ATIからCrossFireテクノロジーが正式に発表されてから半年。ATIから次世代主力GPUである「R520」ことRADEON X1800XTが発表されてから2カ月。ようやく、「ATIが求めていた最強のパフォーマンス」がエンドユーザーにも手が届きそうだ。
先日行われたATIのプライベートイベントで国内ユーザーに初めて紹介されたRADEON X1800 CrossFire Editionのデモは多くのユーザーから注目を集めていたようだが、はたして、その実力はいかなるものだろうか。
RADEON X1800XTにしても、CrossFireにしても発表から時間がたってしまったために、その内容を忘れてしまったユーザーも少なからずいるのではないだろうか。RADEON X1800XTに組み込まれた先進的なアーキテクチャについてはこの記事を、先行するNVIDIAのマルチGPU技術「NVIDIA SLI」に対抗すべくATIが投入した「CrossFire」の概要についてはこちらの記事を、さらに今年の最強GPU「GeForce 7800 GTX」と「RADEON X1800XT」のパフォーマンスを比較したこの記事とRADEON X850XT PEとRADEON X850 CrossFire Editionを組み合わせたパフォーマンスを比べたこの記事を読んで、復習しておくのもいいかもしれない。
9月に掲載した記事で、CrossFire構成のRADEON X850 CrossFire EditonとNVIDIA SLI構成のGeForce 7800 GTXを比較したのだが、さすがにGPUの世代が1つ異なるだけあって、CrossFireのパフォーマンスはNVIDA SLIに及ばなかった。エンドユーザーの立場になって、当時入手できる最高スペックのGPUを組み合わせてみたのだが、ATIを愛するユーザーからは「大変不公平な比較である」といったブーイングがあちらこちらから送られてきた。
今度は、両者とも名実ともに最新のGPUを使った2枚差しパフォーマンスの比較となる。GPUの世代的にはRADEON X1800XTのほうが新しいこともあるし、前回の1枚構成のパフォーマンス比較でもRADEON X1800XTが有利であった。「今度こそっ!」とATIユーザーは期待していい、かもしれない。
というわけで、週末のイベント展示が終わったばかりのサンプル機材を借り受けて、ATIのGPUが発揮しうる最高峰のパフォーマンスを試してみたい。CrossFire、となると、グラフィックスカードだけでなく、マザーボードも「CrossFire Edition」が必要になる。インテルプラットフォームなら「RD400」ことRADEON Xpress 200 CrossFire Edition for Intelであり、AMDプラットフォームならば「RD480」ことRADEON Xpress 200 CrossFire Edition for AMDである。
今回、ATIが評価システムとしてRD480マザーのサンプルを用意してくれたので、そちらを使ってシステムを構成した。なお、マザーボードに適用したドライバはATIのWebページで公開されている最新の「Catalyst 5.12 Windows XP - Motherboard/IGP Drivers」を適用した。ただし、BIOSはRADEON Xpress 200用として最も新しい、評価用のバージョンが組み込まれている。
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