ハンファ・ジャパンからメディアプレーヤー「MOVIE COWBOY」の最新版「DC-MC25U2」が発表された。2.5インチHDDを内蔵する「DC-MC25U」シリーズとしては、ハイビジョンに対応した2製品目という位置付けだが、HDDユニットとクレードルに分割された筐体を採用するなど、新シリーズといってもよいほどの変化が見られる。今回はハイビジョン対応で先行する3.5インチHDD内蔵シリーズ「DC-MC35UL」との比較を中心に評価していく。
MOVIE COWBOYは、HDD内蔵型のメディアプレーヤーキットで、主力シリーズとしては3.5インチHDDを格納できる「DC-MC35UL」シリーズと、2.5インチHDD対応の「DC-MC25U」シリーズがある(バリエーションには5インチベイを搭載した「DC-MC50U2」もある)。
これらは単にHDDのサイズが違うというだけでなく、DC-MC35ULシリーズはネットワークに対応しており、Windowsの共有フォルダ上のファイルをそのまま再生できるという特徴を持つ。一方、DC-MC25Uシリーズはやや大きめの外付けポータブルHDDケースであり、オプションの車載キットとあわせて車に搭載したり、携帯するという使い方に向いている。
冒頭で触れたように、DC-MC25U2は2.5インチHDD内蔵シリーズとしては2製品目。MPEG2-TS/WMV HD/DivX HDといったハイビジョンフォーマットに対応するほか、HDD部分とインタフェースを物理的に分離し、USB外付けHDDとして利用できるHDDユニットと、これを載せるクレードルという構成に変わった。このことによってもたらされた利点とは何だろうか。
まずはUSB外付けHDDとして見た場合の省スペース化だ。76(幅)×110(奥行き)×98(高さ)ミリという本体サイズは、一般的な2.5インチHDD用の外付けケースと比べても遜色がない大きさ。搭載インタフェースはUSBミニコネクタとACアダプタ用コネクタ、それにクレードル接続用端子だ。ACアダプタ用コネクタがついてはいるものの、バスパワー動作にも対応しており、通常利用(外付けHDD)についてはACアダプタを接続する必要もない。
また、ディスプレイやアンプなどへの出力インタフェースがクレードル側にまとめられたことによって端子を並べるスペースに余裕が生まれ、多彩なインタフェースの搭載が可能になったこともメリットだろう。
前モデルのDC-MC25Uでは多極ミニジャックコネクタを3系統搭載し、それぞれ専用変換ケーブルによってコンポーネント、コンポジット(映像・音声)、デジタル同軸を出力していた。一方、DC-MC25Uではこれらを専用変換ケーブルを用いずに接続できるようになったほか、角型光デジタル音声出力とHDMI出力を新たに搭載している。映像・音声についていえば3.5インチタイプのDC-MC35ULシリーズを超えたといっても過言ではない(DC-MC35UL最新機種のDC-MC35UL3と同等だが、DC-MC35UL3は変換ケーブルが必要)。
デコーダチップなどのメインパーツはHDDユニットに搭載されている。DC-MC25Uと異なり、HDDユニットだけではメディアファイルの再生はできないため、わざわざ熱に弱いHDD部にデコーダを搭載しているのはやや意外だ。
評価機に搭載されていたチップはSigma Designsの「EM8621L-LF」で、おそらくDC-MC35UL2/UL3で採用されている「EM8621L」のバリエーションだと思われる。なお、HDDユニット側面に通気口がある以外では、特に排熱機構は用意されておらず、長時間の使用時にはHDDユニットがかなり熱くなっていた。
DC-MC25U2にはネットワーク機能が搭載されていないため、あらかじめHDD内にメディアファイルを入れておくことになるが、このさいにHDDユニットをクレードルに設置した状態のままPCと接続することはできず、いったんクレードルからHDDユニットを取り外して接続する必要がある。さらに、DC-MC25U2はホットプラグには対応していないため、必ず電源をオフにしてから挿抜しなくてはならない。なお、HDDユニットが接続されていない場合にはクレードルの電源は入らないようになっている。
ちなみに今回、内蔵用HDDのインタフェースは、IDEからSATAに変更されている。正式に対応しているフォーマットはNTFSのみだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.