写真で予習するX58マザー(その5)──実用的なハイエンドを目指したMSI「X58 Platinum」イマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2008年11月20日 17時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

DrMOS採用の電源回路と固体電解コンデンサの実力モデル

 MSIの“X58マザー”では、すでに、ゲーマーやオーバークロッカーなどを対象とした「Eclipse」を紹介している。Eclipseはホビーユーザー向けに遊び心を重視した製品だったが、今回紹介する「X58 Platinum」は実用的な仕様を重視したハイグレードモデルといえる。サウスブリッジはRAID機能に対応した「ICH10R」を搭載する。

X58 Platinumは、MSIのハイエンドモデルを表す「Platinum」の名を与えられたX58マザーボードだ。“Core i7 Optimized”と“3 Channnel DDR3”のシルク印刷が新世代のマザーであることを主張している

 トリプルチャネルのメモリアクセスに対応しており、3本ずつのメモリ増設が行えるよう、メモリスロットは6本搭載する。対応するメモリは、DDR3の800MHz、1066MHz、1333MHzで、最大で24Gバイトを搭載可能だ。

 CPUの電源回路には、Eclipseでも搭載されていた第二世代のDrMOSを採用している。RENESASのドライバーMOSFETで高い変換効率と低い発熱を実現して省電力化を進めている。多くのハイエンドマザーボードが、12〜16フェーズといった多フェーズ化で電源品質を上げているが、MSIは、DrMOSによって同等の品質を5〜6フェーズで実現できると説明している。

 X58 Platinumは5フェーズ構成で、さらに、システムの状態に合わせて実際に使用されるフェーズ数を変えてくれるICも搭載する。システムの負荷が軽いときには動作するフェーズの数を減らし、負荷が重くなるとすべてのフェーズを動作させることで、効率のよい電力管理が行える仕組みだ。動作しているフェーズ数は、基板に実装されたLEDで表示され、ユーザーが視覚的に把握できる。

 X58 Platinumは、Eclipseと同様に、第二世代DrMOS採用に加えてコンデンサをすべて固体電解コンデンサにすることで、マザーボードの耐久性を上げている。サーバなど長期間常時運転するようなニーズも、安心して任せることができる。

「AC82X58」と印刷されているIntel X58 Expressチップセット(写真=左)。サウスブリッジには、Intel 4シリーズでも使われているICH10Rを搭載している(写真=右)

チップセット用のクーラーユニットは、ノースブリッジとサウスブリッジだけがヒートパイプで接続された比較的シンプルな構成だ。ヒートシンクは銅製の薄いフィンとなっている(写真=左)。X58マザーボードの特徴ともいえるのが6本のメモリスロットだ。DDR3の800/1066/1333MHzに対応する(写真=右)

DrMOS採用のおかげでシンプルな構成ながら12〜16フェーズ相当の安定度を実現するX58 PlatinumのCPUソケット周辺。基板上端中央に見える5つの素子は、動作しているフェーズ数を示すLEDだ(写真=左)。DrMOSの“実体”であるRENESASテクノロジーの「R2J20602」は、ドライバーICと2つのMOSFETを集積して、高い変換効率と低い発熱を実現している(写真=右)

Intersilの電源回路コントロールIC。動作するフェーズ数を負荷に応じて増減する(写真=左)。使用しているコンデンサはすべて固体タイプで、チョークコイルにはノイズに強いシールド型が採用されている(写真=右)

PCI Express x16スロットは2本でCrossFireに限定

 これまでの“予習”で紹介してきたX58マザーボードは、PCI Express x16スロットを3本持っており、Cross FireXに加えて、NVIDIA SLIに対応しているモデルばかりだった。しかし、X58 PlatinumのPCI Express x16スロットは2本で、NVIDIA SLIにも対応していない。

 X58マザーボードがNVIDIA SLIに対応するためには、nForce 200を搭載するか、NVIDIAからライセンスコードを購入してBIOSに反映させる必要がある。どちらにしてもコストがかかる。ハイエンドユーザー向けとはいえ、Core i7とX58マザーボードを購入したいすべてのユーザーが最新鋭の3Dゲームをプレイするわけではなく(実際、インテルのCore i7発表会の展示PCには、グラフィックスワークステーションとして企画された製品もあった)、NVIDIA SLIの対応を必要としていない場合も考えられる。

 そういうユーザーにとっては、PCI Express x16スロットが3本あろうとNVIDIA SLIに対応していようと、そのコストは意味のないものになってしまう。そういった装備を省いて、少しでも低価格なモデルがあればそちらで十分で、機能満載の高級プレミアムマザーがほとんどのX58マザーボードの状況において、X58 Platinumは、購入しやすいモデルといえる。

 もちろん、NVIDIA SLIに対応していないものの、CrossFireは構築できるから、Radeon HDシリーズの2枚差しで、重量級3Dゲームが問題なく楽しめる。

 PCI Express x16スロットが2本である副産物として、それ以外の拡張スロットは、PCI Express x1が3本、PCIが2本と、依然として種類が多いPCIやPCI Express x1対応カードの拡張性に富んでいるのも、X58 Platinumの特徴として挙げることができるだろう。

搭載するPCI Express x16スロットは2本で、かつ、NVIDIA SLIには対応せず、CrossFireだけが構築可能だ

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