それではアーキテクチャを一新したMR3300の性能を見ていこう。試用機はCore 2 Duo E6850(3GHz)、メモリ1Gバイト、RADEON HD 2400 PRO採用グラフィックスカードの構成だ。(OSはWindows Vista Home Premium)。なお、外付けグラフィックスカードだけでなく、チップセット内蔵コア(GMA X3500)の描画性能もチェックしている。
まず、Windows Vistaの快適利用の指標となるWindowsエクスペリエンス インデックスの結果だが、RADEON HD 2400 PROを搭載した構成でのスコアは3.8。3点台はグラフィックスのみで、メモリは4.5、プロセッサと体感速度を大きく左右するHDDは5を超え、CPUは5.7と非常に高い値となった。一方、オンボードのGMA X3500使用時もほぼ同様のスコアで、グラフィックスのみ若干下回っている。もっとも、Windows Vistaの利用にはまったく不満のない基本性能だ。
実際、PCとしての総合パフォーマンスを計測するPCMark05では6268を記録し、オンボードグラフィックスでも5823と6000に迫るスコアを記録した。CPUがCore 2 Duoの最高クロックということもあるが、この点を差し引いてもメモリアクセス性能やHDDパフォーマンスは高く、PCとしての基本処理能力が高いことが確認できる。
一方、3DMark06は試用機のグラフィックスカードがエントリークラスのRADEON HD 2400 PROということもあって、結果は1473とあまり振るわなかった。GMA X3500のスコアはさらに低い620だが、オンボードグラフィックスのデフォルト設定(1280×1024ドット)でのスコアとしては悪くない。FFベンチのスコアを見る限り最新のヘビーな3Dゲームでなければそこそこ楽しめるだろう。ただ、G35のグラフィックスコアはG965をベースに細かな改良を加えただけなので、過去のベンチマーク結果と比較する限り、大幅に描画速度が向上しているわけではなさそうだ(もちろんこれは本機に限ったことではないが)。
なお、ベンチマークテスト中に静音性もチェックしたが、従来製品同様、非常に優秀だった。時期的に室温が低くなってきたこともあるが、Speedfanでモニタリングしたところ、CPUファンの回転速度は最高でも1450rpm程度であり、騒音レベルはアイドル時とのベンチマーク中でほとんど変化を感じなかった。グラフィックスカードのBTO次第で若干変わるとはいえ、試用機に限って言えば動作音が気になることはなかった。
本機の魅力を一言で言うなら、やはりハイバランスという点だ。設置面積はブック型PC並みの幅10センチを切るスリムタワーながら、クアッドコアCPUやCore 2 Duoの最高クロックモデルを搭載可能で、HDDも2台まで内蔵できる。それでいてメンテナンス性も高く、外観はコンシューマー向けのデザインだ。家庭とオフィスのどちらでも違和感のないデザインが1つの導入ポイントになる場合もあるだろう。
もちろん、同社ならではの自由度の高いBTOも健在だ。例えばビジネスユースなら、CPUパワーはそこそこでよいがHDDはミラーリングしたい、といった需要もある。同社のオフィス向けラインアップであるATシリーズではこういった用途に対応できないが、本機ならそれほど変わらないフットスペースで、導入コストも最小限に抑えつつ、要求に応えることができるわけだ(ただし、ATシリーズでもStandby Rescue Multi キットを導入することで、手動による完全バックアップをサポートしている)。
さらに、標準で3年間と言う長期のパーツ無償保証をはじめ、標準の1年間無償保証期間、お預かり修理契約期間中の1日修理といったサポート面での魅力もある。特に先月10月2日には土日修理も可能となって、サポートがさらに充実した点は付け加えておきたい。
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