基板に用意されたSerial ATAは、「ICH10R」が制御するの6ポートと、JMicronの「JMB322」が制御する2ポートだ。ICH10RもJMB322もRAIDが構築可能で、ICH10RはRAID 0、1、5、10に、JMB322側はRAID 0、1、JBODにそれぞれ対応している。
X58 Platinumには、Parallel ATA/Serial ATAコントローラとしてJMicronの「JMB363」も実装されていて、Parallel ATAとeSATAを制御している。そのほか、IEEE1394もJMicronの「JMB381」を利用する(ただし、MSIのWebサイトにある資料ではVIA 6308Pとなっている)など、X58 PlatinumはJMicron製のコントローラを多用している。
オーディオコーデックは、RealtekのALC888で、HDオーディオ8チャンネルコーデックに対応する。ネットワークは、RealtekのRTL8111Cを2個搭載し、2系統のギガビットLANが構成できる。

基板に用意されたSerial ATAは全部で8ポート。紫色はICH10Rが制御するポートで、エンジ色はJMB322が制御するポートだ。それぞれでRAIDを構築できる(写真=左)。X58 PlatinumはJMicronのSerial ATAコントローラチップ「JMB322」を搭載し、RAIDに対応したSerial ATAを2ポート制御している(写真=右)
採用例の多いJMicronの「JMB363」は、光学ドライブを接続するParallel ATAと、主に外付けのHDDに対応するeSATAをそれぞれ1ポート制御する(写真=左)。IEEE1394コントローラもJMicronの「JMB381」が使われている。IEEE1394は、バックパネルに1つが用意されるほか、拡張ブラケットでさらに1ポート増設できる(写真=右)
ギガビットLANのコントローラは「RTL8111C」を2個搭載して、2系統のLANが利用できるようになっている(写真=左)。サウンドチップはRealtekの「ALC888」オーディオコントローラで、8チャネルのHDオーディオに対応する(写真=右)基板にはオーバークロッカー御用達ともいえるパワースイッチ、リセットスイッチに加えてシステムクロックを変更するディップスイッチまでが並んでいて、PCケースに入れないでそのまま置いた状態でテストが手軽にできるようになっている。
Eclipseのフォトレビューでも紹介した、システム状態をリアルタイムで表示する「D-LED2」にも対応しており、表示項目を選択するスイッチも用意している。ただし、ドーターカードで供給されるD-LED2の表示部はオプションでパッケージには含まれていない。
バックパネルにはCMOSのクリアスイッチが用意されている。こちらは、システムをPCケースに入れた状態でオーバークロックのテストなどを行うときに、クロックを上げすぎて起動しなくなった状態からシステムを復帰させるのに便利だ。
X58マザーボードの中では比較的実用的な仕様といえるX58 Platinumだが、このように、ホビーユーザー向けの機能も多数用意されている。実用主義のユーザーも遊びに徹したユーザーも受け入れられる懐の深いマザーボードといえるだろう。

パワースイッチとリセットスイッチ、そしてディップスイッチが基板に搭載されている。ディップスイッチは、ベースクロックをハードウェアで変更する(写真=左)。PS/2を2つ装備するなど、イマドキのマザーボードとしてはかなり個性的なバックパネルのレイアウト。CMOSクリアスイッチも装備されている(写真=右)
Eclipseでも導入されていた「D-LED2」に情報を表示させるためのスイッチが基板に用意されているが、表示部はオプションとなっているので注意(写真=左)。温度や電圧などの情報を収集するハードウェアモニタコントローラとしてFintekの「F71882FG」を利用している(写真=右)
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