米国土産は「すっきり英字キーボードEee PC」……のハズだった“祝!Eee PC日本出荷開始”便乗企画(1/2 ページ)

» 2008年01月25日 11時39分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 なんだかもう、最近のPC USERは、MacBook AirとEee PCの記事しかないんですけど、というほどに、MacBook Airと人気を二分しているASUSのEee PC。日本でも大々的にデモンストレーションを行うなど、その勢いは止まらない。

 この傾向は、米国でも同様のようで、2007年の秋に出荷されるや、1カ月後にはAmazon.comのノートPC出荷ランキングでベスト10に入り、その勢いがそのまま現在も続いている。これは、決して「マニアックなノートPC(もしくはLinux)ユーザー」だけの話ではなく、クリスマスのギフト人気投票で「贈ってあげたいプレゼント」ランキングの上位に食い込んだりするなど、ごく普通の消費者にも受け入れられている。

 そんな、Eee PCが人気を博している米国に、正月早々CESの取材で乗り込んだのがPC USERのイチ記者だ。この記者、妻子持ちであるが、子どもの給食費がPCパーツに化けたとか、GWや3連休、正月休みに突きつけられる出張で旅行の約束を次々と反古にするなど、家族ウケがすこぶる悪い。そこで、彼は、今回の米国出張の“お土産”で、この苦境を打開しよう試みた(個人的な資質の問題を何とかしようとしないで、モノで解決しようというあたりで、どこか間違っています)。

 で、Eee PCである。日本モデルはいまだ出荷されておらず、米国モデルなら、日本ではめずらしいすっきりとした英字のみのASCII配列キーボードがついてくる。そして、「自分だけのノートPCが欲しいんだよね」と主張し始めた子どもの無理難題を、“5万円もかけずに”丸く収めることができる。おお、やった。そうしよう。米国土産にEee PC。これで、私の立場も威厳も回復できる(ハズだ)。

 当初の予定では、入国したその日のうちに(午後イチに到着することになっている初日は時差調整や旅行の疲れを癒すためにフリーとなっている。なにかと過酷なPC USER編集部も“前前前”日リポートの1本だけで許してくれる)家電量販店に駆け込んで、Eee PCをゲットするか、もし店頭になくとも(人気商品であることから、店頭で入手できない可能性が当初から指摘されていた)、オンライン購入で1週間ある滞在中に届けてもらおうという、ミッドウェイ海戦の日本海軍もビックリという2段構え作戦を立案していたが、入国当日の暴風雨がすべてをぶち壊してくれた。

 さあ、困った。作戦計画では、ラスベガスに存在する量販店「Fry's」「CompUSA」、そして「Best Buy」を索敵して、見つけたら即買い、という算段だったが、取材が始まったら、さすがに量販店に行く時間は取れない。おぉぉぉーーん。それでも、帰国直前になんとか30分だけ時間をひねり出して、“一軒決めうちピンポイント爆撃”を敢行することにした。

 となると、攻め込む目標を1つに絞り込まなければならない。COMDEXがまだ活況を呈していたときからラスベガスに取材で通っている老練ライターたちが必ず訪れるのがFry'sだ。そして、PC関係が充実していると言えばCompUSAとなる。Eee PCがあるのは、Fry'sかCompUSAか? 「ロシア艦隊は対馬海峡と間宮海峡のどちらにくるでごわんそ」と迷った日露戦役当時の連合艦隊司令部のように苦悩していた記者は、ひょんなところで答えを得た(記事掲載時、店名表記が間違っていました。おわびして訂正いたします)。

 CES会場にあったASUSのミーティングルームで、日本にもやってきたプロダクトマネージャーに、「私はASUSの素晴らしいEee PCをラスベガスで購入したいです。もし、よろしければ、あなたは私に、その素晴らしいEee PCをどこで買えるのか教えてくださいますか?」と聞いたところ、「あなたは、Best Buyにいくべきです。もし、ASUSの素晴らしいEee PCを購入するならば」と教えてくれた。調べてみると、ASUSは米国の家電量販流通としてBest Buyと契約をしている。よし、決まった。攻撃目標はBest Buyだ。

CESで訪れたASUSのミーティングルームでは、“新型”は見つけられなかったけど、8GバイトのSSDを搭載したモデルやWindows XPを導入したモデル、そして、カラフルなカラバリ筐体が展示されていた

「で、Best Buyってどこ?」

 恥ずかしいことに、記者は3度目のCES取材と言うのに、「ホテルと会場とそれをつなぐモノレール」しかラスベガスを知らなかった。3度目にしてようやく路線バス「Duce」に乗る技を習得した記者は、初めて「明るい派手なラスベガス」を知ったという(モノレールは“ラスベガスのホテルの裏口”をつないでいるため、悲しくなるほどに暗い)。

 そんな彼だから、当然、Best Buyがどこにあるかも知らない。しかし、場所は、Best Buyラスベガス店の住所をWebで調べ、その住所をGoogle Mapで検索すれば、即座に分かる。幸い滞在先のホテルから程近いところにあった。とはいえ、米国サイズの“程近い”だから、歩いてはいけない。タクシーを使うことになる。え、タクシー。ということは道を教えなければならないのね。えええええええ、できるのか、未知なる土地で。

 ところが、できる。Google Mapの米国エリアでは、「主要なストリートの景観」が表示できるサービス「ストリート・ビュー」が運用されている。Best Buyがある「Maryland」通りもこのサービスのエリア内だった。Google Mapの検索でポインタがたった場所でストリート・ビューウインドを開いてみると。

Best BuyのWebサイトには、ラスベガス店の住所と場所が記されている

なるほどー。はっきりとは読み取れないけど、道路の右側にでっかい看板が、その向かいには全世界で共通の「M」のマークがあるのね

 よーし、これでOKだ。この、とても分かりやすいランドマークに来たら「運転手さん、ここで止めてくださるかしら」といえばいい。準備は完璧。CES取材最終日、最後の記事を書き終えた記者は、「念のため」英語に堪能な“競合他誌”の取材陣とともに、タクシーに乗り込んだ、がっ!

夜になったら景色が一変して訳が分からないぃーっ

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