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» 2007年07月04日 17時00分 公開

これぞVAIOの最上級:「VAIO type R master VGC-RM52DL9」でHD映像を思うままのカタチに(前編) (1/4)

ソニーの「VAIO type R master」は個人で本格的なビデオ編集を行いたい場合、非常に強力なソリューションとなる。今回はじっくりHD映像を編集してみた。

[都築航一,ITmedia]

自由自在にHD映像を編集するためのVAIO

VAIO type R master

 ハイビジョン解像度(HD)のビデオ編集は、現在でも高性能なデスクトップPCでなければ作業の快適さが望めない、数少ない用途の1つと言える。こうした状況にあって、ソニーはVAIOブランドの最高峰に位置付けられるデスクトップPC「VAIO type R master」を“HDワークステーション”と銘打ち、HDビデオ編集を行なうユーザーに向けたシステムであることを明確に打ち出している。

 2007年夏モデルのVAIO type R masterは、店頭モデルとしては事実上1モデルしか用意されていない(19インチワイド液晶ディスプレイの有無が選べるのみ)。これは、直販のVAIOオーナーメードモデルがラインアップの中心にあるためで、クアッドコアCPUやBlu-ray Discドライブといった最新のハードウェアは店頭モデルには盛り込まれず、VAIOオーナーメードモデルでの選択肢として用意される。

 そこで今回は、いわば“素の”VAIO type R masterと言える店頭モデルで、どれだけのことができるのか、19インチワイド液晶ディスプレイとのセットモデル「VGC-RM52DL9」を使って、HDビデオ編集の機能を試してみた。

ハイスペックなPC本体に充実の付加機能

 ビデオ編集に入る前に、PC本体の仕様を簡単に紹介しよう。VAIO type R masterは、PC本体をメインユニット(CPU、メモリ、HDD、グラフィックスカード搭載)とアクセスユニット(光学ドライブ、各種インタフェース搭載)の2つに分離した「ツインユニット・コンセプト」を採用。2つのユニット間は約1.8メートルの専用ケーブルで接続され、各ユニットは縦置きでも横置きでも設置できる。この構造により、レイアウトの自由度と拡張性を高めているのが特徴だ。

 マザーボードを内蔵したメインユニットは、外形寸法が430(幅)×440.5(奥行き)×140(高さ)ミリ、重量が約15キロと大きめ。前面からアクセスできる4基の3.5インチHDDベイを備えており、HDDベイユニットはレバー操作で簡単に着脱することが可能だ。前面にはCPU冷却用の12センチファンと拡張カードスロット冷却用の8センチファンが搭載されているが、騒音を低減するノイズ減衰パネルが表面に取り付けられており、動作音はそれほど大きくない。

メインユニット前面の左下には、4ピンのIEEE1394、4基のUSB 2.0、S-Video/コンポジットビデオ入力を用意(写真=左)。背面には、TVアンテナ入力やHDCP対応のDVI-Dなど、各種インタフェースが並ぶ(写真=中央)。左上のスロットには、デジタル放送の視聴に必要なB-CASカードを装着する。前面のカバーを外せば、4基のHDDベイにアクセスできる(写真=右)

 アクセスユニットは、光学ドライブ搭載用の5インチベイ2基や各種カードスロットを配置している。外形寸法が430(幅)×290.5(奥行き)×64(高さ)ミリ、重量が約6キロと薄型だ。上面は20キロの荷重に耐える強度があるため、大型のディスプレイを重ねて設置することもできる。光学ドライブ用の接続インタフェースはIDEとSerial ATAの両方が準備されており、空いた1基のベイを柔軟に使えるのがうれしい。ユーザーが追加したデバイスは動作保証の対象外だが、将来的にBlu-ray Discドライブを増設するなどの用途が考えられる。

アクセスユニットの前面には、光学ドライブ、4ピンのIEEE1394、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、マイク、各種メモリカードスロットが配置されている(写真=左)。背面には2基のUSB 2.0とPCカードスロット(TypeII×2)、メインユニット接続ケーブル用のコネクタが設けられている(写真=中央)。PCカードスロットは無線LANモジュールの搭載を想定したもの。アクセスユニットとメインユニットは長さ1.8メートルの専用ケーブルで接続する(写真=右)

 VGC-RM52DL9の基本スペックは、VAIOオーナーメードモデルには見劣りするものの、全体的に高水準にまとまっており、パフォーマンス面の不満はない。OSはWindows Vista Home Premiumをプリインストール。CPUはCore 2 Duo E6320(1.86GHz/L2キャッシュ4Mバイト)、メモリは2Gバイト(PC2-5300対応1Gバイト×2/デュアルチャンネル)、HDDは500Gバイト(250Gバイト×2/7200rpm)、光学ドライブはDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチだ。ビデオ編集時のパフォーマンス向上を想定し、2台の250GバイトHDDはRAID-0(ストライピング)に設定してある。

 チップセットはIntel P965 Expressを採用し、NVIDIA GeForce 7600 GS(ビデオメモリは最大527Mバイト)搭載のグラフィックスカードをPCI Express x16スロットに装着済みだ。オーディオ機能は、DSD対応の独自サウンドチップ「Sound Reality」を採用するほか、サラウンド音声技術の「ドルビーホームシアター」に対応している。

 地上・BS・110度CSデジタル放送用のTVチューナーカードに加えて、地上アナログ放送用のTVチューナーも搭載。地上アナログ放送用のTVチューナーは2基搭載しており、2番組の同時録画もこなす。地上アナログ放送用のTVチューナーカードには、MPEGハードウェアエンコーダのViXS XCode2-Lが実装されており、これが映像入力時の中継ファイル作成に使われる仕組みだ(詳細は後述)。

 付属の19インチワイド液晶ディスプレイは、1440×900ドットの解像度に対応している。画面は、低反射処理を行いつつ光沢仕様に仕上げたVAIOおなじみの「クリアブラック液晶」だ。輝度は300カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1、応答速度は約5ms(白黒間)で、視野角は上下/左右とも160度となっている。インタフェースはDVI-D(HDCP対応)とD-Subの2系統を持つ。

メインユニットはmicro BTXフォームファクタを採用(写真=左)。メモリスロットは4基あり、2基が空いた状態だ。拡張スロットは、PCI Express x16とPCI Express x4、2基のPCIを備えており、PCI Express x4のみ空いている。HDDベイは4基のうち、2基を使用済みだ。アクセスユニットは2基の5インチベイを用意(写真=中央)。電源ユニットは内蔵しておらず、電源は専用ケーブルでメインユニットから供給される仕組み。付属の19インチワイド液晶ディスプレイは、TNパネルで上下の視野角がやや狭い印象だが、明るくメリハリのある表示だ(写真=右)

最大出力5ワット+5ワットのアクティブスピーカーが付属(写真=左)。FeliCaポート搭載のキーボードと光学式マウスはUSBで接続する(写真=中央)。TV機能やWindows Media Centerに対応した赤外線リモコンは、PC本体にUSB接続の受光ユニットをつないで利用する仕様だ(写真=右)

 このように、VGC-RM52DL9は盛りだくさんの機能を備えているが、ここではHDビデオ編集の機能にフォーカスし、映像の入力、編集、出力の手順を見ていこう。

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