これまで見てきたように、BenQの製品は多岐にわたる。残念ながら、日本では液晶ディスプレイやプロジェクター、光学ドライブ、キーボードやマウスといった周辺機器ベンダーの地位に甘んじている。もっとも、最初のページで掲載した同社の営業拠点一覧を見れば明らかな通り、現状では中国大陸での展開と欧州での携帯電話事業に重点が置かれている。ただ、ベンキュージャパンのマーティン・モーレ社長によれば、「日本は世界有数の家電メーカーがひしめいており、ユーザーの目も非常に肥えています。そのため、海外で展開中のモデルをそのまま持ち込むようなことはせず、日本向けにアピールできるよう手を加えていきたいと考えています。ベンキュージャパンのプレゼンスは、年々確実に高まっています。とくに液晶TVやノートPCは近い将来、日本でも展開していきたいと思っています」とのことだ。
そこで、ここでは近い将来に日本でも投入されるであろう液晶ディスプレイやプロジェクターのほか、日本では未発売のプロダクトを一挙に紹介しよう。
日本では現時点で発売予定はないものの、ノートPCや液晶TV、携帯電話はかなりの数が展示されていた。「Joybook」ブランドとして展開中のノートPCは、12.1インチから15.4インチまでいずれもワイド液晶ディスプレイを搭載しているのが印象的だ。ラインアップは多彩で、CPUにはIntel Core Duo/同Solo、AMD Turion 64 X2などを採用する。また、DVB-T方式のデジタルTV放送をサポートしているのも目を引く。TVチューナーは内蔵タイプとExpressCardでの供給に分かれるが、いずれもロッドアンテナが外付けとなる。電子番組表からの予約録画もサポートする。
液晶TVでもフルHDの対応をうたい、46/42/37インチのワイド液晶パネルを搭載したモデルを展示していた。解像度は1920×1080ドット(1080p)で、コントラストは1000:1(46インチのみ600:1)、中間色の応答速度は8msと高速だ。一方の携帯電話は、今年4月から投入を開始したBenQ-Siemensブランドのモデルが多数展開され、Windows Mobile 5.0搭載スマートフォンなどの姿も見られた。
これらの製品は今のところ日本で手に入れることはできないが、今後の日本での展開を期待させるには十分なものだった。ベンキュージャパンの動向に注目したい。
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