このように、ベンチマークで使われている設定が実際のゲームと異なる条件であるのと同時に、平均FPSに基づく評価値の算出についても「平均の裏には重要な情報が隠されている」とサルバトアー氏は懸念を示す。そんなインテルが新世代のゲームベンチで使う指標として採用したのが「ユーザー体験値」と彼らが名づけたゲームプレーヤーの満足度である。
インテルが提案するゲームベンチはこの「ユーザー体験値」でシステムの性能評価を行うわけだが、インテルはこのユーザー体験値、すなわちゲームプレーヤー満足度の算定作業において、「参加人数175名」規模のユーザーテストを行い基礎データを採取している。
採取作業では「DOOM 3」「Half-Life 2」「Unreal Touenament 2004」をプレイしてもらい、テスターのアンケートなどから「統計的分析」で導き出された「しきい値」(例えばDOOM 3では40fps、Half-Life 2とUnreal Tournament 2004では45fps)を設定。これとゲーム中のフレームレートを比較し、「FPSがしきい値を下回る時間の比率を測定」(インテル資料より)することで性能評価を行っている。下回る時間が少なければユーザー体験値も上がって評価も高くなる、という仕組みだ。ユーザー体験値は最も低い評価“BAD”から最も高い評価“EXCELLENT”までの5段階で示される。
このベンチマークで使われるのは上にあげた3タイトル。これらのプログラムコードはSYSmark2004のようにベンチマーク本体には組み込まれていないため、ベンチマークを利用したいユーザーは事前にそれぞれのゲームタイトルを購入する必要がある。
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