“フルデジタル”を武器に世界へ進出するBenQ(3/3 ページ)

» 2006年07月07日 08時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]
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注目の新製品を一足先にチェック

ベンキュージャパンのマーティン・モーレ社長

 これまで見てきたように、BenQの製品は多岐にわたる。残念ながら、日本では液晶ディスプレイやプロジェクター、光学ドライブ、キーボードやマウスといった周辺機器ベンダーの地位に甘んじている。もっとも、最初のページで掲載した同社の営業拠点一覧を見れば明らかな通り、現状では中国大陸での展開と欧州での携帯電話事業に重点が置かれている。ただ、ベンキュージャパンのマーティン・モーレ社長によれば、「日本は世界有数の家電メーカーがひしめいており、ユーザーの目も非常に肥えています。そのため、海外で展開中のモデルをそのまま持ち込むようなことはせず、日本向けにアピールできるよう手を加えていきたいと考えています。ベンキュージャパンのプレゼンスは、年々確実に高まっています。とくに液晶TVやノートPCは近い将来、日本でも展開していきたいと思っています」とのことだ。

 そこで、ここでは近い将来に日本でも投入されるであろう液晶ディスプレイやプロジェクターのほか、日本では未発売のプロダクトを一挙に紹介しよう。

COMPUTEX TAIPEI 2006のBenQブースでは、ワイド液晶とHDMI端子の搭載を強くアピール
HDMI端子を実装し、1920×1200ドットのフルHD表示に対応した24インチワイド液晶のFP241W
こちらは1440×900ドット表示に対応した19インチワイド液晶ディスプレイのFP92W

同社独自のオーバードライブ機能AMAに、黒画面挿入を追加した最新版がAMA Zだ
HDMIはキーフィーチャーとして、今後は積極的に搭載を図っていくという
FP241Wの背面コネクタ類。HDMIのほかにコンポーネントやDVI-D、アナログRGB入力を備える

ハードウェアキャリブレーション機能を内蔵した19インチ液晶ディスプレイのFP91R(フードは別売)
プロユースがターゲットのFP91Rでは豊富な色調整機能を持つ。視野角は上下/左右178度と広い
キャリブレーション機能により、より手軽に正確な色表現が行えるのがFR91のポイントだ

USB接続のキャリブレーションコントローラーでキャリブレーションをしているところ
キャリブレーションモードではセンサーの設置するガイド枠が画面に現れる
キャリブレーションコントローラの背面。レンズとUSBケーブルの収納口がある

同社発のフルHD対応DLPプロジェクターが「W10000」だ。製品名は10000:1の高いコントラスト比に由来する
画像補整技術のSenseye(センスアイ)は、同社の液晶ディスプレイやプロジェクターなどで幅広く採用される
ホームシネマ用からコンパクトなデータプロジェクターまで、豊富なラインアップを取りそろえる

内蔵型Blu-rayドライブのBW1000。インタフェースはSerial ATAを採用する
COMPUTEX TAIPEI 2006の会場ではBW1000を使ったBD Videoのデモ再生が行われた
こちらは外付けタイプのEW100Gで、インタフェースはUSB 2.0とIEEE1394だ

日本では未発売のノートPCや携帯電話、液晶TVの動向は

 日本では現時点で発売予定はないものの、ノートPCや液晶TV、携帯電話はかなりの数が展示されていた。「Joybook」ブランドとして展開中のノートPCは、12.1インチから15.4インチまでいずれもワイド液晶ディスプレイを搭載しているのが印象的だ。ラインアップは多彩で、CPUにはIntel Core Duo/同Solo、AMD Turion 64 X2などを採用する。また、DVB-T方式のデジタルTV放送をサポートしているのも目を引く。TVチューナーは内蔵タイプとExpressCardでの供給に分かれるが、いずれもロッドアンテナが外付けとなる。電子番組表からの予約録画もサポートする。

 液晶TVでもフルHDの対応をうたい、46/42/37インチのワイド液晶パネルを搭載したモデルを展示していた。解像度は1920×1080ドット(1080p)で、コントラストは1000:1(46インチのみ600:1)、中間色の応答速度は8msと高速だ。一方の携帯電話は、今年4月から投入を開始したBenQ-Siemensブランドのモデルが多数展開され、Windows Mobile 5.0搭載スマートフォンなどの姿も見られた。

 これらの製品は今のところ日本で手に入れることはできないが、今後の日本での展開を期待させるには十分なものだった。ベンキュージャパンの動向に注目したい。

応答速度16msの15.4インチワイド液晶を採用した上位モデルのJoybook P52
12.1インチワイド液晶を搭載したJoybook S61。重量は約2キロでデジタルTVチューナーを内蔵する
こちらは13.3インチワイド液晶を備えたJoybook T31シリーズ。ホワイトモデルも用意されている

フルHD対応の42インチ液晶TV「PH4281」。なお、現時点では46インチの液晶パネルが最大となる
BenQが唱えるe-Homeソリューション。液晶TVとHDD/DVDレコーダー、DMAやデジカメなども自社でまかなえる
こちらはコンパクトデジカメで、500〜1000万画素までを用意。高感度のShake-Freeモード搭載機もある。中央は同社のマスコットだ

今年4月から端末を発売しているBenQ-Siemensブランドにはとくに力を入れた展示が行われていた
MP3やAACファイルの再生が可能なE61。天面部分に再生や早送り/早戻しなどの操作ボタンがある
OSにWindows Mobile 5.0を採用したP51。Bluetoothや無線LAN(IEEE802.11g/b)を内蔵する

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