“199ドルPC”を求めて海を渡る(後編)台湾の秋葉原へ(2/3 ページ)

» 2008年01月11日 17時09分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

任務はさくっと完了したが、何の感慨もない

 Kmallはさまざまなテナントが並ぶショッピングビルだ。PC関連製品は、地下1階と1階に固まっている。基本的にここの売り場ではPC本体を扱っており、立地条件がよいためか、かなりまともな店が入っている印象を受けた。

 事前に「KmallにはASUSTeKの直営店があるらしい」と聞いていたので、こちらを先にのぞいてみたのだが、「わざわざEee PCを買いにここまで来たんだ。Eee PCはどこだ、さあ、とっとと出してください」とお願いしたところ、「在庫ないよ」とあっさり断られてしまった(言葉が通じなかっただけの可能性もある)。

 そこで結局、NOVAに入っているお店で購入した。価格はクレジットカード払いで11888TWドル。店頭に並んでいたEee PCには中国語版のOSが入っていたが、店員によれば設定1つで英語版になるという。実際に目の前で動作確認もしたので初期不良の心配もなさそうだ(当然ながら台湾国内での一年保証はある)。

 商品を受け取った瞬間でさえ「ついにEee PCを手に入れたのだ」という感動はまったくなく、ひどく疲れたなあ、とぼんやり考えていただけだった。そもそも自分がEee PCを欲しかったわけではないのだし、自分のものになるわけでもない。国内発売まで待てないと言うのなら、ネットで買えば済む話なのである。これはひどい。あまりの徒労感に購入風景の撮影を忘れてしまったほどだ。

 ……なにはともあれノルマ完了である。

“台湾の秋葉原”で遊ぶ

 次にめざしたのは八徳路電脳街。こちらは台北駅から、MRTの板南線に乗り換えて2駅の忠孝新生駅から松江路を北に歩き、すぐ先にある八徳路を左に曲がる。台湾の秋葉原という名はだてではなく、曲がるととたんに電気屋の看板だらけで、現在のアキバよりもむしろ密集度は高い。

“台北の秋葉原”への最寄り駅は忠考新生駅。比較的狭いエリアに店がギッチリつまっている(写真=左)。八得路の展望。看板を見て分かるようにギッチリだ。この密度はいまの秋葉原を越えている印象を受ける(写真=中央)。八得路から光華商場に行く途中のショップの店頭にあった自転車。インテル公認なのか店員の趣味かは知らないが、自転車そのものは台湾ではほとんど見かけない(写真=右)

 以前は高速道路の高架下に光華商場があったらしいが、現在は建て替え中でその近くに仮設店舗が全部で5棟あり、この中にびっしり店舗が入っている。こちらはラジオガーデンの2階のような雰囲気だ。

 Kmallで売られている商品がメーカー製PC中心なら、こちらはパーツ類がメインで、マザーボードやCPU、HDD、メモリ、周辺機器が多い。ただ、価格でいうと秋葉原に比べて特に安そうな印象はなかったので、結局何も買わなかった。サンヨーの「エネループもどき」が2種類、エネループのブランド違いが1種類あったので、これは個人的にお土産として買ったほうがよかったかも、と後悔した。

八徳路電脳街でパーツ探しをするなら、一番分かりやすいのが光華商場だ。ただし、現在は仮設5棟に分かれた状態になっている(写真=左)。こちらが光華商場の平面図。B/Cは2つのプレハブを1つに表示しているので、実際には5棟の建物に分かれている(写真=中央)。再建のあかつきには看板に描かれたイラストのような建物ができるらしい(写真=右)

 八徳路沿いの店は、メーカーPCからパーツ、果てはサーバ関連までと店の数が多い分、品ぞろえはさらにバラエティに富んでいる。一方、地下にあるショップ群はほとんど存在せず、唯一目を引いたのは光華国際電子廣場だった。また、いわゆるアンダーグラウンドな香りが漂ってくるものも、あまり見かけない。コピーソフトをビル内の店頭で堂々と売っている香港とは大違いで、あえてあやしいモノを挙げるならニンテンドーDSやWiiなどの家庭用ゲームに関連する商品くらいだ。

八得路沿いにあったショップだが、店先にサーバラックが置かれていた(中身はない)。どんな人が買っていくのだろうか(写真=左)。今回の取材で唯一ドキドキした商品を見かけたのがここに入っている店舗。さすがに中は撮影できなかったが、「D2C」や「2.0J & 3.1J」などの張り紙がしてあった。よく分からないが、きっと魅力的な意味を持っているのだろう(写真=右)

 香港には最近行ってないので、アジア全体が以前よりマジメになったのか、台湾がマジメなのか、あるいは初めてぶらっと寄っただけでは気がつかないだけなのかは分からないが、“あやしいアジア”を少しだけ期待していた身にとってはガッカリだった。ちなみに、PC用のコピーソフトに関しては、道端にソフト名が並んだクリアファイルが置いてあるという、なぜか秋葉原でも見かけるスタイル。

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