチェックしておきたい。たとえばDVから取り込んだ映像を解析し、シーンの切り替わりを検出が行えるものだ。判別されたシーンは自動でカットすることもできるし、不要なシーンを削除する際に手間が省けるのである。

 PowerDirector 4の「マジックカット」機能は、自動的に不要なシーンを削除して、指定した時間内に収められるよう自動編集してくれる便利な機能だ。またTV番組録画データからCMをカットする際に絶大な威力を発揮するのがDVD MovieWriter 4の「CM自動検出」機能である。独自アルゴリズムにより、本編とCM部分を自動検出し切り分けてくれる。また、カット編集の際に、シーンの切り替えを検出する機能も備えているのも特徴となる。

ペガシス「TMPGEnc DVD Author 2.0」

 自動的にシーンの切り替えを検出する機能はないが、編集サムネイルが表示されているのでCM部分を簡単に見つけられる。

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 さらに、編集サムネイル部分を右クリックすると、プレビューの高速再生が可能なので、目当てのシーンを手早く探しだせる。ただし、一度にカットできるのは1カ所のみなので、CMの数だけ作業が発生するのはやや面倒くさいと感じるかもしれない。

カット編集(2)


ソニック・ソルーションズ「MyDVD Deluxe version 6」

 通常CMをカット編集を行う場合には、CMの前後でシーンを分割しCM部分のシーンを削除する作業を行う。DVD編集を行うに当たって、たぶんユーザーが一番面倒と感じる部分で、多数のCMを削除する際はやや面倒だ。

 MyDVD Deluxe version 6での基本作業は、シーンを探す際に早送り/巻き戻しボタンを押すとフレーム単位で移動、Ctrlキーを押しながらボタンを押すと1秒単位で移動するといった感じで行う。大きな時間軸の移動はタイムバーをマウスでドラッグするわけで、長時間の番組の場合は細かいマウス移動でもシーンが大きく飛んでしまう操作感が少々気になった。

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 そこで便利なのが「シーンの検索」機能である。これによりシーンの切り替わりを自動検出することができることで上記作業をかなり簡略化でき、検出した結果から切り替わりを反映させないシーンを選別したり、検出するシーンのしきい値を設定することで検出レベルの調整が行える。これらはTV番組の編集だけでなく、DVカメラからキャプチャーした自己撮影映像を編集する際に役立ってくれるだろう。

カット編集(2)


サイバーリンク「PowerDirector 4」

 PowerDirector 4には、映像を自動編集して希望の時間に収められる「マジックカット」という便利機能が備わっている。希望する所要時間を入力すると、その時間に自動編集してくれるというものだ。

 デフォルト設定時の操作では自分の気に入るようにはならなかったが「シーンの切り換えやパン&ズームの多いシーン」や「カットの長いシーン」などの設定値を自分で微調整すること、結構“それなり”の編集を行ってくれた。

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 また、エフェクトをかけただけなら映像のみ、BGMを挿入しただけなら音声のみを再エンコードする独自レンダリング技術「SVRT2」も搭載されている。これにより作業時間短縮と画質維持に大きな効果がありそうだ。

 最も重要なCMカット編集は、「マルチカット」機能を利用するとよい。自動的にシーン検出を行ってくれるので、映像内のCM部分を見つけるのがかなり楽になる。また、検出したシーンを表わすゲージは拡大表示できるため、細かな操作にも使い勝手がよかった。

カット編集(3)


ユーリードシステムズ「DVD MovieWriter 4」

 DVD MovieWriter 4は、従来の本編のモノクロ音声/CMのステレオ音声といった音声的な切り替わりを判別するよくある検出方法(この場合、本編もステレオ音声放送であった場合は判別できない)ではな、独自アルゴリズムの採用による「CM自動検出」機能の搭載が大きな特徴だ。

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 CM自動検出機能には、独自の検出方法を採用することで今バージョンの最も特徴的な機能と謳うだけあり精度は抜群だった。適当なバラエティ番組で試したが、検出できなかったCMは1か所のみ。この部分は本編直後が同局の番組宣伝CMで、人目で見てもCMか本編部分かを瞬時に判別できない感じのものだったため、仕方ないと判断することにしよう。

 この機能はCMカット編集作業の手間を大幅に軽減してくれることは間違いないものだ。検出する部分や、サーチする間隔を指定したら「CM自動検出」ボタンをクリックするだけと、操作が手軽なのもポイントである。ちなみに自動検出機能を使わない場合も、カットする部分を次々と連続して指定できるのが便利だ。

カット編集(3)

(中編に続く)


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