では、実際の読み書きの性能をベンチマークテストによってチェックしていこう。テストに使ったソフトウェアは、フリーで提供されている「Nero CD-DVD Speed」で、バージョンは4.7.7.5を用いている。なお、テストはPentium D 820(2.8GHz)、2Gバイトのメモリを搭載したPCにWindows Vista Home Premiumをインストールした状態で行なった。
最初に、気になる6倍速でのBD-R記録について見ていこう。BRD-UXH6では、TDK製の4倍速対応BD-Rメディア、および三菱化学製の2倍速対応BD-Rメディアを利用した場合、最大で6倍速での書き込みが可能になる。Nero CD/DVD Speedでも、TDK製の4倍速対応BD-Rメディアを装着した際、6倍速での書き込みが可能なことを認識できた。
BRD-UXH6とPCをeSATAで接続し、TDK製の4倍速対応BD-Rメディア(1層)を、4倍速と6倍速でそれぞれテストしたところ、前者は22分55秒、後者は21分29秒という結果になった。わずか1分半ほどの差にとどまっているが、これは6倍速モードでは、CAV方式で2.6倍速程度からのスタートになり、4倍速記録を超えるまでに時間がかかるためだ。すなわち、ディスク容量いっぱいまで使わないならば、全域を一定速度で書き込むCLV方式による4倍速モードで書き込んだほうが早く終了する場合もあるということを覚えておきたい。
続いて、USB 2.0で接続し直して6倍速のBD-R書き込みを行ない、付属のUSB転送最適化ユーティリティの有効/無効による違いを計ってみた。有効にすると21分28秒で書き込みが終了し、eSATA接続時とまったく変わらないと言っていい書き込み性能を発揮できた。とはいえ、無効時も最高で5.4倍速程度は出ており、書き込み時間も22分8秒と、1分も差がない。無効時はバッファメモリが5倍速を超えるあたりから急に不安定になることを併せて考えると、USB転送最適化ユーティリティの効果は確かにあると思われるのだが、実際の書き込み時間はそれほど差がつかないという結果になった。
6倍速記録モードが利用できるのは1層のBD-Rのみで、2層のBD-Rを利用した場合は4倍速記録までになる。この場合、すべての領域を同じ速度で書き込むCLV方式で記録される。またBD-RE利用時は、1層/2層を問わずCLV方式による2倍速記録までの対応だ。
なお、16倍速対応の1層DVD-Rメディアおよび52倍速対応のCD-Rメディアで書き込んだ結果も参考までに掲載しておく。DVD-Rは4Gバイトほどを超えるとCLVに切り替わるPCAV、CD-Rは500Mバイトを超えたあたりでCLVに切り替わるPCAV方式でそれぞれ書き込んでいることが分かる。
最後にBDとHD DVDの再生テストを行ったが、前者は最大4.8倍速、後者は最大3倍速とどちらも公称値通りの結果が出た。現状でBDもしくはHD DVDでしか提供されていないHD収録の映画タイトルをどちらも再生できるのは大きな魅力と言える。
BRD-UXH6の価格は7万2450円で、実売価格は6万5000円前後になりそうだ。一方、内蔵タイプのBRD-SH6Bは6万6675円で、実売価格は6万円前後の見込みとなる。どちらも昨今の記録型DVDドライブの価格を考えると高価なことは確かだが、記録型のBDドライブや、BDおよびHD DVDの再生に対応したドライブ自体がまだまだ選択肢が少ないことを考えると、普及に伴う機器やメディアの低価格化はこれからだろう。
とはいえ、BRD-UXH6は現時点で利用可能なディスクメディアの大半に対応していることや、BDへの記録速度の速さといった、光学ドライブとしての機能の豊富さでずば抜けているうえ、独自ユーティリティによって性能を引き出す工夫も施されている。BDとHD DVDの標準フォーマット争いが続いている現状で購入しても、両ディスクの再生が可能なことから、満足度は高いだろう。とりあえず使いこなすには付属ソフトも十分な内容で、いくつか存在する同等ドライブ採用製品の中にあっても十分検討に値する1台と言える。
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