地上デジタル放送もすぐ見られる手軽さが光る──NEC「VALUESTAR W VW970/EG」2006年春の地デジ対応モデル連続レビュー(2/4 ページ)

» 2006年02月24日 16時14分 公開
[八木慎伍,ITmedia]

OSがMedia Center Editionになってさりげなく「Viiv」対応

 VALUESTAR Wに導入されているOSはWindowsXP Media Center Edition 2005である。海外のPCメーカーでは、TVも含めたAVコンテンツを操るイメージが強いMedia Center Editionだが、VALUESTAR Wでは、Media Center Editionからテレビ機能を一切操れない。

 しかし、それでも音楽の再生や写真を閲覧する機能をはじめとする多くの機能でMedia Center EditionとNEC独自のMediaGarageが重複する。もちろん、機能がだぶるのが悪い訳ではないのだが、操作の違いや機能の違い、NECとしてどちらがユーザーにお勧めなのかを詳述したマニュアルが存在しないことが、ユーザーの混乱を助長してしまうだろう。

 これで「Media Center Editionが必須の機能」がなければ「使わなくともいいでしょう」といえるのだが、「メディアオンライン」を見るときはMedia Center Editionが便利だったりするので困ってしまう。メディアオンラインは、Media Center Edition向けの専用サービスで、普通にInternet Explorerを使っていては見られないコンテンツが視聴できることや、リモコンで操作しやすいなど、ネットで配信される番組をリビングで視聴する環境としては悪くない。

 しかし、今のところメディアオンラインで利用できるコンテンツは多くない。供給会社として大手「Gyao」やNEC自身が運営する「BIGLOBEストリーム」もあるが、メディアオンラインでしか観られないコンテンツはない。逆にメディアオンラインにはないコンテンツも多かった。

BIGLOBEストリームの例。上のメディアオンライン経由と下のMediaGarage経由では、見ためがほとんど一緒なのに、視聴できるコンテンツが違う。また、画面下にならぶ、操作用のボタン(操作手順も!)異なるのだ

 また、MediaGarageとMedia Center Editonは両方ともリモコンに起動ボタンがあり、簡単に両方起動できてしまうのだが、同梱された注意事項には「Media Center Editionをご利用になる場合は、ほかの映像を表示するソフトを起動しないでください」とある。実際、両方起動すると両方の音が混じってしまう。なれているユーザーだけが使うPCではないので、ソフトの排他制御をかけるなど工夫が必要だと思う。

 VALUESTAR Wの大画面で普通のTVと同じ感覚で視聴できるネット配信にこそ、リビングルームPCの大きな可能性があるだけに、その使い勝手に関係する部分は改善して欲しい。もちろん、その画質はデジタル放送をはじめとするテレビ放送と比較すべくもないが、好きな映像をいつでも利用できる気軽さは、TV放送とは違う魅力であるはずだ。

さりげなくViiv対応のVALUESTAR WはリモコンにWindowsボタンがついている

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2024年04月25日 更新
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