「速さだけ」から満足度と品質の評価へ──インテルがアピールする新世代ベンチマーク(4/4 ページ)

» 2005年10月20日 23時26分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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「きれいな映像」をどのように定量化するか

 インテルが今回示したベンチマークでは「品質」を評価の基準として用いている。主観的な項目を数値で評価するベンチマークに取り入れるのは大変難しいのであるが、インテルではPsytechnicsが確立した映像品質評価の手法とデータに基づいて、品質の定量化処理を行っている。

 Psytechnicsの「主観テスト」施設に多くのテスターを集めて行った「映像主観テスト」で蓄積された結果から「人が思う高品質の映像」に関するデータベースを構築。そこから「映像知覚モデル」評価アルゴリズムを構築している。例えば、再生画質の評価では「フレーム落ち」の頻度から画質の評価を求めている。

 インテルは、以上ベンチマークに関する情報を集約させたWebサイト(ここからアクセス可能。ただし、この記事の執筆時点ではまだアクセスできない)を開設し、ベンチマークで取り入れている評価アルゴリズムに関するドキュメントの閲覧や、先に紹介したゲームベンチマークやデジタルホームベンチマークをダウンロードできるようにする予定。

 また、現在FPSに限られているベンチマーク対応ゲームをRTSやMMORPGや最新のゲームタイトルまで拡大(ただし、当面はいまの3タイトルのみ)し、デジタルホームベンチマークでもコンテンツ製作作業における性能評価や熱設計と騒音を考慮したテストも加えたいとしている。

 なお、BAPCOやFuturemarkなどのベンチマーク開発ベンダーは公平性をアピールするために、多数のハードウェアやソフトウェアベンダーとの連携をアピールしている。しかし、インテルが今回提案するベンチマークに関しては、そのような他メーカーとの連携は考えていないとサルバドアー氏は明言している。

速さだけから総合的に評価できるベンチマークの必要性を説くデーブ・サルバトアー氏(米インテル パフォーマンス・ベンチマーク・アナリシス ワールドワイド・クライアント・ケーパビリティ・エバンジェリスト)
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