+1GHzがいとも簡単──ASUSのP45マザー「Maximus II Formula」でかっとべ!イマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2008年08月19日 17時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]
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Core 2 Duo E6750を3.5GHzで軽々ドライブ

 Maximus II Formulaで最も驚かされるのが、BIOSの設定画面を開いたときだろう。通常なら、最初のBIOS画面には日付の設定やドライブ情報が表示されるが、Maximus II Formulaはいきなり「Extreme Tweaker」が表示される。「オーバークロックをやってみよっか」といわれているようだ。

 従来モデルのMaximus Formulaでは、オーバークロック関連の設定が「Ai Overclock Tuner」にまとめられていたが、Maximus II Formulaでは、それまで「Ai Overclock Tuner」に用意されていた「CPU Level Up」が独立したメニューに格上げされて、ユーザーが行える自動オーバークロックの設定の幅が広がっている。

 CPU Level Upでは、オーバークロックのプリセットモードとして、「2種類のCPU」と「Crazy」といった3つの選択肢が用意される。今回の評価作業で筆者が用意したCPUは、「Core 2 Duo E6750」だが、CPU Level Upの選択肢として「Core 2 Extreme X6800」と「Core 2 Duo E6850」が表示される。このように、“2種類のCPU”としては、マザーボードに組み込んだCPUの1〜2ランク上のモデルが選べるようになる。

BIOS設定を起動すると、いきなり「Extreme Tweaker」が表示される。チューニング作業のためにクロックを何度も変更するときは、とても使いやすい
Extreme Tweakerの「CPU Level Up」では、オーバークロックの設定内容を「CPUのグレード」で選べる。「Crazy」を選ぶと安定動作ぎりぎりのレベルに設定してくれる

BIOSのAdvancedメニューでは、イルミネーションのオンオフや、LCD Posterの表示設定などができる
BIOSからEZ Flash Utilityを起動すれば、起動用フロッピーを作成しなくてもBIOSアップデートが可能だ

 「Core 2 Extreme X6800」を選択すると、CPUの動作クロックは、2.93GHz動作(=366MHz×8)となり、「Core 2 Duo E6850」を選択すると3.0GHz動作(=375MHz×8)となる。これらの2つの設定では、定格の2.66GHzから高くても3.0GHzへクロックアップすることになるが、評価作業で用いたリテールのCPUクーラーユニットでもそれほど発熱は増えず、ベンチマークテストも安定して実行できた。

 しかし、Crazy設定は強烈だ。Crazyに設定して再起動すると、FSBはいきなり437MHzまでアップして、Core 2 Duo E6750の動作クロックは3.51GHzとなってしまうのだ。リテールのCPUクーラーユニットでOSは起動するものの、ちょっとした重い負荷をかけるとCPUの温度は80度近くなってハングアップしてしまう。CPUクーラーユニットをサードパーティ製の高効率タイプに換えると(筆者はAuras LPT-700を使った)、重負荷処理でもCPUの温度は63度(室温30度)に抑えこむことができて、ようやく安定して動作させることができた。

 さらに、FSBを450MHzに上げてCPUの動作クロックを3.62GHzで動作させたところ、ベンチマークテストを走らせたとたんにリセットがかかり、FSB440MHz、CPU動作クロック3.54GHzでは、ベンチマークテストは完走するもののCPU温度は76度に達してしまう。これでは、とても常用する気にはなれない。Crazyの設定で自動的に設定された3.51GHzというCPUの動作クロックは、限界に近いぎりぎりの設定をしてくれたということになる。このようなチューニングを自動で行ってくれるなら、初心者だけでなく、中級ユーザーも満足できるだろう。

 もちろん、ベテランのオーバークロッカーが行う本格的なチューニングのために、電圧やメモリクロックなども細かく設定できるマニュアルモードも用意されている。R.O.G.シリーズの特徴でもあった高い自由度を持つオーバークロック設定項目は健在だ。

 また、Maximus II Formulaには、BIOS ROMを2つ装備する「iROG」というデュアルBIOSを採用している。どちらのBIOSから起動するかを選ぶことができるので、アップデートしたBIOSの完成度が低くて問題がある場合でも、ひとつ前のBIOSに戻してシステムを起動することが可能だ。2つのBIOS ROM間でイメージをコピーするだけなので、使い勝手もいい。起動するBIOSの選択は、ジャンパスイッチのほかにBIOSメニューからでも選択できる。それゆえ、安定性を重視した設定を施したBIOSと、パフォーマンスを優先して、ギリギリのチューニングを施した設定を併用するといった運用にも応用できる。

Maxmus II Formulaには、2種類の設定を適用したBIOSを使い分けられるiROGが導入されている。BIOSの切り替えは、ジャンパスイッチでもBIOSメニューでも可能だ
BIOSのPOSTコードを表示する「LCD Poster」を標準で装備する。オーバークロック時に、どの起動処理で停止しているかが分かるため、適切な対策が講じられる
バックパネルには、CMOSクリアスイッチが用意されている。マザーボードがPCケースに収容された状態でオーバークロックのチューニングを行う場合、非常に役に立つ

定格設定のパフォーマンスはIntel P35 Express搭載のBLITZ Extremeと同等

 Intel P45 Expressチップセットのパフォーマンスは、Intel P35 Expressチップセットとほぼ同等といわれている。そのため、R.O.Gシリーズとはいえども、定格設定においては飛び抜けた性能を示すことは難しい。Maximus II FormulaにCore 2 Duo E6750とRadeon X1950 Proを搭載した環境でベンチマークテストを走らせて見たが、その結果は、ほぼ同等の環境で測定したBLITZ ExtremeやP5K3 Deluxeのスコアとほぼ同等だ。わずかにグラフィックス関連のスコアが少し違っている程度だ(この差は、BLITZ ExtremeとP5K3 Deluxeのテストでは、グラフィックスドライバにCatalyst 7.8を適用したのに対してMaximus II FormulaではCatalyst 8.7を用いたことも要因となっているだろう)。

 オーバークロックして、CPUを3.51GHzで動作させた状態でもベンチマークテストを走らせてみると、PCMark05のトータルスコア(PCMarks)で1000ポイントもアップするなど、かなり高いパフォーマンスを実現しているのが分かる。このような高い性能が簡単な設定で得られるということだけでも、Maximus II Formulaを購入する意義がある。「オーバークロックなんてとてもとても」という初心者こそMaximus II Formulaによってもたらされるメリットは価値があるのではないだろうか。DDR2対応モデルということもあって、R.O.Gシリーズとしては実売価格が低く設定されており抑えている(+D Shoppingで調べたMaximus II Formulaの価格はこちら。通常マザーボードのハイエンドモデルクラスとほぼ同等)。R.O.Gシリーズに魅力を感じていたけれど価格がネックで購入できない、と思っていたユーザーには、非常に魅力的な製品になるはずだ。

 今回の評価作業では、特にオーバークロック耐性の高いCPUを用意したたわけではないのに、1GHz近いクロックアップが実現している。しかしながら、たとえMaximus II Formulaの機能を使って設定したとしても、CPUとしてみれば保証外の行為であるため、オーバークロックできることを保証をするものではないことは認識しておきたい。さらに、オーバークロックによってCPUやマザーボードなどシステムが壊れてしまう可能性があることも留意しておく必要がある。何が起こっても、すべては自己責任となる。

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