レビュー
» 2007年11月19日 10時00分 公開

Windows XPだって軽快動作:“199ドルノート”の安くない中身に迫る――ASUS「Eee PC」(後編) (2/3)

[坪山博貴,ITmedia]

SSDの採用もあり、Windows XPの動作は軽快

 Windows XPの動作はかなり軽快だ。内蔵されたSSDのシーケンシャルリード/ライト性能はそれほど優れていないのだが、やはりランダムリードの速さが効いているのだろう。電源ボタンを押してからWindows XPの起動が完了するまで(マウスカーソルから砂時計が消え、タスクバーのアイコンがすべて表示されるまで)に約58秒、反対に電源ボタンを押してからWindows XPのシャットダウンが完了するまでに約18秒かかった。

 さすがに劇的に速いとはいえないが、この程度の速度があれば、内蔵メモリのぶんだけSSDの容量をさらに消費する休止状態を使う必要性は感じない。少なくとも4GバイトSSDモデルでは、状況に応じてスタンバイとWindows起動/終了を使い分けるのが最も効率がよさそうだ。


さすがにプリインストールのOSに比べると起動は遅いが、電源オンからデスクトップ表示までが約47秒、タスクバーのアイコンがすべて表示されるまでが約58秒と及第点。Windows XPの起動が遅くて、イライラするようなことはなさそうだ

IE6のホームページをPC USERのサイトに変更して起動した。ほかに何もアプリケーションを起動していないこともあるが、起動とレンダリングは非常に高速だ。インターネットへの接続はIEEE802.11gの無線LAN、インフラはTEPCOひかりを利用した

※IE6の起動を撮影した動画を追加しました(2007年11月19日15時/編集部)。

 Windows XPの使い勝手で気になるのは、液晶ディスプレイの800×480ドットという特に縦方向に狭い解像度だ。Windows XPでは800×600ドットが推奨解像度の最低値となっており、初期設定のままではスタートメニューでも一部の項目が表示できない。

 こうした表示の不便さは、設定次第でどうにでもなる部分も多いが、快適に使うにはそれなりに手間が必要と思ったほうがよい。ウインドウのデザインもタイトルバーやメニューバーの高さを抑えるといった工夫をしたほうが快適に使えるようになる。

初期状態のままではスタートメニューの一部が表示されず、「検索」や「ファイル名を指定して実行」が見えない(写真=左)。利用頻度の低そうな機能の表示を無効にし、アイコンを小さくすると、縦方向が480ドットでもスタートメニューが収まるようになった(写真=右)

Eee PCをメディアプレーヤーとして活用する

 Windows XPを搭載したEee PCのメディアプレーヤーとしての資質はどうだろう。内蔵のSSDに動画ファイルを保存するのは非現実的なので、IEEE802.11gの無線LAN経由で動画を再生してみたが、SD解像度に関してはまったくもって余裕だった。

 MPEG-2は9Mbps、WMV/DivX/XVidは1.5〜2Mbpsとかなり高めのビットレートの動画ファイルを再生してみたが(WMVのみWindows Media Player、ほかはVLC media playerで再生)、CPU使用率は平均50%を割り込むレベルで、コマ落ちするようなことはまずない。また、MPEG-4 AVC/H.264でエンコードされたSD解像度/平均1.5Mbpsの動画ファイルも再生してみたが、CPU使用率は平均80%程度とほぼ問題なく再生できた。

左からDivX、WMV、MPEG-4 AVC/H.264の動画ファイルを再生した場合のCPU使用率。MPEG-4 AVC/H.264の再生ではCPU使用率が100%に達することもあったが、使用した動画ファイルはSD解像度で平均ビットレートが1.5Mbpsと少々厳しい条件だったので、メディアプレーヤーとしての実用度は高いといえる

 動画再生時のバッテリー性能についてもチェックしてみた。液晶ディスプレイのバックライトは結構明るいので、バックライトを50%ほどに設定し、音量は最大値の2/3に設定。この状態で平均ビットレート1.5MbpsほどのWMVファイルを再生してみたところ、バッテリー残量が10%になった時点で約138分の動画再生が可能だった。無線LANを使いつつ動画の再生が可能という意味ではかなり立派だし、実用性もある。また、内蔵スピーカーがディスプレイの左右に配置されているため、小型ノートPCとしては音場も良好だ。総じてメディアプレーヤーとしての資質はかなり高いといえる。

 さらにEee PCはアナログRGB出力も備えているので、アナログRGB入力を搭載した大型TVなどに接続して、ネットワークメディアプレーヤー代わりに使うというのも悪くない。Windows XPならば再生可能なコーデックもほとんど問わないことになるので、下手なネットワークメディアプレーヤーよりも便利で価格的にも有力といえるのではないだろうか(手軽さや操作性では、専用のネットワークメディアプレーヤーに譲ることになるが)。

Windows XP導入後のバッテリー駆動時間、パフォーマンスは?

 Windows XPをインストールした場合に少し気になったのがバッテリー残量の管理だ。どうも10%単位になっているようで、OSのバッテリー残量表示の切り替えが10%単位と雑だった。また、ACPIでの「Discharge Rate」も取得できなかった。

 付属のDVD-ROMからドライバをインストールする場合、最初に「ASUS ACPI Driver」のインストールを要求されるので、これに問題があるのかもしれないし、あるいはBIOSレベルの問題かもしれない。前述した動画再生時間の計測をバッテリー残量10%までにとどめたのもこの関係だ。そもそも、Windows XPがプリインストールされていたわけではないので、Windows XPの使用自体が自己責任でもあるのだが、利用時にはバッテリー残量が10%になったらACアダプタにつないで充電する、といった注意が必要になるだろう。

 今回入手したEee PCは、CPUにCeleron M 353(900MHz)を搭載していたが、「CPU-Z」「CrystalCPUID」「MobileMater」などのツールで確認すると、実際にはFSB 70MHz×9倍速の630MHzで動作しているようだった。ベンチマークテストを行ううえで何か比較対象はないものかと探してみたところ、Eee PCと同じCPUとチップセットを搭載した「Mininote」で実施した「HDBENCH 3.3」の結果があったので、Eee PCでも「HDBENCH 3.3」を走らせてみた。すると、確かにEee PCのCPUが630MHzで動いていると納得させられる結果になった。

「CPU-Z」と「CrystalCPUID」ではEee PCのCPUを900MHzのCeleronと認識しつつ、動作クロックは630MHzと表示される(写真=左、中央)。HDBENCH 3.3の実行結果を見ても、CPUの動作クロックは630MHzに抑えられているようだ(写真=右)

 このようにCPUの動作クロックが抑えられているのは、発熱やバッテリー駆動時間との兼ね合いなのかもしれないし、個体によって搭載されるCPUが異なる場合に性能差が生じないようにという配慮からかもしれない。メーカーの公称スペックでは「Intel CPU & Chipset」としかうたっておらず、出荷時期の違いなどによってCPUやチップセットが変更される可能性も考えられる。

 とはいえ、630MHz動作でもプリインストールされたOSやソフトの利用にまったく不自由を感じないのはもちろん、Windows XPも余分なアプリケーションを入れない状態であればサクサク動く。900MHzで動作しないのは気になるが、実用上の不満はない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう