新しい「MacBook Pro」は誰のためのマシンか?気になるポイントをチェック(2/4 ページ)

» 2008年10月21日 12時54分 公開
[林信行,ITmedia]

ガラスでコーティングされたiMacのようなディスプレイ

ガラスでコーティングされた発色のよいディスプレイ

 薄いと言えば、液晶ディスプレイ部は本当に薄い。これはLEDバックライトの採用によって薄くできたようだ。また、LEDバックライトの採用は、スリープからの復帰後、ウォームアップなしですぐにパっと明るくなる表示にも貢献している。

 本体手前側の凹みに指を入れ、そのままディスプレイ部を持ち上げると、中からはiMacを思わせる黒いベゼルで囲まれ、薄いガラスでコーティングされた15.4型の、美しく明るいディスプレイが現れる。これまで十分美しいと思っていた(筆者個人で使っている)MacBook Airのディスプレイ表示も、このMacBook Proの後に見返すと、もやでもかかったようにくすんで見える。

 ガラスコーティングのディスプレイは、光を反射しすぎて外光が入るところでは見づらいのでは、という指摘もあったが、アップルは米国での製品発表会で、「その分、LEDバックライトを明るくして、なんとか見えるようにがんばった」と答えていた。まだ屋外では試していないが、確かに多少蛍光灯や白熱灯などが映り込んでもそれほど気にならなかった。

 今年のCEATECでは、各メーカーのブースは競ってテレビを横向きに置き、その薄さを競いあっていたが、MacBook Proの液晶は、その中に並べても遜色がない薄さと、表示の美しさを達成していると言えるだろう。

 実際にアップルの「HD Gallery」のページからハイビジョン画質のQuickTimeムービーを落として再生してみると、このマシンのSuperDriveがBlu-rayに対応していないことが悔やまれてならない(ちなみにスティーブ・ジョブズ氏は、Blu-rayの不採用に関して、同技術にからむさまざまなライセンス料金の高さのせいとしている)。

MacBook Proでもストレージの交換が容易になった

USBポートを斜めからのぞき込むと、ボディの厚みが分かる。USB端子の手前に分厚い(といっても2ミリだが)のアルミケースがむき出しで残っている

 本体を開き、キーボードの上に手を置くと、パームレストから手首にその頑丈さが伝わってくる。「1枚のノート」という感想と矛盾するようだが、このアルミボディにそれなりの厚みがあり、しかも頑丈であろうということは、実は外観を見ればすぐに分かる。左側面のUSBポートを斜めからのぞき込むと、本体を分解するまでもなく、約2ミリほどのアルミの厚みが直に見られるのだ。

 歴代のノート型Macを使い続けてきたクリエイティブプロフェッショナルの中には、2001年にリリースされたチタニウムPowerBook G4以降の製品では、しばらく使い込んでいくうちに筐体がたわんできた、という経験を持っている人が少なくないかもしれない。わずか数日ほどの試用でこの新MacBook Proがたわむか否かを判断することはできないが、実際に触ってみた感触を見ても、薄いアルミの弁当箱ではなく、アルミ座面のイスやテーブルのような触感で、まったくたわみそうな印象はなかった。もっとも、少しやわに感じたのは、本体底面にあるバッテリーとHDDを覆うフタで、この部分は指で叩いてみただけでも明らかに厚みが違うのが分かる。

バッテリーの裏ブタには、HDDやメモリの取り付け方法が印刷されている

なお、バッテリーベイに関して言えば、やはりうれしいのがHDD交換のしやすさだ。日本のアップルの見解では、新MacBook Proでも(これだけ交換がしやすいにも関わらず)ユーザーがメモリやHDDを交換することは保証の対象外になるとしている。

 もっとも、アップルの立場になって考えれば、今後もノート型用のHDDやSSDは増え続けるわけで、それらすべての動作を検証することはできないし、壊れて責任を取ることになるのはリスクが大きすぎる、というだけのことだ。特に現状のSSDでは、モノによって製品寿命も含めた質の差が激しいのでなおさらだろう。

MacBook Proの底面。MacBookと同じようにHDDの換装が容易になった

 ただし、責任までは取らないが、バッテリーベイの裏蓋にはしっかりとHDDの交換方法がプリントされており、アップルが交換のしやすさをウリにしていることは明らかだ。

 ところでバッテリーベイを外したところ、もう1つ発見があった。外装は非常になめらかなMacBook Proだが、内側をみると、これがまぎれもないアルミ削りだしのボディである証拠が残っていた。

 写真では分かりづらいかもしれないが、気づいただろうか? 本体裏側の中央付近にいくつもの丸い跡が連続してついている。これはドリルのような機械でアルミ板をくりぬいたあとだろう。ちなみにこうして削りだされたアルミはちゃんと再生利用されているようだ。

 新MacBook Proは(MacBookも)、キーボード回りのフレームは1枚のアルミから削りだしたものだが、底面部は2枚の薄いアルミパーツで比較的簡単に取り外しができる。まるで、たまに怪奇映画に出てくる頭がい骨を切り開いた手術の跡のようだ。

 いくつかのネジを外せば、簡単にMacの頭脳であるCPUとGPUや、脊椎であるロジックボードがあらわになる。万が一、本体が故障した場合でも、簡単に内部パーツの交換ができそうだ。

 そう考えていてふと思ったのだが、今これだけ環境に配慮し始めたアップルなら、再びノート型のアップグレードサービスを再開してくれてもいいのではないか。

 おそらく新MacBook Proの頑丈なアルミ筐体は、これまでのノート型の筐体よりもずっと長持ちするだろう。ならば、今後、技術革新が進んで、新しいCPUや新しいGPUが出てきたとき、中の基板だけ交換して最新機種と同等品にアップグレードするサービスを提供してもいい気がする。アップルは1990年代前半まで、実際にこのようなサービスを展開していた。Quadraと呼ばれるモトローラ製の古いCPUを搭載していたマシンを最新のPowerPCを搭載したPower Macに、本体を買うよりも安い値段でアップグレードできたのだ。

 当時は新製品が出るごとに、必ず多少のデザイン変更があったし、製品名も変わっていたので、ネームプレートや外装の交換という手間もあったが、今のアップル製品は、世代が変わっても商品名は同じままだし、デザインもそのままであることが多い。同社デザイン部門のジョナサン・アイブは「いいデザインをあえて頻繁にかえる必要はない」という主旨のことを語っているが、それはまさにそのとおりだ。今回の新MacBook Proの筐体も、おそらくしばらくは大幅な変更はされないだろう。

 今のアップルなら全国のApple Storeや量販店のApple Shopなど、アップグレードサービスを行う拠点も世界規模で増えているし、これが実現できたらほかのPCメーカーにはない、本当の強みになると思う。是非トライしてほしい。

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