年末年始に多数のワンセグチューナーが登場してちょっとしたブームを作ったが、半年経過する間に、勝ち組と負け組に二分された。そして現在、PCパーツショップで勝ち組=定番と言われている製品にも、多機能化と高感度化を実現した“第2世代”のモデルが登場している。
その一方で、デジタルラジオ放送チューナーを搭載したり、前モデルから仕様をガラリと変更した新しいモデルも目立つ。PC向けワンセグチューナー第2世代は、こうした“勝ち組強化版”と“大幅リニューアル組”がしのぎを削っている状況だ。
今回仕様したのは4モデル。いわゆる“勝ち組強化版”からは、アイ・オー・データ機器「SEG CLIP GV-SC200」と、バッファロー「高感度版ちょいテレ DH-KONE/U2」。“大幅リニューアル組”はエスケイネット「Monstar TV 1DR SK-MTV1DR」と、ロジテックの「DIALIVE Wセグ LDT-1S301U」の2モデルをセレクトした。
前編では、各モデルの特徴や進化点にスポットを当てて使用感をチェックし、後編は恒例の山手線テストの結果をお伝えしたい。
新モデルのGV-SC200は前モデルの使いやすさを踏襲しつつ、ブースター回路を搭載し、さらに感度を高めたのが最大の特徴だ。筐体もひと回り小さくなり、外出時に邪魔になりにくくなったのも見逃せない。自宅で利用する際は、付属の外部アンテナや、家のテレビアンテナと接続できるF型コネクタ変換ケーブルを使って、さらに高感度で安定した視聴が期待できるようになっている。
専用ソフトウェアは、視聴/録画画面とデータ放送、チャンネルリスト、予約一覧がそれぞれ独立したウィンドウで表示される従来どおりの仕様。ただし、デフォルトで視聴/録画ウィンドウの四隅をドラッグしてサイズ変更ができたり、データ放送の操作ボタンが内容を把握しやすい日本語表示になるなど、細かい改良がなされている。
タイムシフト再生に対応したのも大きい。電車の待ち時間などに数分間のデータを保存しておけば、走行中に地下やトンネルなどを通過する際も途切れることなく番組に没頭できる。再生速度も1.5倍と等倍が選べるので、スポーツ番組などでハイライトだけを探す際に重宝するだろう。
さらに画質調整機能も加わり、日中の屋外で視聴する際はコントラストを強めに設定するなど周囲の環境にあわせて柔軟に変更できるようになった。全体的に、ベースのインタフェースを踏襲しつつ、細かい部分を改良した印象だ。
高感度版ちょいテレは、最長29センチまで伸びるロッドアンテナを搭載しており、モバイル時でもより高感度で受信できるようになっている。単にアンテナを伸ばしただけでなく、ブースト回路とノイズ除去機能を組み合わせ、悪環境でもクリアな映像で視聴しやすい。加えて、最長13.5センチのスタイリッシュアンテナや、RF変換ケーブル、高感度外部アンテナを付属しており、状況によって4パターンのアンテナをセレクトできるのが特徴だ。
付属のTV視聴ソフトは標準でデータ放送の表示に対応。マウスやキーボードで文字放送のメニューが操作できるようになっているのが便利だ。タイムシフト再生に加え、ちょいテレ2本挿しで裏番組録画に対応するなど、アナログTVチューナーカード並みの機能を盛り込んでいる。
UIではメニューアイコンがさらに見やすくなっており、操作感は従来モデル以上。特に便利だったのは、録画ビデオを字幕のテキストから検索できる機能だ。おおまかな内容を覚えていれば、適当なキーワードを打って、目的のビデオにたどり着ける。また、番組の内容によっては頭出し再生も可能で、細かい部分が洗練された印象だ。
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