レビュー
» 2007年03月22日 14時50分 公開

新生モバイルノートPCの実力は?:Vista×ワンセグ×新ボディ――富士通「FMV-BIBLO LOOX T50U/V」を試す (1/3)

Vistaの登場とともにフルモデルチェンジを果たした富士通「FMV-BIBLO LOOX T」。人気のモバイルノートPCがどのように生まれ変わったのかをチェックした。

[前橋豪,ITmedia]

基本性能を強化、OSはVista Home Basicを採用

FMV-BIBLO LOOX T50U/V

 2000年冬モデルから富士通のラインアップに加わった「FMV-BIBLO LOOX T」シリーズは、光学ドライブを内蔵しつつ小型軽量を実現したA5サイズのモバイルノートPCとして、数多くのユーザーに愛用されてきた。現在に至るまで幾度となくモデルチェンジを行ったが、光学ドライブと10インチ程度のワイド液晶ディスプレイを搭載した2スピンドル構成で小型軽量に仕上げる、という基本設計は変わっていない。

 そして今年1月に登場した新型のFMV-BIBLO LOOX Tシリーズは、Windows Vistaの初採用にともないボディデザインとアーキテクチャを刷新し、外観から中身までまったく違う製品に生まれ変わっている。店頭販売向けのラインアップは従来と同じ3モデルが用意されており、「T70U」「T50U/V」「T50U」が発売中だ。ここでは、唯一のワンセグチューナー内蔵モデルとなるT50U/Vを取り上げる。

 基本スペックは従来機と比較して、チップセットがIntel 915GMSからIntel 945GMSに変更され、メインメモリのサポートがDDR2 400からDDR2 533に、内蔵グラフィックス機能がGMA 900からGMA 950に進化した。CPUはシステムバスが533MHzの超低電圧版Celeron M 443(1.2GHz/L2キャッシュ1Mバイト)、メインメモリは512Mバイト(DDR2 SDRAM PC2-4200)、HDDは60Gバイトの1.8インチタイプ(4200rpm/Ultra ATA)、光学ドライブはDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチだ。詳しくは後述するが、基本スペックは底上げされたものの、Vistaを動作させるにはギリギリの性能と言える。

 Vistaのエディションは、上位モデルのT70UがVista Home Premiumを採用するのに対して、Vista Home Basicにとどまる。そのため、Windows AeroやWindows Media Centerの機能は使えないので注意してほしい。ただし、富士通はAVコンテンツをまとめて扱うアプリケーションとしてWindows Media Centerの代替となる「MyMedia」を用意しているのに加えて、豊富なアプリケーションが付属するため、Windows Aeroの3D描画機能が使えないことを除けば、機能面に大きな差異は感じないだろう。WindowsムービーメーカーHDとWindows DVDメーカーの機能もないが、そもそもHDV編集やDVDオーサリングが目的ならば、モバイルノートPC以外の選択肢を考えるべきだ。

軽量化と長時間駆動を追求した新ボディ

レザーホワイトのボディは上半分が白、下半分がグレーで塗り分けられており、実際よりスリムな印象を与える

 新デザインのボディは、不自然な突起などがないフラットな形状にまとまっている。ボディカラーは、T70Uがベルベットブラウン、T50U/VとT50Uがレザーホワイトを採用。天板と底面にマグネシウム合金を使用したボディはマットな塗装と相まって上品な印象だが、レザーホワイトは天板やパームレストに指紋などの汚れが付着しやすい。白で統一された清潔感のある外観を保つには、こまめな拭き掃除が必要だろう。

 内部の設計に関しては、レイアウトの全面的な見直し、放熱部品の軽量化、基板専有面積の縮小、薄型LEDバックライトとフレーム部がない液晶パネルモジュールの採用、強度を保持したまま軽量化が可能なシャーシの渦巻き加工やチタンヒンジの搭載といった工夫により、重量を削減しているのが特徴だ。それでいて、光学ドライブを外してカバーや別売の増設バッテリーを装着できるモバイルマルチベイ構造は継承している。着脱式のベイ構造は、軽量化や強度向上を図るうえで障害になるが、これを採用し続けている点に、富士通のこだわりを感じる。設計の詳細については、山田祥平氏によるインタビュー記事を参照してほしい。

