きょうはいろんな意味で最高峰な「Pentium Extreme Edition 955」の性能と効率をチェックした(後編)CPU(4/4 ページ)

» 2005年12月28日 04時22分 公開
[笠原一輝,ITmedia]
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消費電力性能比ではAthlon 64系がPentium系を上回る

 消費電力あたりの性能を出してみよう。具体的には性能を消費電力で割り、それに100をかけることで、100ワットあたりのベンチマークスコアを計算している。

100ワットあたりのTMPGenc 3 Xpressフレームレート

100ワットあたりの3DMark05(CPU Score)

 この結果を見れば一目瞭然で、電力効率という観点では、明らかにAthlon 64系がPentium系を上回っている。とくに、TMPGenc 3 XPressのフレームレートでは、Athlon 64 X2 4800+の7.52に対して、Pentium XE 955は5.22と70%程度でしかない。NetBurst系の電力非効率については、すでに言い尽くされた感もあるが、この結果を見ると、そのことが改めて印象付けられる。

「消費電力なんて気にしない、LGA775で最高峰のパワーが欲しい」というユーザーはいかがですか

 以上のように、Pentium XE 955は、マルチスレッドを活用するアプリケーションでは、Athlon 64 X2キラーとして十分役目を果たせる性能を持っている。それは、ベンチマークによってAthlon 64 X2 4800+を上回っている結果からも言えるだろう。直接のライバルとなるAthlon 64 FX-57との比較も優勢勝ちと言ってよく、そのことからも、エンスージアスト向けCPUとしては、現時点での最高峰と言っていい。

 ただ、Athlon 64 FX-57はあくまでシングルコアのCPUであり、そういう意味では、AMDがAthlon 64 FXにデュアルコア製品を投入したときこそ、本当の比較となるはずだ。ゆえに、Pentium XE 955の本当の評価はAMDのデュアルコア版FXが登場するまでお預けとしたい。

 消費電力に関しては原稿中でも述べてきたように、これはNetBurst系の“持病”ともいえる。省電力性能を重視するユーザーならPentium XE 955はあまりいい選択にはならないだろう。

 また、現時点では正確な価格がでていないので評価しにくいところだが、筆者の予想通り従来製品と同じ価格帯だとすれば、コストパフォーマンスを重視するユーザーにもお奨めしがたい。8ピンを必要とするため電源ユニットも買い換えとなる可能性がある。これもコストに与えるインパクトとして小さくない。

 そういった諸々の懸案を抱えながらも、LGA775系のプラットフォームとしてPetnium XE 955は最高性能を発揮することは間違いない。予算が潤沢に用意できて、かつ、消費電力も気にしない、というユーザーで、とにかく“最高”を追求していきたいのであれば、このCPUは十分検討する価値はある、だろう。

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