キヤノンが、インクジェットプリンタ/複合機「PIXUS」および熱昇華型プリンタ「SELPHY」シリーズの発表会を開催した。製品の詳細はこちらの記事に譲るが、PIXUSシリーズ7モデルが10月4日、SELPHY1モデルが10月18日発売予定となっている。
発表会ではキヤノン 取締役 インクジェット事業本部長 清水勝一氏が登壇し、2007年のPIXUSは「キレイ! をもっとカンタンに。」をテーマにするとし、従来から訴求してきたPIXUSシリーズの特徴である「ここちよい操作性」「ここちよい写真画質」「ここちよいデザイン」をさらに追求していくと述べた。
具体的には、電源を入れてから数秒でプリントが可能になるクイックスタートの導入、従来は1ピコリットルを重ね打ちしていた部分に2ピコリットルのインク滴を加えた3サイズドロップレット技術(5/2/1ピコリットル)を採用することで、より高速なプリントを可能とした。また、2006年より搭載されたユーザーインタフェース「Easy-Scroll Wheel」をブラッシュアップして使い勝手を高めたという。
画質面では、人物や風景を適正に補正する「自動写真補正」機能を搭載し、被写体の顔や撮影シーンに応じて記憶色ベースの色補正を行うことによって、店頭プリントの品質を手軽に家でも実現した。加えて、新しい写真用紙「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」の投入により、店頭(L判1枚約30円)の半額程度になるL判1枚約15円(光沢ゴールドL判400枚の場合)というローコストを達成し、さらなるホームプリントの促進を図れると語った。
続いて、キヤノンマーケティングジャパン 専務取締役 芦澤光二氏が国内のマーケティング戦略を説明した。
冒頭、写真印刷を取り巻く環境について解説し、「昨今プリンタ市場は飽和してきたとの論調も見られるが、消耗品の売り上げは順調に伸びており、キヤノンは業界平均を上回る実績を残している」と述べて「ホームプリントが着実に根付いていることが分かる」とした。次に発売後1年で100万台に到達した中堅機のPIXUS MP600に触れ、「近代まれに見る商品」とインクジェット複合機で過去最大のヒットモデルをたたえた。成功の要因としては、「キレイ」「速い」に加え、操作性やデザインが大きな評価ポイントになったと述べ、同社製品の中でもNo.1の顧客満足度を達成していると語った。
以上を踏まえた上で、新PIXUSのテーマである「キレイ! をもっとカンタンに。」について言及し、「キレイは当たり前、もっとカンタンかつ気軽に写真を印刷してほしい」として、Easy-Scroll Wheelと自動写真補正機能が新モデルの軸になるとした。また、新用紙「写真用紙・光沢ゴールド」について「L判1枚で20円を切るとユーザーはリーズナブルと感じる。今回は15円とさらなる低価格化を実現したことで、大きなセールスポイントになる」と語った。そして2007年PIXUS新シリーズについて、「新機能をバランスよくそろえた、筋肉質のラインアップであると自負している」とまとめた。
最後に、2年めを迎えた同社デジタルフォト戦略のキーメッセージである「ENJOY PHOTO」について、「ホームプリントは難しいと思っているユーザーがまだまだ多いと感じている。今後もENJOY PHOTOを強力に推進していきたいと考えている」と述べた。
なお、CMキャラクターの“3姉妹”は2006年に引き続き山田優さん、蒼井優さん、夏帆さんの3人が担当すること、3ブランド(PIXUS/PowerShot/SELPHY)共通でプロモーションを展開することが発表され、これらの施策により、家庭用プリンタシェアの50%以上を目標に掲げると宣言した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.