 ボディを従来機と比べた場合、重量はDVDスーパーマルチドライブ装着時で約80グラム減の約1.29キロ、DVDスーパーマルチドライブ非装着時で約90グラム減の約1.18キロとなった。本体サイズは272.9(横幅)×200.9(奥行き)×27.1〜29.9(高さ)ミリで、横幅が1.9ミリ、高さ(最厚部)が1.6ミリ増えたが、奥行きは8.6ミリ減少している。本体の寸法と重量はほとんど変わらないように思えるが、基本性能を底上げしつつ、従来は外付けだったワンセグチューナーを内蔵したうえ、液晶パネル上部にWebカメラを追加したことを考慮すると、かなりの小型化・軽量化だ。

 堅牢性は従来機と同様、液晶ディスプレイ部天板の全面加圧試験で200kgfをクリアしたという。さらに、3D加速度センサーを搭載し、落下時などにHDDのヘッドを待避させる「HDDプロテクション」機能も備えている。

モバイルマルチベイ構造は健在(写真=左)。DVDスーパーマルチドライブを外してベイカバーを装着すれば、重量を約1.29キロから約1.18キロに削減できる。ベイに増設用バッテリーを装着することも可能だ。ワンセグチューナーを搭載し、外部アンテナ接続用のRF変換ケーブルとオーディオテクニカ製ヘッドフォンが付属(写真=中央)。ワンセグのアンテナは液晶パネル部の天板に内蔵されている。液晶パネル部の上部には有効30万画素のWebカメラとデジタルマイクが追加された(写真=右)

バッテリーは本体後方に装着。ACアダプターの色はブラックだ

 付属のリチウムイオンバッテリー(容量10.8ボルト 5800mAh)は、公称値で約8.5時間の連続駆動時間を確保。モバイルマルチベイに別売の増設用内蔵バッテリー(約230グラム)を装着することで、公称約11.5時間のバッテリー駆動が行える。バッテリーが後部に飛び出したり、増設バッテリー装着時の外観が変わったりしないのは好印象だ。本体のサイズ、重量、そしてバッテリー駆動時間のバランスは良好で、携帯性に不満はない。

 付属のACバッテリーは、突起部を含むサイズが130(幅)×50(奥行き)×20(高さ)ミリ、電源ケーブルを含む重量が約285グラムと比較的小型だ。他社のモバイルノートPCでは、より小型のACアダプターを採用する製品もあるが、持ち運びが面倒に感じるようなサイズではない。それに携帯して数時間使用するぶんには、バッテリー駆動だけで十分カバーできるだろう。

 モバイルノートPCとしては充実したインタフェースも特徴だ。ネットワーク機能は、1000BASE-Tの有線LANとIEEE802.11a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを装備する(FAXモデムは非搭載)。2つのUSB 2.0ポートは両側面に1つずつ配置されているため、設置場所に応じて柔軟に使い分けられる。カードスロットは、対応製品が少ないExpressCardスロットの採用を見送り、現状で汎用性の高いTypeII×1のPCカードスロットを採用。SDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャーカード兼用のカードスロットは、アクセスしやすい前面に配置している。

前面にSDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャカード兼用のカードスロット、PCカードのイジェクトスイッチ、吸気口を用意(写真=左)。液晶ディスプレイ部はラッチレス構造で、片手で手軽に開閉できる。有線LANと外部アンテナ用のコネクタは背面に配置しており、接続したケーブルが操作中にじゃまに感じることはない(写真=右)

左側面にはアナログRGB出力、USB 2.0、4ピンのIEEE1394、サウンドのコネクタ、PCカードスロット、排気口が並ぶ(写真=左)。PCカードスロットにはダミーカードが装着されている。右側面にはUSB 2.0、ACアダプタ用のコネクタ、光学ドライブが並ぶ(写真=右)

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう