カバーを元に戻して、電源を入れてみよう。
おお、なんと起動時にWiNDyのロゴが現れるではないか。この後何かが起きるのかと期待したが、何も起きず(当然だが)、普通のPhoenix BIOSが起動しただけだったが、このあたりも所有満足度を上げる一因になることだろう。
さてこのWiNDy JULA、ベアボーンキットであるから組み立ててしまえば、UX945Gを用いた自作PCと性能は変わらないわけと思われるが、静音性と冷却性能はについてはかなり気になるところ。実際に騒音計と温度計で測定してみた。
まず、BIOSでCPUの温度と冷却ファンの回転数などを見てみる。
CPUは3.06GHz駆動のものとはいえ非常に低い温度で作動している。そのためか冷却ファンの回転数も2000rpm以下であり、システムファン(背面にある12センチの冷却ファンのこと)はなんと1000rpmちょっとだ。これならかなりの静粛性を期待できそうだ。実際耳を近づけてもノイジーな音など聞こえない。
このままWindows XPを起動しアイドル状態にしたところで、背面ファンの排気口と、側面にあるCPUファンの排気口にて温度を測定してみた。結果は背面部分で27.0度、側面で32.0度。11月末という時期であり、騒音発生源となりえる室内のエアコンを停止していたために室温は21.5度とやや低めだったせいもあるだろうが、相当に冷却性能はいいようだ。
それでは、騒音レベルのほうはどうか。背面排気口から5センチ離れたところで測定した値は、49デシベルとなった。5センチというと、よくあるマウスの横サイズより小さく、耳が本体に付かんとするほどの距離となる。この距離でこの値であれば、かなりの静粛さだ。
比較のため、筆者が今使っているSilverstone製ケース「SST-TJ06」(レビュー参照)でも騒音レベルを計ってみる。このケースは、CPUにはヒートシンクのみを取り付け、前後に12センチの大型ファンを風洞のように配置した「ウインドトンネルテクノロジー」なる冷却機構を採用しているモデルだ。
このモデル、使い始めてそろそろ1年経つがまだばりばり現役。もちろん相当に静かだと思っているためである。同じように背面から5センチのところで測定してみると、なんと66.1デシベルという値となった。
しかし、SST-TJ06をかばうわけではないが、前述のように普段気になる音はしないし、深夜にひとりで使っているときでもうるさいと思ったことはない。WiNDy JULAが異常なほどに静かなだけだろうと思う。そうでなければCPUファンレスにしたSST-TJ06が浮かばれない。
今回は、高負荷時の温度と騒音については厳密に計測することはしなかったのが、よくあるベンチマークテストをしてみた限りでは、急にファンの回転数が上がって君子豹変……などということもなかった。どんなときでも静かなシステムであるようだ。
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