インテルが“Coreマイクロアーキテクチャ”向けベンチマーク説明会を開催(1/2 ページ)

» 2006年06月03日 05時30分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

リリースが迫るCoreマイクロアーキテクチャ採用のCPU

Core 2 DuoシステムでのCPU-Zの画面。Conroeの文字が見える

 説明会の冒頭、インテルのマット・ダンフォード氏(ワールドワイド・パフォーマンス・ベンチマーク・マネージャ)は、CPUのロードマップを語った。すでに本誌でも既報の通り、インテルは6月から8月にかけて次世代のマイクロアーキテクチャとなる“Coreマイクロアーキテクチャ”に基づくマイクロプロセッサを続々と発表する。

 Woodcrest(ウッドクレスト)の開発コードネームで知られてきたサーバー/ワークステーション向けプロセッサをXeonとして6月に、ConroeをデスクトップPC向けにCore 2 Duoとして7月に、Merom(メロム)の開発コードネームで知られてきたプロセッサをノートPC向けに8月にそれぞれ出荷する予定となっている。

 Coreマイクロアーキテクチャは、現行のIntel Core Duo後継となるマイクロアーキテクチャを採用しているが、新たに64ビットの命令セット(EM64T)や4命令同時実行が可能な実行エンジン(Core Duoでは3命令)、4MBの共有キャッシュ(Core Duoでは2MB)を実装するなど機能の面で強化されている。

 ダンフォード氏はこうした改良により、「これまで見たことがないような高い処理能力を目にすることになるだろう」と述べ、CoreマイクロアーキテクチャのCPUが高い処理能力を示すということに自信を示した。

説明会のデモに利用されたConroeのシステム(写真=左)。右の写真はCoreマイクロアーキテクチャの概要で、基本的には3月に米国で行われたIntel Developer Forumにおける内容と同じだ

消費電力が下がるConroeでは新しい評価基準が必要

インテル ワールドワイド・パフォーマンス・ベンチマーク・マネージャ マット・ダンフォード氏

 ダンフォード氏は、Coreマイクロアーキテクチャのもう1つの特徴として、消費電力の低減をあげた。現在のインテルのデスクトップPC向け主力CPUであるPentium Dは、TDP(Thermal Design Power)と呼ばれる熱設計消費電力(PCを設計するときに参照する消費電力の値)が実に130ワットにも達しており、PC全体の消費電力を押し上げているだけでなく、PCをデザインする際にも、ケースを大きくしたり、CPUファンを高速に回転させることで騒音が激しくなったりと、PC設計での課題になっている。

 しかし、もともとノートPC向けの技術として開発されてきたPentium Mの延長線上にあるCoreマイクロアーキテクチャでは、消費電力が大幅に下がるような設計が施されている。たとえば、デスクトップPC向けとなるCore 2 Duo(Conroe)の場合、前出の熱設計消費電力(TDP)は約半分の65ワットになっている。「Coreマイクロアーキテクチャでは、前世代に比べて40%の性能向上が確認できる。そうした状態で消費電力が40%に下がるため、1ワットあたりの性能が大幅に改善される」(インテル パフォーマンス・ベンチマーク・アナリシス ワールドワイド・クライアント・ケイパビリティ・エバンジェリスト デビット・サルバトアー氏)との通り、1ワットあたりの性能(ワット性能)がCoreマイクロアーキテクチャでは大きく向上する。

インテル パフォーマンス・ベンチマーク・アナリシス ワールドワイド・クライアント・ケイパビリティ・エバンジェリスト デビット・サルバトアー氏

 このため、WebサイトやPC雑誌などのメディアで記事作成に利用されるベンチマークにも、今後は消費電力を計測し、それを元に1ワットあたりの性能を示していくことが求められ始めている。そこで、サルバトアー氏は「計測はできるだけコンポーネントをそろえて行ってほしい。異なるプラットフォームで比較する場合には、マザーボードとCPUなど不可分のもののみを交換して計測してほしい」と、電力計測を行う場合の注意点を説明した(あらためて言われるまでもない内容だが…)。この他にも、CPUによりストレスをかけるアプリケーションを利用して計測を行うなどが指摘された。

 また、実際にメディアがテスト結果を掲載する際には「必ず性能の結果と合わせて別のグラフで電力を掲示してほしい。そうでないと性能は低いのに1ワットあたりの性能が高いものが優れているように見えてしまう。時速30キロしかでない車が3リットルで100キロ走るとしてもそれは実用的ではないことは明らかだからだ」と語り、決して1ワットあたりの性能だけですべてを語れるものではないことを強調した。

Coreマイクロアーキテクチャは、NetBurstマイクロアーキテクチャに比べ40%性能が向上し、40%消費電力が下がるという(写真=左)。電力の測定時にはコンポーネントをできるだけそろえることが望ましいと指摘(写真=右)
消費電力の計測にはCPUにストレスがかかる作業をやらせて行うのが望ましく(写真=左)、1ワットあたりの性能(ワット性能)を示す場合には、性能結果も合わせて表示すべきと主張(写真=右)

新しいベンチマークプログラムをインテルから提供

 また、インテルは新たなベンチマークツールとして、「インテル・マルチタスキング・シナリオ・ビルダー 1.3」と「インテル・デジタルホーム能力評価ツール Ver.1.5」の2つを新たに提供することを明らかにした。ちなみに、両ツールはメディア向けに近日中に配布される予定だ。一般ユーザーはこちらのWebサイトを参照してほしいとのこと。

 マルチタスキング・シナリオ・ビルダー 1.3は、PCにインストールされた実在のアプリケーション(たとえばNorton AntiVirusなど)など複数のアプリケーションを同時に走らせるためのツールで、アプリケーションがマルチタスクで動作している状況を自動的に作りだしてくれる。というのも、実際のユーザーの利用環境では、そうしたアプリケーションがマルチタスクで動いていることが多いからだ。マルチタスキング・シナリオ・ビルダーでそのようなアプリケーションを動作させ、別にベンチマークプログラムを走らせることで、ユーザーの利用環境に近い状態を作ることができる。

 デジタルホーム能力評価ツール Ver.1.5は、デジタルホーム環境における性能をチェックするためのツールで、ビデオ再生や対応コーデックなどさまざまな観点からPCの性能をチェックできる。Ver.1.5ではQuickTimeやH.264などに対応したほか、日本語など多国語に対応するなどの強化が行われているという。

新開発の「インテル・マルチタスキング・シナリオ・ビルダー 1.3」を使うと、現実的なマルチタスク環境を作り出すことができるという(写真=左)。右の写真はマルチタスキング・シナリオ・ビルダーの画面。マルチタスク環境を作り出せるという意味では有益なツールだ
昨年10月に披露されたツールのバージョンアップ版にあたる「インテル・デジタルホーム能力評価ツール」では、デジタルメディア性能などをチェック可能だ(写真=左)。右はデジタルホーム能力評価ツールの画面で、ビデオ再生などの品質などを含めてチェックできる
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