今回の評価機は、CPUにAthlon 64 3800+(2.0GHz)、1Gバイト(DDR2-533)のメインメモリ、250GバイトのHDD、GeForce 7500 LE搭載のグラフィックスカードと、BTOで選べるパーツで中の下に位置する構成だった。CPUがBTOメニューにないAthlon 64 3800+だったため、実際の製品とは使用感が若干異なるものの、キビキビとした動作が印象に残った。参考までに下にベンチマークテストの結果をまとめたが、省スペース型PCとしてはグラフィック性能が優秀なことからWindows Aeroを有効にしたデフォルト状態でも動作にもたつきは見られなかった。
価格を優先してチップセット内蔵のグラフィックスを選んだ場合でも、1世代前のGeForce 6相当とはいえDirectX 9.0cやShader Model 3.0をサポートしているので、Windows Aeroは問題なく動作する。
CPUクーラーと底面の吸気ファン(いずれも8センチ角)、そして電源ユニットに2つの6センチ角ファンと、合計4基のファンを搭載しているにも関わらず、ベンチマークテストでシステムに高負荷をかけた状態でも騒音が目立って増大することはなかった。また、側面や底面が極度に熱を帯びなかったので、気温が上昇するこれからのシーズンを安心して乗り切ることができそうだ。
付属ソフトウェアは国内メーカー製PCに比べ少ないものの、ワープロ/表計算/葉書作成/写真整理・加工ソフトなどを含む家庭向け統合アプリケーションの「ジャストホームEX2 for HP」が付属するほか、CTOメニューにはOffice 2007シリーズ(Personal、Personal with PowerPoint、Professional)も用意されている。Officeが導入された職場のPCとデータの共有や操作性を共通化したいなら、こちらの追加も検討するといいだろう。
細かいところでは、前面下部に電源ランプを兼ねた青色LEDランプがあり、底面の透明窓を開閉させることで、机上を淡く光らせるギミックが仕込まれている。実用性は今ひとつだが、このような遊び心は歓迎したい。
最小構成ならば7万7700円と8万円以下でVista PCが手に入るほか、同社の直販サイトHP Directplusでは、メモリの無償アップグレード(512Mバイト→1Gバイト)や液晶ディスプレイのセットモデルが安価に買えるなど定期的なキャンペーンが展開されているので、これをうまく活用すればお得に本機を入手できる。ちなみに、BTOメニューにある同社純正の液晶ディスプレイは、17インチスクエアのHP vp17(1280×1024ドット)と19インチワイドのHP w1907(1280×900ドット)が用意される。いずれもHDCP対応のDVI-DとアナログRGBの端子を備え、本機とセットで使った場合でもデザイン面で調和が取れている。
本機はHP Directplus専用モデルだが、東京の昭島事業所で生産が行われるため(「MADE IN TOKYO」たるゆえん)、標準5営業日で製品が手元に届く。また、大手量販店のビックカメラ3店舗(有楽町店本館/パソコン館池袋本店/新宿西口店)にある常設展示スペース「HP Directplus Station」では購入前に実機を確認できるので、こちらを利用するのも手だ。
ボディがやや大きく、横置きで使えないといった不満はあるが、コストパフォーマンスは優秀で家庭向けPCとして違和感のないデザインは魅力的だ。デスクトップ型にこだわってVista PCを購入したいユーザーなら、ぜひ注目してほしいモデルである。
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