GA-G33-DS3Rは、GIGABYTEが2007年から始めた「Ultra Durable2シリーズ」の一翼を担う製品だ。このシリーズは高い安定性と耐久性、低発熱を実現した高品質モデルとGIGABYTEはアピールしている。Ultra Durable2の特徴についてはGA-P35-DS3Rの記事で述べているが、コンデンサはオール固体、MOS-FETはLow RDS(on)、そしてフェライトコアチョークコイルの組み合わせがGA-G33-DS3Rでも採用されている。
CPUの電源回路は、DS3シリーズということで6フェーズのVRMを搭載、高負荷時でも高い安定性を確保しているだけでなく、オーバークロックにおいても電源周りに余裕があるため、より高いクロックで安定できる“はず”だ。
チップセットの冷却は、やや大きめのヒートシンクだけというファンレス仕様となっている。GIGABYTEのいうところの“Ultra Durable2”によって高効率化しているため発熱も少なくはなっているはずだが、グラフィックスコアを内蔵しているため発熱のそれなりにあるのではないかと最初は危惧していたが、3D系のベンチマークを測定しているときでもノースブリッジはほんのりと暖かい程度にしかならなかった。熱による暴走などの心配はなさそうだ。どちらかというと、小さいヒートシンクしか持たないICH9Rが熱くなっていたほどだ。
Intel G33に組み込まれたグラフィックスコアの実力を知るため、内蔵グラフィックスと、GA-P35-DS3Rのベンチマークで評価システムに組み込んでいたGeForce 7600 GTとバリュークラスのRadeon X1300搭載カードで比較してみた。今回は、GA-P35-DS3Rで使用したPCMark05と3DMark05、FinalFantasy XI Official Benchmarkに加えて、3DMark03と3DMark06を加えている。
テストの結果としては、PCMark05では、GeForce 7600 GTには歯が立たないもののRadeon X1300に迫るスコアを記録している。内蔵グラフィックスとしては、十分なパフォーマンスと見ることができる。内蔵グラフィックスコアでWindows Vista UltimateをインストールしてみたところWindows Aeroも有効になるなど、Windows Vista環境でも十分に利用できるパフォーマンスになっているようだ。
前述したが、ノースブリッジの発熱の少なさは大いに注目したいポイントだ。3DMark系のベンチを測定したあとで、ファンレスのRadeon X1300は触ることもできないほどヒートシンクが高温になり、ファンの付いているGeForce 7600 GTはファンの回転がかなり速くなっているのがその音から分かる。ところが、Intel G33内蔵グラフィックススコアは、ノースブリッジのヒートシンクが熱いと感じるほど発熱していない。静音タイプのCPUクーラーと組み合わせれば静音PCが容易に作れそうである。
GeForce 7600GTを組み込んだ状態では、GA-P35-DS3Rの結果とほとんど差がない。グラフィックスコアの有無以外にパフォーマンスの違いはないようである。実売価格次第ではあるが、両者に大きな違いがないのならば、Intel P35搭載のマザーではなくIntel G33という選択肢がよろしいのではないだろうか。
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