タイプNではPentium M 735(またはCeleron M 350J)とIntel855GMEの組み合わせであったが、タイプAでは、ULV Pentium M 753(Dothanコア)、Intel915GMS Express(Alviso-GMS)の組み合わせとなるSonomaプラットフォームと、Celeron M 383、Intel915GMS Expressの組み合わせの2種類が選択可能だ。
ちなみにPentium Mを選択した場合、タイプNのPentium M 753/1.7GHzからULV Pentium M 753/1.2GHzへとクロックは500MHzほど下がるが、バッテリ駆動時間の増加によって携帯性が向上する。オプションのセカンドバッテリを搭載することで、約10時間という長時間駆動を可能にしている(標準バッテリでも約5.8時間程度と十分な駆動時間を実現)。
また、ULVのPentium Mを搭載したため発熱量が下がり、本体底面部もあまり熱さを感じさせない程度になったため、ひざの上に乗せて長時間使用するといった場合も平気だろう。静音性も高く、電源投入時は冷却ファンが軽い風切り音を発するものの、利用時はほぼ無音に近い状態になる。わざと拡張版SpeedStepを無効にしてAV機能を利用してみたが、本体から発する音が気になるといったこともなかった。
メモリはDDR2 400MHz(シングルチャネル)を512Mバイト標準搭載しており(最大2Gバイト、2スロットのうち1スロットを使用)、搭載OSであるWindows XP HomeEditionがストレスなく動作する。HDDは最少40Gバイトから、先述のように最大220Gバイトまでが選択可能だ。
グラフィック機能は、Intel915GMS内蔵のIntel GMA900を利用する。Intel855GMEと比較して、DirectX 9のサポート、3D描画機能の強化などにより、1.4倍近い性能アップが図られている。また、標準でマルチモニタ環境をサポートしており、外部ディスプレイを接続することでより広いデスクトップ環境で作業することも可能だ。
タイプAは、あらゆるネットワーク環境に柔軟に対応できる。BTOメニューで「Intel PRO/Wireless 2200BG」を選択すればCentrinoに対応できるし、IEEE802.11a/b/g対応のトリプル無線LANカードを選択することも可能だ(この場合はCentrino対応にはならない)。トリプル無線LANカードは「SuperAG」や無線LANの通信可能エリアを拡大する「XR(eXtended Range)」をサポートしており、無線LAN環境をより高速に利用できる(NEC製ブロードバンドルータ「Aterm」シリーズとの親和性は非常に高い)。
なお、有線LANとして100BASE-TX対応の「Intel PRO100/VE」を搭載するほか、オプションでBluetooth(Ver2.0、Enhanced Data Rate:EDR)を選択すると、Bluetoothネットワークまで利用できる。ほかにも内蔵するIEEE1394を利用して、IEEE1394ネットワークに接続することも可能だ。
無線LAN管理用に「ワイヤレスクライアントマネージャ」が用意されており、複数の無線LANを簡単に切り替えて利用できる。Bluetooth用ツールとしては「Bluetooth設定」が用意されており、Bluetooth対応機器との接続も簡単だ。さらにFAXモデム(最大56Kbps、V.90対応、FAXは14.4Kbps)まで搭載しており、複数のネットワーク環境を状況に応じて切り替えできる点は、モバイルノートと呼ぶにふさわしい仕様と言えるだろう。
タイプAは12.1インチワイド液晶搭載モデルのため、本体も横長になっている。その横長ボディのメリットがキーボード。B5ノートながら、A4ノートに匹敵する19ミリピッチのフルサイズキーボードが搭載されているのである。
B5ノートは利用頻度の低いキーのピッチを変則的にしたり、配列を工夫するなどして、限られたスペースにキーボードを詰め込んでいるが、タイプAにはそういった制約がない。そのおかげでタイプAは、モバイルノートにありがちなキーボード入力のしにくさとは無縁なのである。
ポインティングデバイスは本体カラーと同色の「NXパッド」で、カーソルの操作性やクリック感には定評がある。パームレストと完全にフラットでデザイン性も高い。モバイル用途ではNXパッド、自宅ではBTOでチョイスできるBluetoothマウスといった使い分けがお勧めだ。
B5ノートにありがちなのがインタフェース類の不足だが、タイプAは十分なインタフェース類が確保されている。USB2.0は背面に2ポート、右側面に1ポート用意されており、不足することはなさそうだ。右側面は着脱式のDVDスーパーマルチドライブが大部分を占めているため先述のUSB2.0、ヘッドホン、マイク各1だけだが、左側面と背面を利用してその他のインタフェース類をうまく収めている。
左側面には、SDメモリカード/メモリースティック(Pro対応)/xDピクチャーカードをサポートするトリプルメモリースロット、PCカードType IIスロット、4ピンのIEEE1394ポートが用意されている。背面には先述したUSB2.0×2のほかに、フルサイズのアナログRGB、100BASE-TX/10BASE-T有線LAN、FAXモデム、映像出力用のS-Video端子が用意されている。
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