「簡単! 速い! コンパクト」のキャッチフレーズどおりの性能で好評を博していたPFUのコンパクト両面カラースキャナ「ScanSnap」が、約8か月を経てバージョンアップし、装いも新たに「ScanSnap S500」(以下、S500)となって新登場した。
ScanSnapシリーズは、ITmediaで何度も取り上げているので詳しい説明は省くが(詳細は2005年6月掲載の「ScanSnap特集」を参照)、おおまかに説明すると、自動給紙(ADF)方式のコンパクトな両面カラースキャナであり、スキャンしたデータをそのままシームレスにPDF出力することが可能な製品である。前モデルの「ScanSnap fi-5110EOX3」(以下、fi-5110EOX3)では、昨年施行された「e-文書法」への対応として「e-スキャン」ボタンやPFUタイムスタンプが追加された点がバージョンアップポイントで、大幅な性能の強化は見られなかったが、今回のバージョンアップはフルモデルチェンジと言える内容になっている。
デザインを大きく変えたのが見た目に分かる変更点で、これに加えてスキャン速度や使い勝手の向上といった機能強化が行われており、製品としての魅力がさらに増している。バージョンアップによってどう進化したのかを見ていこう。
前モデルのfi-5110EOX3は、それより2代前となる「ScanSnap fi-5110EOX」をベースにし、同じデザインとカラーリング、スキャンエンジンを踏襲しつつ、ドキュメントスキャナとしての使い勝手を熟成させ、ひとつの完成形を見せたと言えるほど完成度の高い製品であった。
新モデルのS500では、本体デザインが前モデルの曲面的なフォルムから大きく変更され、よりすっきりとした直線基調のデザインになった。このほか、ホワイト主体からブラック主体のカラーリングになるなど、まさに「新世代」へと進化していると言えよう。
前モデルまで同じデザインを採用していたことにより、ひと目見ただけでScanSnapであることが分かるほど、そのイメージは強く浸透していた。新しいデザインは、その製品イメージを損なうことなく、上手に世代交代を行っている。たとえば従来モデルを知る人なら、S500を見ればすぐにScanSnapの新モデルだろうと容易に想像が付くはずだ。
また、ブラック主体のカラーリングは、オフィスユースだけでなく、パーソナルユースでもマッチする。そうした意味で新デザインの採用は、既存ユーザーだけでなく、新ユーザーの開拓という意味でも効果があると思われる。
S500の本体サイズは、シューター(原稿台)とスタッカー(原稿受け)を閉じた状態で284(幅)×157(奥行き)×158(高さ)ミリと非常にコンパクト。これならオフィスだけでなく、自宅の部屋に置いても苦にならないだろう。また、シューターの原稿固定用ガイドが前モデルに比べて2倍以上長くなり、原稿をまっすぐに安定して搬送できるようになった点も高ポイントだ。
ハードウェアにおけるS500の進化の最大ポイントは、従来モデルよりもスキャン速度が大幅に高速化されているところだ。
もちろん従来モデルも、ストレスを感じさせない高速な読み取り性能が魅力であった。とはいえ、fi-5110EOX3以下3世代とも同じスキャンエンジンを搭載しており、読み取り速度の向上に関しては、手が付けられていなかった部分だ。もちろんそれは、初代モデルから快適なスキャン速度を持っていた証とも言える訳だが、新モデルではそのスキャンエンジンに手が加えられているのである。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月12日