「VAIO type R master VGC-RM52DL9」でHD映像を思うままのカタチに(前編)これぞVAIOの最上級(3/4 ページ)

» 2007年07月04日 17時00分 公開
[都築航一,ITmedia]

HDV/AVCHDともに入力から出力までのすべてをサポート

 それでは、VAIO type R masterのVGC-RM52DL9を用いたHDビデオ編集の流れをざっと見ておこう。HDV編集については、HDVカメラの草創期からVAIOが先頭を切って編集環境を提供してきたこともあり、すでに一連のワークフローが完成しているが、AVCHDについては規格自体が新しく、HDVほどは充実していない。

 とはいえ、両形式ともにビデオカメラからの取り込みだけでなく、編集後のビデオカメラへの書き戻しまでを含めた、すべての作業を行なうことができるのは特筆できる。とりわけAVCHDについては、現時点でビデオカメラに書き戻せるソフトウェアがVAIO付属のもの以外にほとんど存在しないため、VAIOを用いたAVCHD編集の使い勝手に注目しているユーザーも多いだろう。

 具体的な作業の流れとしては、まずHDVカメラの映像を編集する場合、DVgate PlusでPCに取り込み、Premiere Elements 3.0で編集したら、再びDVgate Plusに戻ってテープに書き戻すか、もしくはClick to DVDでDVDメディア保存する、というのが基本だ。一方、ビデオカメラがAVCHD対応機種の場合は、ビデオカメラ付属のユーティリティでPCへ取り込んだデータをPremiere Elements 3.0で編集し、再び付属のユーティリティでメディアに保存するか、もしくはClick to DVDでDVD-Video化するという流れになる。

 どちらの場合も中継ファイルを用いることで、編集時の負荷を軽減しつつ、最終的な出力映像の画質劣化を防ぐ「プロキシ編集」の仕組みを用いている。このとき、どの段階の作業であってもユーザーが意識することなく中継ファイルを使えるように、バックグラウンドで動作しているのがVAIO Edit Componentsというわけだ。

 プロキシ編集の仕組み自体は他社のパッケージソフトでも採用しているが、使い勝手は大きく異なる。というのも、プロキシ編集を行なうためには、元のデータとは別に、解像度を落とした中継ファイル用の映像データをエンコードして作成する時間がどうしても必要になる。ところが、VGC-RM52DL9では、TVキャプチャカードに搭載されたハードウェアエンコーダのViXS XCode2-Lを利用することで、HDVカメラの場合は映像のキャプチャと同時に中継ファイルも自動作成できるのだ(自動キャプチャとバッチキャプチャの場合)。

DVgate Plusでは、HDVキャプチャを行なう前にプロキシの設定を行なう(写真=左)。「プロキシファイルの種類」を「ファイルサイズ優先」にし、プルダウンメニューから「ハードウェアを使用して作成する」を選ぶと、キャプチャと同時に中継ファイルを作成する機能が利用できる。中継ファイルの作成状況は「VAIO Edit Componentsプロキシファイルマネージャ」で確認できる(写真=右)。中継ファイルはHDVやAVCHDのデータに対して作成が可能だ

 このため、キャプチャが完了すればすぐにプロキシ編集を始めることできる。これは、ハード/ソフトのトータルで編集環境を提供しているVAIOならではの強みだ。AVCHDの場合は、当然ながらプロキシの作成を別途指示しなければならないが、今回試した限りでは、長くても再生時間の2倍程度の時間で作成が完了した。もちろん編集時の快適さはHDV/AVCHDともに文句なく、総じてプロキシの使い勝手は良好だ。

ビデオカメラの機種によっては快適な編集ができない場合も

 ただし、プロキシ編集を利用できるビデオカメラには制限があるので注意が必要だ。具体的には、HDV720p形式のデータには対応していない(Premiere Elements 3.0自体はHDV720pにも対応)のに加え、DVgate PlusやClick to DVDといったソニー製ソフトは、HDV1080i形式であってもソニー製のHDVカメラしか認識できない仕様になっているのだ。

 このため、DVgate Plusでキャプチャし、Premiere Elements 3.0での編集を経て、再びDVgate Plusでビデオカメラに書き戻すというHDV編集のワークフローは、他社製HDVカメラでは実現できない(DVの場合は他社製ビデオカメラでも利用できる)。試しにキヤノンのHDVカメラである「XH G1」を接続したところ、OSからはビデオデバイスとして認識されたにもかかわらず、DVgate PlusやClick to DVDでは「ビデオカメラが見つからない」というメッセージが出るばかりで、HDVカメラとしてはまったく認識されなかった。

 一方、AVCHDの場合は、基本的に他社製品で撮影したデータも読み込めるようだ。ソニーの「HDR-UX1」はもちろんのこと、パナソニックの「HDC-SD1」で撮影したデータも問題なく利用できた。ただし、同じパナソニックの「HDC-SD3」で撮影した映像は、ソニー製ビデオカメラではサポートしていない1920×1080ドットの記録モードを持っているためか、どのモードで撮影したデータも中継ファイルを作成できなかった(ただし、読み込みにかなりの時間がかかったものの、Premiereのタイムラインに並べて元データを編集することはできた)。

 ちなみに、日本ビクターの「GZ-HD7」で撮影したデータも試してみたところ、HDV1080i互換とも言える「1440CBRモード」で記録したデータに限って利用でき、1920×1080ドット記録の「FHDモード」のデータは、中継ファイルが作成できなかった。

DVgate Plusでマニュアルキャプチャを行おうとしているところ(写真=左)。HDVキャプチャはソニー製ビデオカメラでしか利用できないが、ファイルサイズや再生時間ごとに自動分割したり、録画開始/停止ボタンを押したタイミングで分割する機能が利用でき、使い勝手そのものは良好だ(写真=右)

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