ご飯を食べていると、どこからともなく指令が飛んできた。いわく「本日の君の任務はデルの発表会場から新製品の地デジユニットを奪取、山手線に乗ってその受信状況を報告することだ。なお、君が電車内において奇異の目で見られたり、当局に逮捕されても当方はいっさい関知しない。言うまでもないが、原稿は早めにまとめること」とのこと。ライターへの扱いがこれほどヒドイ編集部もめずらしい。
で、奪取はなんなく成功したのだが、「XPS M1330」本体と、昨日発表になったエスケイネット製の「MonsterTV HDU」、それに加えて「専用ブースター搭載モバイルアンテナ」を持って電車に乗るというのは、なんかこう……いったいこの罰ゲームはどこまでエスカレートするのか。
デルから発表されたポータブル地デジチューナー「MonsterTV HDU」の専用ソフトには、設定画面に受信感度を示す値が出る。ワンセグチューナーでありがちな「アンテナ○本」という表示よりも確実なチェックができそうだ。
まずはじめに機材一式を赤坂にある某ビル内に持ち込み受信感度をチェックしたところ、表示が常時20デシベルくらい出ていれば安定した受信が可能だが、それを下回るとガクっと表示品質が悪くなることが判明した。
しかも、ワンセグチューナーとは異なり、画面がまったく表示されないだけでなく、上はちょっと出てその下が真っ黒という状況がたびたびあった。ただし、ビルの1階でも窓際にアンテナを取り付ければそれなりに視聴は可能だった。ちなみにこのビルはケーブルでTV視聴ができるので、標準付属品のRF変換ケーブルを利用すれば、当然ながらまったく問題はない。
さて、PC USERでは恒例となっている山手線ベンチマークテストだが、“ワンセグ”よりも“フルセグ”のほうが強力な電波を必要とする。そこで条件をよくするために、山手線内回りの「内側」に陣取ることにした。そうすれば電波はよりストレートに到達するだろう。
もちろん立ったままTVを視聴するのは難しい――と言うよりも「立ったままノートPCを開いて、謎のアンテナまで持っている人」は不審者以外の何者でもない。また、アンテナの持ち上げ加減で採取データが変動するのもよろしくないので、席にどっかりと腰を下ろし、窓にモバイルアンテナを吸盤でくっつけて、受信度合いの統一性を図ることにした。
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