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見た目の変化はダテではない――デル「Vostro 1310」をチェックする2代目はイケメン!?(2/2 ページ)

» 2008年07月09日 17時07分 公開
[中山一弘,ITmedia]
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Intel GM/PM965ベースの構成は従来モデルを継承

メモリスロットやHDDには底面から簡単にアクセスできる。ACアダプタのサイズは58(幅)×137(奥行き)×28ミリ(厚さ)ミリ、重量は約400グラムとやや大きめ。6セルバッテリーの容量は11.1ボルト 56ワットアワーで、BTOメニューでは4セルバッテリーも選べる

 システムは、これまでと同じIntel GM/PM965 Expressチップセットを採用する。IEEE802.11a/b/g/nまたはa/b/g対応の無線LANモジュールはインテル製と非インテル製が用意され、BTOの選択次第ではCentrinoプラットフォームとなる。

 CPUはCore 2 Duo T8100(2.1GHz)、T8300(2.4GHz)、T9300(2.5GHz)、T9500(2.6GHz)のほか、Celeron 550(2.0GHz)から選べる。PC2-5300対応のメモリは、4Gバイトまで搭載可能で、OSはWindows Vista Ultimate/Bussiness/Home Premium/Home Basic(いずれも32ビットでService Pack 1適用済み)に加え、Windows XP Professionalのダウングレード権を使って出荷時にWindows XPをプリインストール(Vista BusinessまたはUltimateのリカバリDVDメディア付き)することもできるので、使用目的に合わせてチョイスすればよいだろう。

 グラフィックス機能はチップセット内蔵のIntel GMA X3100だけでなく、128Mバイトのグラフィックスメモリを搭載したNVIDIA GeForce 8400M GSを実装できる。差額は1万2600円だが、3Dの描画性能を求める場合は選択が必至だろう。HDDは80〜320Gバイトまで選択肢があるが、7200rpmのドライブは160Gバイトのみなので注意したい(160Gバイトで5400rpmも選択可能)。

評価機のCPU-Z画面(写真=左と中央)、GPU-Zの画面(写真=右)

発熱と騒音も少なく、高いパフォーマンスを発揮

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックスの画面

 最後に、Core 2 Duo T8300(2.4GHz)のCPU、2Gバイト(1Gバイト×2)のメモリ、160GバイトのHDD(5400rpm)、GeForce 8400M GSのGPUを搭載した評価機で、ベンチマークテストを行った。

 PCの総合的なパフォーマンスを表すPCMark05では、総合値が5292と好成績を収めた。古めのテストであるFinal Fantasy XI Official Benchmark 3ではLowで7000オーバー(計り知れないPC)、Highでも4000オーバー(とてとてPC)と、ノートPCとしては比較的高いスコアであったが、DirectX 9.0c対応ベンチマークプログラムである3DMark06の結果を見る限り、最近の本格的な3Dゲームを楽しむには荷が重い。とはいえ、全体的にテスト結果は良好で、Officeアプリケーションを使っての作業や画像処理といったビジネス用途だけでなく、手軽なオンラインゲームなどはストレスなく動作することが分かる。

 一方、長時間の使用が多いビジネスPCだけに、気になるのが本体の稼働音と発熱だ。実際にベンチマークテストを実行し続けたところ、パームレストやキーボードはそれほど熱を持たず、タッチパッドの周辺で40度を超えたが、通常であればほとんどの人が長時間に渡る作業時はマウスを使うと思われるので、あまり問題はないはずだ。

 騒音については、メールやWebブラウズといった軽い負荷の時は左側面にある排気ファンの風切り音は気にならず、静かな部類に入る。高負荷時でも耳に障るほどの音にはならないので作業に集中できるのはうれしいところだ。ただし、排気熱はそれなりに高いため設置する際には本体の左側に空間を必ず設けたい。

左からPCMark05、3DMark06(1280×800ドット)、FFベンチのテスト結果

豊富なBTOメニューを備えたビジネススタンダードモデル

 以上、ざっとVostro 1310を見てきたが、全体的にビジネスモデルとしてきっちりツボを押さえている印象を持った。今後、Windows Vistaにシステム移行が進むのであれば、快適にPCを使うためには評価機ぐらいのスペックは必要になってくるだろう。最小構成価格は5万9980円と安価だが、CPUがCeleron 550になり無線LANも持たないため、Windows Vistaを使用するのであれば可能な限りCore 2 DuoのCPUを選択したい。なお原稿執筆時は、Windows XP Professionalを搭載したビジネスベーシックパッケージならば6万1980円で購入できた。

 SOHO向けのモデルらしく、サポートとサービスメニューの選択肢が豊富で、社内にIT管理者がいないユーザー向けの「エンドユーザ・プロサポート」を筆頭に、平日だけでなく土日祝日も対応する「コーポレート設置サービス」、衝突や落下による破損、液体こぼしや盗難などの事故損害までカバーする「コンプリート・ケア」などが用意されている。PCパーツだけでなく、これらのメニューも用途や予算に応じて選択できるのが、Vostroシリーズならではのアドバンテージといえるのではないだろうか。

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