Serial ATAでDVD+R DL 10倍速書き込みを実現──「PX-755SA/JP」(2/2 ページ)

» 2006年02月22日 10時00分 公開
[田中拓也,ITmedia]
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 Serial ATAにもデメリットはある。光学ドライブの場合、ATAPIと比べて速度がほとんど変わらないという点だ。光学ドライブはHDDと違ってネイティブでSerial ATAに対応しているわけではなく、Parallel ATAコマンドに対応した回路にブリッジチップを経由してSerial ATAに対応させている。そのためSerial ATAへ接続できるものの、数値的に表れるようなメリットがない。

 実際に書き込み速度をテストしたところ以下の結果となった。参考にATAPI内蔵モデルのPX-755Aの結果も載せているが、ほとんど誤差ともいえるような違いしかない。ちなみにテスト環境には、ICH5RをサポートしたIntel 865PE搭載のマザーボードを利用した。検証済みマザーボードのリストにはなかったものの、問題なく動作している。

PX-755SAのテスト結果
メディア時間平均書き込み速度
DVD-R6分22秒11.24倍速
DVD+R6分10秒11.32倍速
DVD+R DL15分24秒7.88倍速
DVD-R DL18分54秒5.89倍速
DVD+RW7分33秒7.88倍速
DVD-RW10分22秒6.03倍速
PX-755Aのテスト結果
メディア時間平均書き込み速度
DVD-R6分22秒11.24倍速
DVD+R6分17秒11.25倍速
DVD+R DL14分44秒8.33倍速
DVD-R DL18分40秒5.91倍速
DVD+RW7分46秒7.88倍速
DVD-RW10分3秒6.03倍速
※使用ソフト:Nero CD-DVD Speed V4.10、環境:Pentium 4/3GHz、Intel 865PE、PC3200 DDR SDRAM 1.5Gバイト、マックストア「7Y250P0」、Windows XP Home Edition SP2、使用メディア:すべて三菱化学メディア製

 書き込み品質について、PX-755SAで作成したメディアをPlexTools ProfessionalのQ-Check PI/POテストで確認したところ、PX-755SAとPX-755Aとでは後者のATAPI内蔵モデルがわずかにエラー発生頻度は低いという結果になった。またPX-755Aで作成したメディアもそれぞれでテストしたところ、やはりPX-755Aのほうが優れている。製品の個体差もあるため、すべての製品で同じ結果にはならないかもしれないが、今回利用した限りでは全般的に同様の傾向が出た。

DVD-R16倍速書き込み時のグラフ。フルCAVのため右肩上がりのなだらかな曲線を描いている
DVD+R DL 10倍速書き込み時。10倍速で書き込めたのは1層目のみとなっており、そのほかの大部分は8倍速になっているのが分かる
PX-755SAで記録したメディアをPX-755SAで読み込みPlexTools Proffesional v2.31のQ-Checkを行った。書き込み品質は問題のないレベル
PX-755SAで記録したメディアをPX-755Aで読み込んだ場合。PX-755SAの時よりも良好な結果に見える
こちらはPX-755Aで書き込んだメディアをPX-755SAで読み込んだ場合。PX-755SAよりもエラーは少ない
PX-755Aで書き込んだメディアをPX-755Aで読み込んだ場合。エラーが少なく非常に優秀だ

Serial ATAモデルのメリットはどこにある?

 ベンチマークテストの結果だけを見ると、PX-755SAを選ぶ理由は見あたらない。ATAPI内蔵タイプに比べて価格差があるのも懸念材料だ。現状ではPX-755Aが1万円を切る価格で購入できるのに対し、PX-755SAは3000〜4000円程度割高になっている。HDDではSerial ATAへの移行が着実に進んでおり、IDEとSerial ATAディスクで価格差がほとんどなくなっているのに比べると、光学ドライブはまだまだATAPI仕様のものが主流といえる。

 IDE内蔵モデルと基本仕様が同じことや性能面で違いを見い出せないため、あえてSerial ATA版を購入する「必要性」はないというのが正直なところだ。もちろん、取り回しのよさといったメリットを重視するならば、先に説明したように、十分な動機にはなるのかもしれないが。

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