コラム
» 2006年07月07日 08時00分 公開

“フルデジタル”を武器に世界へ進出するBenQ (1/3)

日本では液晶ディスプレイを筆頭にPC周辺機器ベンダのイメージが強いBenQだが、本国台湾ではどうなのだろうか。さまざまな顔を持つBenQの実態に触れるべく本社を訪れた。

[田中宏昌,ITmedia]

“フルデジタル”企業のBenQ

台北市にあるBenQ本社ビル

 そもそも、BenQの名の由来は「Bringing Enjoyment‘n Quality of Life(先進技術が人々の生活の質を高め、幸福に導く)の頭文字(最初から4つめまで)をとったもので、台湾では明基電通(Mingji Diantong)と呼ばれる。もともとは台湾Acerグループの製造部門として、1984年に産声を上げたContinental Systemsに端を発する。その後、OEMやODMのベンダーとして歩みながら、21世紀を迎えた2001年に、Acerグループで周辺機器の製造・販売を担っていたAcer Communications & Multimediaが独立する形でBenQが誕生した。同時にBenQブランドを立ち上げて世界進出を開始しており(日本では2002年から)、最近では2005年に独シーメンスの携帯電話事業部を買収(Siemensブランドの使用権を2005年10月から18カ月、BenQ-Siemensブランドの使用権5年間を獲得)してBenQ Mobileを設立。世界シェア第6位の携帯電話メーカーに躍り出た。ちなみに、台湾では携帯電話の端末メーカーとしてのイメージが強く、同国でのシェアは第3位だ。

2006/2007シーズンより、スペインのサッカーチーム「レアルマドリード」のメインスポンサーに

 BenQの事業内容は明確で、Communications(通信)/Computing/Consumer Electronics(家電)の3つの「C」に集約される。特徴は、“ネットワーク・デジタル・ライフスタイル”と自ら呼ぶ製品に特化していることだ。具体的に品目を挙げていくと、携帯電話や携帯端末、PDA、液晶TV、リアプロジェクションTV、プロジェクター、車載AV機器、DVDレコーダー、携帯型DVDプレーヤー、JoybeeブランドのMP3携帯音楽プレーヤー、コンパクトデジタルカメラ、液晶ディスプレイ、スキャナ、JoybookブランドのノートPC、複合機、Blu-rayを筆頭にした光学ドライブ、キーボードやマウス、光メディアなど多岐にわたる。アナログ製品を持たない、いわば“フルデジタル”の企業と言えるだろう。

BenQのプロダクトポートフォリオは“3つのC”で構成される
3つのCはそれぞれ携帯、コンピューティング、デジタルメディアの事業部に分けられる
急成長を遂げる携帯電話が、将来的にほかの製品分野をリード・波及していくという

日本で未発売のノートPCには「Joybook」というブランド名が付けられている
こちらも日本未発売の複合機やスキャナ。後者の生産量は世界第3位だ
日本でもおなじみの光学ドライブ製品。Blu-rayドライブの登場が待たれる

残念ながら日本では投入が見送られている液晶TVも豊富なラインアップをそろえる
プロジェクターに加え、HDD/DVDレコーダーやDMA(Digital Media Adapter)も取り扱う
コンパクトデジカメや「Joybee」ブランドの携帯音楽プレーヤーも多彩だ

グローバルに展開するBenQ

 グローバルに展開しているBenQだが、2005年度の売り上げはグループ全体で約1兆3600億円、社員数は約6万人にも及ぶ。製造拠点は台湾や中国のほか、ドイツ、ブラジル、メキシコ、マレーシアにあり、営業拠点も全世界で72カ所に設けている。

 グループ構成は下の図の通りだが、カンパニー制の垂直分業型であるのが分かる。さまざまなグループで成り立っているが、稼ぎ頭は何と言っても液晶パネルの生産量で世界第3位に位置するAU Optronics(2001年にAcer Display TechnologyがUnipac Optoelectronicsを吸収合併して誕生)だ。ほかにも、前述の携帯電話やプロジェクター(DLP方式)、ストレージ関連の合弁会社Philips BenQ Digital Storageなどで世界有数のシェアを獲得している。

BenQの企業プロフィール(2006年4月現在)。本社は台湾の台北市にある
世界各地での液晶ディスプレイの市場ランキング。13の国でベスト3をキープする
こちらはプロジェクターの市場シェア。さまざまな地域で上位に食い込んでいる

水平&垂直統合を果たしているBenQのグループ会社相関図
BenQグループを構成する会社の一覧と事業内容
5年間継続して、売り上げの3%をR&Dに投資している

テクノロジーセンターは世界各地に分散されるが、中心は台湾だ
世界を4つの地域に分け、計72カ所に営業拠点を設けている
日本が属するアジアパシフィックは、広大な地域をカバーする

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