HDD市場の97%をまかなえるシーゲイトの強みとその狙い(2/2 ページ)

» 2005年06月09日 21時14分 公開
[小林哲夫&編集部,ITmedia]
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狙いは、製造の垂直統合とその相乗効果

 なお米国での外付けリテール市場投入は1/2.5インチ製品が2005年Q3、3.5インチ製品が2005年Q4と予定されているが、3.5/2.5インチの外付けモデルは現在国内で投入されていない。同社によると現在市場調査の最中であるという。

 ライバルメーカーであるマックストアは、同社ベアドライブ「DiamondMax」を内蔵する外付けHDD「OneTouch II」シリーズを国内向けにすでに投入しているが、大手周辺機器メーカーが売り場面積を確保してしまうといった独特の「日本の商習慣」のため、思うようにシェアを伸ばせないでいる現状もあると聞く。このため国内への投入を見計らうのはしごく当然のことであると思われる。

photo 外付けHDD製品のラインアップ。日本での市場投入は未定。CF製品は前モデル(2.5G/5Gバイト)の投入が見送られているので、これが新規投入製品となる
photo 「1.0" Photo Hard Drive」のスケルトンモデル。デジタル一眼レフカメラ市場の伸びを考えると、販売価格次第では日本市場でのニーズもかなりありそうと考えられる

 現在シーゲイトは「昨年6月に顧客本位の方針により、ユーザーが望む市場の多くに対応すべく製品を投入し、併せて製造の垂直統合により共通の技術と製造工程で多くの製品を生み出せるように改変した」(同 小林社長)としている。これによりHDD市場全体における97%をカバーする製品群をまかなえるようになり、基本的な製造台数増加に加えて昨年度比約47%の収入増となった。

photo 日本シーゲイト 代表取締役社長 小林剛氏
photo 昨年度は、出荷数・売り上げ・利益ともに向上したという

 HDD市場は単価下落などにより、長らく売り上げ額低下が続いていた傾向にあったが、既存のエンタープライズ、PC市場とは別にCE市場は現在、大いなる伸び傾向にあり約3年で倍増すると予想されている。

 そのためシーゲイトは、現在トップの地位を確保しているジャンルを保持する一方で、新しい市場にも積極的に参入する方針をとっている。昨年参入したノートPC向け2.5インチHDD市場でも順調にシェアを確保している(関連記事参照)ことからも、その自信が伺える。

photo CE市場が大きく伸びる時期に入ったという。本年度6月時点で、すでにエンタープライズ市場を超える金額になっている
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