最後のセッションでは土居氏も登壇し、GPGPUの“スゴさ”を改めてアピール。また、先日発売されたiPhoneに関連させてか、地アナチューナーで録画した動画を(ガリガリにハッキングした)iPod touchに無線LAN経由で表示させるデモも披露した。「せっかくの自作市場ですし、ロケフリも自作しましょう」語っていた。
このセッションで改めてGPGPUの仕組みを解説。ライバルのNVIDIAが開発したGPGPU「CUDA」と比較して、「CUDAのほうが先に開発が進みましたが、構造が独特のためソフトウェアパートナーの手間も大きくなってしまう。RADEON HD 4000シリーズで利用できるGPGPUは汎用性の高い技術を応用しているので、活用範囲に広がりが出ると期待しています」(土居氏)。
恒例のロードマップは、GPUとCPUを並列して紹介していた。土居氏は「2008〜9年にかけて、GPGPUをモバイル環境でも実現する予定です。あと、現行GPUのハイエンドモデルも近々発表します。CPUは今よりさらに低消費電力化が進むでしょう。流行りのTDP 45ワット辺りが増えて、上のほうのモデルはTDPを大幅に下げていくと思います」と解説した。
ちなみに、現行ハイエンドCPUの「Phenom X4 9950 Black Edition」はTDP 140ワットながら、下位の9850 Black Edition(TDP 125ワット)よりも、実際の消費電力が低いと言われている。これについて土居氏は「ぼくも何で下がったのか分からないんですよ。確かにAMDで実測しても低かったですけど、構造は変えていませんからねえ」と話していた。
なお、終盤には森本氏が「まもなく登場する予定」というAMD 790GXのリファレンスボードを公開。リファレンスボードは、メーカー内で検証などに使う開発用ボードで、日本AMDにも1枚しかないという。それを森本氏は来場者に渡して、回覧してもらうように促し、土居氏や佐藤氏を本気で驚かせていた。
土居氏と佐藤氏は「AMDがATIをくっついたいろいろな強みが出てまいりました。GPGPUは、高性能なCPUと組み合わせれば、弱点を補間しあってより効果的に使えますので、これからもAMDのCPUとGPUをよろしくお願いします」とセッションを締めくくった。
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