BTOオプションのAirTVによってテレビ視聴と録画が可能になった点は、従来モデルからの大幅な機能強化と言えるだろう。これに伴い、Windowsを起動せずに音楽CDやDVDビデオを再生できる「インスタント機能」と、Windows上のマルチメディアユーティリティである「MediaGarage」が強化されている。
インスタント機能の動画再生部分では、「動画ファイル再生」をサポートするようになった。また、音楽CDだけでなくMP3やWMAなどの音楽ファイルやデジタルカメラで撮影した静止画の表示も行えるようになっている。
Windowsを起動しなくてもAV機能を一通り使えるようになった点は大きい。パソコンの電源がOFFになっていても、DVDスーパーマルチドライブにメディアを挿入するとそのまま再生が始まる「スロットインオートプレイ」や、添付のリモコンを使った操作などが可能で、液晶テレビとHDDレコーダ機能を合わせ持つと感じに進化したと考えるとよいだろう。なおタイプAでは、電源OFFの状態でもリモコンの「音楽」ボタンを押すとインスタント機能が起動し、液晶を閉じたままで音楽ファイルを再生できる。
一方、Windows上のユーティリティである「MediaGarage」は、録画番組のDVDライティング機能と音楽CDのリッピング機能、そしてBIGLOBEの「BIGLOBEストリームの再生」をサポートするようになった。このMediaGarageのインタフェースはインスタント機能と共通化されており、インスタント機能、MediaGarageのどちらを使っているのかを感じさせないシームレスな作りになっている。
先述したとおり、タイプAはAirTVをBTOで選択できる。
AirTVは、有線LANまたは無線LAN(IEEE802.11a)を経由してテレビ映像をパソコン本体に送る機能を持つ周辺機器。AirTVとパソコン本体との接続設定ソフトである「AirTV設定」ツールはウィザード形式で、クリックしていくだけで簡単に接続できるようになっており、わずらわしい無線LANの設定をほぼ自動化できる。また、特殊なブロードバンド環境(PPPoEを利用しないYahoo!BBやCATVインターネットなど)や自分の手で詳細な設定を行いたいユーザー向けに「マニュアル設定」を用意しており、ほとんどのブロードバンド環境とAirTVを共存させることが可能になっている。
AirTVセットモデルにはMediaGarage以外に、同社のテレビ録画/視聴ソフトである「SmartVision」も搭載されている。また、2005年の夏モデルからテレビチューナ搭載モデルに採用された高画質化エンジン「VISITAL(ビジタル)」がより強化され、さらに高画質でテレビ映像を楽しむことができるようになった。
前モデルでは「動き対応I/P変換」「60フレーム映像表示」といった高画質化が図られたが、本モデルはそれらに加え、ライブ/録画に関わらず、テレビの映像ソースであれば高画質表示が可能となった。具体的には、映像の斜め線のジャギーを低減する「斜め線補正」、輪郭を検出して強調表示する「輪郭強調(エッジエンハンス)」、ワイド液晶で4:3の画面をごく自然な表示に見せる「ノンリニアスケーリング」、長時間モードで録画した番組の画質改善など、いずれも高画質化エンジンの強化によって実現されているのだ。
この画質向上はMediaGarageにも反映されており、SmartVision以外でテレビを視聴/再生しても、高画質な映像を楽しめるようになっているのである。
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