BDもHD DVDもこれ1台の“次世代マルチドライブ”――「BRD-UXH6」実力判定困った時の全部入り(1/3 ページ)

» 2007年10月24日 15時00分 公開
[都築航一,ITmedia]

HD DVDの再生に対応した6倍速記録Blu-ray Discドライブが登場

 アイ・オー・データ機器から10月末に出荷される予定の「BRD-UXH6」は、Blu-ray Disc(以下BD)およびHD DVDの両ディスクの読み出しに加え、BD-R/REへの書き込みにも対応する外付け型の光学ドライブだ。さらにDVDスーパーマルチドライブと同等の機能も兼ね備えており、現時点で最も多機能な光学ドライブとして注目できる。同社オリジナルのものを含む付属ソフトも盛りだくさんで、製品の魅力を高めるのに一役買っている。今回は発売前の製品を試用し、その実力を検証してみた。

※2007年10月25日現在、部材調達の遅れにより、外付け型BRD-UXH6と内蔵型BRD-SH6Bの出荷は11月中旬に延期されている(編集部追記)

BRD-UXH6は、シルバーで統一されたシンプルなデザインを採用(写真=左)。外形寸法は170(幅)×270(奥行き)×50(高さ)ミリ、重量は約1.6キロだ。光学ドライブのトレイは黒色で、前面にアクセス/パワーランプを配置している(写真=右)。縦置きでの設置時は12センチディスクのみの対応だ

 BRD-UXH6で使われているドライブは、日立LGデータストレージ製のSerial ATA接続モデルだ。アイ・オー・データ機器は、同じドライブを使った内蔵タイプの製品「BRD-SH6B」も用意しているが、光学ドライブとしての機能は両製品とも変わらない。6倍速でのBD読み出し、3倍速でのHD DVD読み出しに加え、BD-R(1層6倍速、2層4倍速)およびBD-RE(1層、2層とも2倍速)への書き込みにも対応する。また、DVD±Rの16倍速記録に対応したDVDスーパーマルチドライブとしても利用できる。各ディスクの最大再生速度と最大記録速度は下表を参照してほしい。


BRD-UXH6の最大再生/記録速度1
ディスク 容量 再生 記録
BD-R(1層) 25GB 6倍速 6倍速
BD-R(2層) 50GB 4.8倍速 4倍速
BD-RE(1層) 25GB 2倍速 2倍速
BD-RE(2層) 50GB 2倍速 2倍速
BD-ROM(1層) 25GB 6倍速
BD-ROM(2層) 50GB 4.8倍速
HD DVD-ROM(1層) 15GB 3倍速
HD DVD-ROM(2層) 30GB 3倍速
CD-R 700MB 40倍速 40倍速
CD-RW 700MB 40倍速 24倍速
CD-ROM 650MB 40倍速
BRD-UXH6の最大再生/記録速度2
ディスク 容量 再生 記録
DVD+R(1層) 4.7GB 12倍速 16倍速
DVD+R(2層) 8.5GB 8倍速 4倍速
DVD+RW 4.7GB 10倍速 8倍速
DVD-R(1層) 4.7GB 12倍速 16倍速
DVD-R(2層) 8.5GB 8倍速 4倍速
DVD-RW 4.7GB 10倍速 6倍速
DVD-RAM(片面) 4.7GB 5倍速 5倍速
DVD-RAM(両面) 9.4GB 5倍速 5倍速
DVD-ROM(1層) 4.7GB 16倍速
DVD-ROM(2層) 8.5GB 8倍速


「USB転送最適化ユーティリティ」をPCにインストールすると、USB接続時も対応BD-Rメディアに最大6倍速で記録可能になる

 BRD-UXH6の目玉と言えるのが、1層BD-Rへの6倍速記録だ。これは、現時点で各社から販売されているBD-Rメディアが4倍速対応までにとどまっているにもかかわらず、ドライブの持つ機能により、一部のメディアを使った場合に限って6倍速での記録が行えるというもの。ただし、この6倍速モードでは、メディアの回転速度を一定に保つCAV方式で書き込むことから、実際に6倍速に達するのは、メディアの最も外側の部分へ記録する場合に限られる。4倍速モードでは、メディアの全周に渡って4倍速で記録するCLV方式を用いるため、両者の間で書き込み時間にどの程度の差がつくのか興味深いところだ。

 PCとの接続端子は、USB 2.0とeSATAの2種類を備えている。eSATAは接続できるPCが限られるものの、内蔵時と同等のパフォーマンスが期待できる。一方、USBでの接続は手軽さが魅力だが、書き込み性能がeSATA接続時に比べると劣ってしまう。このためBRD-UXH6には、USB接続時の書き込み速度を向上させるアイ・オー・データ機器オリジナルのユーティリティソフト「USB転送最適化ユーティリティ」が同梱される。具体的には、同社が「マッハUSB」と呼ぶ技術を用いたドライバにより、通常は最大でも5倍速程度にとどまる1層BD-Rへの記録速度が最大6倍速にまで引き上げられる。このユーティリティの効果についても後ほど検証したい。

前面はすっきりとした外観で、左端にイジェクトボタンを用意している(写真=左)。背面は、左から電源スイッチ、SimpleDiskモード切り替えスイッチ、miniBタイプのUSB 2.0ポート、eSATAポート、電源コネクターが並ぶ(写真=右)

ケースの中に冷却ファンは搭載されておらず、日立LGデータストレージ製のSerial ATAドライブを内蔵している(写真=左)。電源はACアダプターで供給する仕組みだ(写真=中央)。USBとeSATAのケーブル、eSATAブラケットが同梱される(写真=右)

 なお、BRD-UXH6はWindowsユーザー向けの製品で、同梱されるソフトウェアはすべてWindows対応のものだが、ハードウェアとしてはMac OS X(10.2.8以降)での利用にも配慮されている。MacにUSB接続する際、ドライバやソフトウェアを導入することなしに、外付けHDDに近い感覚でデータをBD-REに書き込める「SimpleDisk」モードが利用できるのだ(別売のライティングソフトを利用すれば、SimpleDiskモードでなくてもBDドライブとして利用可能)。SimpleDiskモードと通常の動作モードは、本体背面のスイッチで切り替えられる。

 次は豊富な付属ソフトをチェックしていこう。

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