“フルデジタル”を武器に世界へ進出するBenQ(2/3 ページ)

» 2006年07月07日 08時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

コーポレートカラー“紫”の由来は?

 生産面や技術面のアドバンテージに加え、同社が重点を置くのはデザインだ。これは単なる見えや格好だけではなく、製品の開発方針や製品特性、さらには企業の行動や方針にも大きな影響を与えるものと位置付けている。

 BenQデザインの特徴を一言でまとめれば、“中庸”だ。これは悪い意味ではなく、実際に同社のデザイン哲学は「相反するものの融合」だ。その1例として、東洋/西洋、スタイル/機能、人間性/テクノロジーなどを挙げる。具体例では、同社のコーポレートカラーに現れている。合理的・ロジカルな意味合いを持つ青を西洋に、それとは反する赤を東洋に見立てて、それを融合させた“紫”をコーポレートカラーに採用したという。

 これらの成果は、“East Meets West”を標語にユニークなデザインを生み出し、世界中のデザイン賞に応募し、2004年以降は数々のデザイン賞を手にすることで現れている。

BenQのデザイン哲学は“Meeting of Opposites”だ
“東洋”と“西洋”の融合をデザイン上で目指す
これらの1例が故宮博物院とのコラボレーションモデルFP785+だ

青と赤を“融合”した紫をコーポレートカラーに採用
独Siemensとアジア(BenQ)の融合を模した図
2004年から数多くのデザイン賞を受賞しているのが分かる

台湾ではハイエンド製品を中心に生産

台北郊外にあるBenQの桃園工場

 長年、OEM/ODMベンダーとして歩んできただけに実績は豊富で、契約の関係で実名は公開できないが、日本の著名メーカーの製品を数多く生産している。今回は台湾の中心地台北市から車で1時間ほど離れた桃園(Taoyuan)工場を訪れた。

 この桃園工場は高機能製品を中心に生産が行われており(大量生産品は中国を中心に、メキシコやマレーシアでも行われる)、主に大画面の液晶TVや液晶ディスプレイ、ハイエンドのプロジェクターが作られている。

ディスプレイ工場として歩んできた桃園工場
液晶ディスプレイの製作工程
各種テストの実施と出荷までの流れ

項目別に分かれた動作テスト項目一覧
エージング中の様子
振動や落下などのテストで使う専用器具

Webベースでの独自のコントロールシステムを構築
工場内の作業風景。小規模なライン方式を採用する
梱包された製品は専用トラックで輸送される

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