それでは、どういった活用がお勧めか。まず真っ先に考えられるのがノートPC、それもモバイルノートとの連携だろう。
モバイル向けのノートPCは、持ち運んで使用することが前提だ。本体重量が軽いことが重要なファクターであり、少しでも軽くするために材質を変更したりデザインを見直すなど、さまざまな工夫を凝らして可搬性を向上させている。ちなみに、モバイルノートのベスト重量は1キロ前後、ユーザーの使い方次第だが、重くても1.6キロぐらいがモバイルノートと呼べる限界で、それ以上はトランスポータブルなノート、といった表現になるだろう。
当然ながら、モバイルノートには軽量化とのトレードオフもある。それは、内蔵デバイスを減らしたり、より軽い1.8インチHDDを搭載するなどだ。
たとえば、タブレットPCでリアルモバイルを実現した同社の「FMV-BIBLO LOOX P70R」(以下、LOOX P)などもそうした製品である。LOOX Pは、モバイルノートにタブレット機能を搭載することで、ビジネスシーンおよびパーソナルユースでのノートPCの新たな活用方法を提案する意欲的な製品なのだが、そのコンパクトさゆえに内蔵HDDの容量が30Gバイトと少ない。
今時のノートで30Gバイトの容量は正直つらい。タブレットPCは、プレゼンテーションや文書の確認・校正作業(いわゆるレビュー)などに威力を発揮するPCプラットフォームだが(ビジネスにおけるタブレットPCの活用方法は「TabletPCチャンネル」のこの記事やこの記事を参照)、当たり前のことではあるが、ビジネスで活用すればするほどHDD容量は消費されていく。パワーユーザーであれば、内蔵HDDをより大容量なものに換装するといった荒技も可能だろうが、万人向けの対応策とは言えない。
そうした点で、モバイルノートとFPHD1120との連携はお勧めだ。例えばLOOX Pの重量は約990グラムなので、FPHD1120と一緒に持ち歩いても1.2キロ以下ですむ。もちろんこれはLOOX Pだけでなく、HDD容量が心許ないモバイルノートを利用している全ユーザーにお勧めの活用法だ。
FPHD1120はモバイルノートだけでなく、A4サイズのノートPCとの連携もお勧めだ。最近のA4フルサイズのノートPCは、テレビチューナーを搭載し、HDDレコーダ機能が利用できる製品が多くなっている。
たとえば「FMV-BIBLO NB/TV」シリーズは、全モデルがテレビチューナーを搭載し、さらにHDDを2台内蔵するなど、本格的なHDDレコーダ機能がウリの製品だ。最下位となる「FMV-BIBLO NB55R/T」(以下、NB55R/T)ですら60Gバイトと80Gバイトの2台のHDDを搭載しており、セカンドHDDの80Gバイトを丸々HDDレコーダ機能用に利用できるようになっている。
しかし、民生用のHDDレコーダを見れば分かるが、80Gバイトという容量ではすぐに容量不足に陥ってしまう。見終わった番組はすぐに消去したりDVDに焼けばいいのだろうが、なかなかそうはできないのが実情だ。メインの60Gバイトはアプリケーションや録画データ以外の一般データ領域用と考えた場合、HDDを増設してしまうのが一番簡単な対策だろう。とはいえ、大柄な外付けHDDをノートPCに接続するというのもスマートとは言えない。
そこでFPHD1120を3台目のHDDとして利用すれば、セカンドHDDの80Gバイトに加えてさらに120GバイトがHDDレコーダ用として利用できることになり、民生用のHDDレコーダに負けない環境を構築できる。もちろんこれは、増設スペースのない省スペースデスクトップなどにも流用可能な方法だ。
ちなみにFPHD1120をHDDレコーダ用として使用する場合は、ファイルフォーマットを出荷時のFAT32からNTFSに変更しておこう。FAT32では1ファイルあたりの最大容量が4Gバイトに制限されているため、長時間番組を録画したり、画質を良くするために映像ビットレートを上げると、この上限を突破してしまう可能性があるからだ。
NTFSへの変更は、マイコンピュータ上でFPHD1120を右クリックして「フォーマット」を選ぶか、「ディスクの管理」(「管理ツール」コントロールパネル→「コンピュータの管理」→記憶域の「ディスクの管理」)でFPHD1120を右クリックして「フォーマット」を実行する。この辺についてもFPHD1100のレビュー記事でリポートしているので、そちらを参考にしてほしい。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月19日