X38とDDR3のタッグは最強か?──ASUS「P5E3 Deluxe」イマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2007年09月25日 06時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

X38はP35を超えるか?

 多彩なアクセラレーション機能を持つIntel X38 Expressマザーであるが、まずは、定格動作における性能をほかのIntel 3シリーズマザーボードと比較してみよう。比較対象は、Intel P35 Expressチップセットを搭載した同社のR.O.G.シリーズの最新製品「Blitz Formula」だ。そのため、先日のレビューで測定したときのテスト環境を今回も利用している。なお、今回評価に用いたP5E3 Deluxeは試作バージョンであるため、性能や機能が製品版と異なる場合があることをご了承いただきたい。

テスト環境
CPUCore 2 Duo E6700(動作クロック2.66GHz)
Core 2 Duo E6750(動作クロック2.66GHz)
メモリDDR2-1066 1Gバイト×2
DDR3-1333 1Gバイト×2
グラフィックスカードRadeon X1950 Pro 512MB ×2(Catalyst 7.8適用)
HDDSeagate ST3160812AS SATA 160Gバイト 7200rpm
OSWindowsXP Professional(SP2)

 まず、P5E3 Deluxeに、FSB1066MHzのCore 2 Duo 6700を装着して性能を測定してみた。メモリはCORSAIRのDDR3-1333MHz対応メモリを組み込んでいるが、BIOSで表示されるメモリクロックの設定項目は1066MHzまでで、自動設定にしても1066MHz動作となってしまう。この状態におけるパフォーマンスは、Blitz FormulaにCore 2 Duo E6700とDDR2-800MHzメモリを組み合わせたものよりも、わずかであるが低い値となっている。このように、FSB1066MHz環境では、Intel X38 Expressのパフォーマンスにおける優位性は確認できない。

Core 2 Duo E6700を搭載した状態におけるPCMark05の結果
同じくCore 2 Duo E6700を搭載した状態における3DMark05(標準設定)とFinalFantasy XI Official Benchmark 3の結果

 P5E3 DeluxeのCPUを、FSB1333MHzに対応しているCore 2 Duo E6750に変更すると、メモリのクロック設定項目に1333MHzが表示されるようになる。その状態で動作させると、メモリのパフォーマンスは約10%増加するが、総合スコアでは約2%の増加にとどまる。Blitz FormulaにCore 2 Duo E6750とDDR2-1066MHzメモリを組み合わせた結果にたいしてP5E3 Deluxeのスコアはたしかに上回るものの、その差はわずかだ。

 アクセラレーション機能をまったく用いない、定格動作におけるこのベンチマークの結果を見る限り、Intel X38 Expressチップセットのパフォーマンスは、Intel P35 Expressチップセットのパフォーマンスとほぼ同等と見ることができる。

Core 2 Duo E6750を搭載した状態におけるPCMark05の結果
同じくCore 2 Duo E6750を搭載した状態における3DMark05(標準設定)とFinalFantasy XI Official Benchmark 3の結果

R.O.G.シリーズをはじめとするASUS製マザーボードに採用されているAi Tweakerには、各種クロックや電圧、タイミングなどの設定項目が集中して用意されている
各部ごとの電圧設定も可能だ。設定するときは、「+」「−」キーが効かないので、数字を直接入力する必要がある。自動設定にしたいときは「AUTO」と入力する

DDR3-1333MHzメモリを組み込んだ場合、FSBによってメモリクロックの上限が変化する。FSB1066MHzではメモリバスの設定項目は1066MHzまでで、FSB1333MHzでメモリクロックも1333MHzまで設定できるようになる

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