ハローキティモデルの生誕現場に行って、見た!Made in 山形(2/2 ページ)

» 2007年08月08日 11時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]
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ひたすら根気のいる作業の積み重ね

 まず最初は、液晶ディスプレイの天板に取り付けるキティと4個のハートマークを固定するための穴開け加工を行う。続いて、ABS樹脂で作られたキティとハートマークにディスペンサーを使って接着剤を塗布する工程に移る。

 ディスペンサーの先に取り付けられた接着剤はレバーを引くごとに適量が出るので、キティとハートマークに開けられた穴にひたすら塗布を繰り返す、単調だが根気のいる作業が続く。接着剤が塗り終わったら、すぐさまクリスタルガラスをはめ込む作業が行われる。こちらもガラスを1個ずつはめ込む地味な工程だ。

 キティの部分だけならば、接着剤の塗布からガラスのはめ込みまでおおよそ15〜20分で完了する工程だが、集中力と根気が必要なのは間違いない。作業をしている人に「実のところキティはどうですか?」とためらいがちに聞いたところ、「いやー、キティはもともと好きなので……」と、非常にポジティブな回答が得られた。

接着剤の塗布に使われるディスペンサー(写真=左)。1つ1つの穴に接着剤を塗布していく根気がいる作業が続く(写真=中央)。ひたすら接着剤を塗布するべし(写真=右)

接着剤のうえにクリスタルガラスを1個ずつはめ込んでいく(写真=左と中央)。接着剤の塗布と同様に根気と忍耐を必要とするのは想像に難くない(写真=右)

ディスペンサーに取り付けられたペン状の器具には穴が開けられており(写真=左)、ここを指でふさぐ(写真=中央)とエアーが止まってガラスがつかめる。ガラスのはめ込み作業に使った器具(写真=右)


最も大きなクリスタルガラスが使われているリボンの結び目は、器具を使わずに手ではめ込まれる。はめ込み後に布で仕上げが行われる(写真=左)。完成したキティのあで姿(写真=中央)とハートマーク(写真=右)。すでにキラキラしているのが印象的だ

キティに訪れる試練!?

 クリスタルガラスのはめ込み後は、接着剤の硬化が行われ、それが終わるとキティとハートマークを液晶ディスプレイ天板へ固定する工程に入る。キティと4個のハートマーク裏面には落下防止用の両面テープがはられ、さらにキティは6カ所、ハートマークは2カ所ずつの熱カシメ処理がなされる。キティ自身に170度前後に熱せられたハンダごてが直接あてられるわけだ。

接着剤の硬化が終わったキティたち(写真=左)。キティとハートマークの裏面には熱カシメ用の赤い突起がある(写真=中央と右)

液晶ディスプレイ天板にキティたちがはめ込まれ(写真=左)、その裏から170度前後に熱せられたハンダごてが「ジュウ」とあてられる(写真=中央と右)


ついにできあがったハローキティモデルの液晶ディスプレイ天板部分(写真=左)。中央の写真は熱カシメに使った工具。あとは荷造りされて、組み上げが行われる米沢事業場へと旅立つ(写真=右)

米沢事業場内のハローキティモデル専用のセル(写真=左と中央)。ここで先ほどの天板がPC本体に組み込まれる。当然、電動ドライバなどの工具がガシガシと使用される(写真=右)

完成したハローキティモデルと専用の化粧箱(写真=左)。このゴージャス感が魅力だ(写真=中央)。化粧箱にもキティとハートマークがプリントされている(写真=右)。ただし、キラキラ感は皆無だ

キティモデルには、今回使われた液晶ディスプレイ天板部分が生まれたストーリー仕立てのオリジナルスクリーンセーバーがインストールされている

“キラキラ感”にあふれる興味深い1台

 以上、多くの工程を経てキティモデル2代めができあがった。キティモデル自体のデザインや色の決定、オリジナルコンテンツのスクリーンセーバーの作成はサンリオが行っているが、NECの担当者ともども女性でキティ好きだったこともあり、企画は大いに盛り上がったという。実際、製品の売れ行きも好調だそうだ。

 サンリオの担当者にお話をうかがったところ、「PCにスワロフスキーのガラスを使って自前でキティを加工している人は見たことがあるが、まさかNECさんの製品として世に出るとは思わなかった。社内でも評判は上々です」とのこと。

 8月28日の15時までにハローキティモデルを注文した人には、キティが付いたベルトリングがプレゼントされるキャンペーンも展開中だ。NEC Directの価格は19万9500円(送料は無料)と安くはないが、この手の企画ものにありがちな木に竹を接いだような違和感はなく、きわめて自然にPCととけ込んでいる。キティ好きでなくても一見に値する、“キラキラ感”にあふれるモデルに仕上がっているのは間違いない。ちなみに、サンリオ・オンライン・ショップにあるクーポン番号を購入時に入力すると525円がオフになるキャンペーンも開催中だ。

 東京や神奈川、大阪、福岡にあるNEC Directスポットやサンリオショップの一部で実機が展示されているので、興味のある人はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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