第2世代のワンセグチューナー徹底比較(後編)山手線で“感じやすい”のは?

» 2007年07月12日 12時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]

 前編では各モデルの使い勝手や機能をチェックしたが、後編は恒例の山手線テストにより、各モデルの感度を一律に比較したい。“高感度”をうたう製品が多いが、実際のところはどうなのだろうか。

 とはいえ、テストの計測条件は人の混み具合や天候などに影響を受けるため、厳密にはフェアな環境で比べることはできない。また、受信感度は製品を選ぶ際の重要なファクターの1つだが、搭載機能や本体サイズによって、「自分に最も適した1台」は変わってくる。一元的な見比べ方をしないためにも、4モデルの機能をまとめた下記の比較表に目を通してから先に進んでもらいたい。

ワンセグチューナー第2世代の機能比較表。予約録画などは当然のように対応する時代になった

ワンセグチューナー第2世代は、おおむね高感度化

 テストは平日の午前9時から午後23時にかけて行った(途中夕方に充電のため3時間ブランクあり)。計測方法は、外回りの山手線に乗車して、走行中に受信できたチャンネル数をチェック。各チューナーを接続して2回周り、2回とも受信できた場合のみカウントする。

 対象としたチャンネルは、フジテレビとTBSテレビ、テレビ東京、テレビ朝日、日本テレビ、NHK教育、NHK総合の7局。当日の車内は新宿〜品川付近までは常に満員状態だったが、特にブランクを挟んだ夕方以降は混み具合が激しくなった。


 なお、昨年末に行った“第1世代”6モデルのテストと比較するため、SEG CLIPの初期モデル「GV-1SG/USB」でも同様のテストを行っている。結果は以下のとおりだ。

今回実施した第2世代4モデルの山手線ぐるぐるベンチマーク結果(画面=左)と、以前実施したテスト結果(画面=右)

 GV-1SG/USBの結果から判断すると、以前のテストとほぼ同じ受信環境が保たれていたといえる。その点を考慮すると、全体的をみてもやはり高感度化は間違いない。感度が落ちる日暮里〜池袋間でも、すべてのチャンネルが受信不能になるモデルはなく、五反田〜秋葉原間は走行中も安定して視聴できる場合が多かった。

すでに前モデルを持っている人も買い替えの価値アリ

 それでは各モデルについて見ていこう。

 SEG CLIP GV-SC200ほぼパーフェクトな結果を残しており、グリーンハウス「W-one」と同じレベルの高い感度を発揮した。ただ、秋葉原〜新宿間は番組が途切れることも多かった。走行中に安定して視聴するには、タイムシフト再生を利用するのがいいかもしれない。アンテナが比較的短く、電車が混んでいる時も隣の人のじゃまになりにくかったのも好印象だ。

 高感度版ちょいテレは、高感度ロッドアンテナを29センチ長まで伸ばしてテストしたが、車内の混み具合に感度が影響されやすかったようだ。今回比較した4モデルの中ではやや見劣りする結果となったが、従来のモデルより感度は確実に上がっている。また、回によって受信できるチャンネルが変わったことも、結果を悪く見せる要因となっている。アンテナは長いものの可動範囲が広く、車内で周りに迷惑をかけることはなかった。

 Monstar TV 1DRはデジタルラジオへの対応に目が行くが、ワンセグチューナーとしての感度も上々だった。アンテナは短めだが、山手線の北側でも比較的安定して視聴できている。アンテナの可動範囲が広く、場所もとらないので、4モデルの中でも特に屋外向けといえるかもしれない。ただし、本体は一番かさばるサイズだ。

 DIALIVE Wセグは今回のテストで最も良い結果を残し、前モデルの雪辱を果たした。サブアンテナによるアース機能が満員電車でも効果を発揮し、多くの人が乗り入れる新宿駅の前後でも受信感度に大きな変化が現れなかった。ただ、別方向に伸びる2本のアンテナは周囲と干渉する可能性が高い。混んでいる電車の中では、サブアンテナはノートの側面に添えるように固定しておくのが良さそうだ。


 以上の結果を総合すると、ワンセグチューナー第2世代は、ソフトの使い勝手と感度の両面で大幅に向上していると断言できる。タイムシフト再生などの付加機能もめずらしくなくなり、従来モデルと比較して劣る要素は見あたらない。

 すでにワンセグチューナーを持っているユーザーも、最新モデルに買い替えれば確実なパフォーマンスアップが期待できるだろう。実売価格は1万円から1万3000円程度に収まっており、それほど高い買い物でもない。第1世代のモデルに不満を抱いている人は、買い替えを検討する価値は十分にある。

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