西日本一の電気街といえば、大阪・日本橋だ。大阪有数の繁華街である難波から東に5分程度歩けば、PCパーツショップや家電量販店が軒を並べる通りにたどり着く。
2005年8月のアキバ事情で取り上げた名古屋の大須は、雑貨店や古着屋などとPCパーツショップが混在しており、アキバとは異なる独特の雰囲気が感じられた。今回取材した日本橋は電気街としてのエリアが確立されており、店の並びは秋葉原によく似ている。電気街の面積もほぼ同じだ。
ちなみに、アキバでは日本橋を「ポンバシ」と呼ぶ傾向にあるが、現地では略さない“ニッポンバシ”のほうが主流のようだ。東京の日本橋(にほんばし)と混同しやすい問題もあるが、ここでは「日本橋(にっぽんばし)」と無難に漢字で表記しておく(関連記事:アキバ・ポンバシ……オオス? オース?)。
日本橋の電気街には、表と裏の顔がある。表は日本橋駅と恵比須町駅までの堺筋を中心にした「でんでんタウン」だ。観光地図などにも紹介されている電気街のメインストリートで、アキバでいう中央通りに該当する。
でんでんタウンは、通りの両端にPCパーツショップや家電ショップなどが並ぶ。日本橋で有名なPCパーツショップ「PC ONE'S」などの大型店舗とともに、年季の入った電子部品店も盛況。アキバの中央通りに比べるとアニメ系ショップの比率が少なく、代わりにスポーツ用品店や書店、カメラ店などが多く見られた。古くからの学生街のような街並は、神田古書店街に近いかもしれない。
堺筋を西側に2本入った通りは「オタロード」と呼ばれており、こちらのほうがアキバの雰囲気に近かった。フェイス大阪日本橋店やツートップ大阪日本橋店などの大型PCパーツショップが建ち並び、アニメ系ショップの看板も目立つ。また、車道と歩道の境界があいまいになり、歩行者が道いっぱいに広がって回遊する姿が見られた。
なお、もはやアキバを語るうえで欠かせない要素となったメイドカフェは、日本橋ではまだあまり見かけられない(アキバが異常に多いともいえるが)。ただ、PCパーツショップの店員さんによると、最近は休日にビラ配りするメイドさんも現れるようになったという。
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