“Small is Big”な「HP Mini 1000」で新たなスタンダードを創造する要に椿姫にヴィヴィアンも!!(1/2 ページ)

» 2008年11月26日 10時10分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

HPはワールドワイドでも日本でも堅調に成長を続ける

日本ヒューレット・パッカード 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏

 11月25日に開催された日本ヒューレット・パッカード(HP)の「HP Mini 1000」発表会では、同社取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏がHPのビジネスの状況について報告した。

 「米国で発表された第4四半期(2008年8月〜10月)の実績は、ワールドワイドで336億ドル(約3.2兆円)の売り上げという対前年同期比で19%の伸びを実現。市況が悪化する中で、ヨーロッパや北米でも手堅くビジネスを展開し、すべての地域でプラス成長をできた」と振り返った。また、「PC事業については台数ベースで約1500万台(対前年同期比19%増)と、日本の国内年間台数が1400万台なので、3カ月でそれを上回る販売台数をクリアできた。売り上げは112億ドル(約1兆円)と対前年同期比で10%の成長を記録した」と堅調な実績を語った。

 一方の日本では「ビジネス向けのクライアントPC販売台数が25%増と、他社がマイナス成長となっている中で好調を維持できた。これに加えて、大企業向けのブレードサーバやシンクライアントが昨年に比べて約2.4倍の成長を続けている。コンシューマー市場は日本HPとして最大のチャレンジ分野だが、HPのブランドを高めるためには重要な市場である。販売ボリュームは昨年同期比で約2倍まで育ってきている」と、ワールドワイドだけでなく、日本国内でも好調であるとの認識を示した。

 「(米国では)2008年4月から提供してきたHP Miniシリーズだが、HP 2133 Mini-Note PCはビジネスとコンシューマー両方をターゲットにしてきたが、今回のMini 1000は、よりコンシューマーにフォーカスしたもので、ユーザーに感動を与える製品をデザインしてきた」と述べ、「PCはコモディティ化が進んでいるが、HPとしては価格だけが選択基準となることに違和感を覚える。ユーザーに驚きを与える、人に自慢をできる製品作りをやっていきたいという決意を持ってコンシューマー向け製品には臨んでいる」と語った。

2008年第4四半期(8月〜10月)におけるHPのワールドワイドでのビジネス概況(写真=左)。好調なノートPCを中心に堅調な伸びを続けている。日本では中核となるビジネス向けPCをはじめ、ブレードPCやシンクライアントのほか、コンシューマー向けのPavilionシリーズ、そしてMiniシリーズを展開中だ(写真=右)


HPは新たなスタンダードを作っていく会社になった

米HP 上級副社長 パーソナルシステムズグループ グローバル・マーケティング担当 サティーブ・チャヒール氏

 次いで米ヒューレット・パッカードカンパニー 上級副社長 パーソナルシステムズグループ グローバル・マーケティング担当 サティーブ・チャヒール氏がHPのビジネス理念を説明した。

 「3年ほど前のPC業界は成長率も伸び悩みという状態で、コモディティ化が進み、IBMクラスの大企業がPC事業をLenovoに売却したころだ。当時はHPもこの業界から手を引くべきだという専門家もいたが、全社を挙げて“The Computer is Personal Again”というコンセプトを掲げて、デザイン性を重視した従来とは180度転換に値する方針を打ち出し、現在まで成長を続けてきた」とアピール。「あらゆる方向からPCを見直した結果、HP Imprintを導入してエッフェル塔が建てられるくらいの金属使用量を削減できたほか、ユーザーインタフェースも使いやすさを考えてQuick Playやタッチ操作を取り入れ、誰でも簡単にPCを楽しめるように取り組んできた」と語り、「HPは技術だけでなく、技術と製品を融合することで新しいスタンダードを開発していく会社だと認識されてきた」と成果を主張した。

 そして“Small is Big”というテーマを掲げ、「よいパッケージは小さいもので提供される場合が多い。最先端の技術を小型ボディに凝縮した」とHP Mini 1000を紹介した。

次なるテーマである“Small is Big”(写真=左)。安価なNetbookながらデザイン性も重視した「HP Mini 1000」(写真=右)

HPとのコラボレーションで「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」を制作したヴィヴィアン・タム氏

 続いて壇上にスペシャルモデル「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」をデザインしたデザイナーのヴィヴィアン・タム氏が招かれ、今回のコラボレーションをチャヒール氏とともに解説。チャヒール氏は「実はわたしたちがというよりもファッション業界からアプローチがあり、そこで候補に挙がってきたのがヴィヴィアン・タム氏だった。アジアでスタートしてグローバルで受け入れられているタム氏が作る服は非常に着やすく、使いやすいHPのノートPCとマッチングもよい。アジア地域での売り上げ比率が高いHPと世界を結ぶ人としてパーフェクトな人選だった」と振り返った。「現在、インターネット世界は半分が女性といわれているが、HP Mini 1000はいわば男性向けのバージョンだ。女性をターゲットにすべくPCメーカーはPCをピンクに塗りたがるが、HPはその先をいって8色のカラーを採用したスペシャルエディションを実現した」と自負した。

 一方のタム氏は「HPとはすばらしいコラボレーションを実現できた。これまで技術というと男性中心だったが、スペシャルエディションは軽量でどこにでも持ち運びができる。花に囲まれているようにPCを触れられるし、まるでシルクのような手触りのキーボードや、花瓶のような仕上げに注目してほしい」と述べた。「コラボレーションを機に、技術に関してはいろいろ勉強したが、洋服をデザインするのも技術を学ぶのも一緒のこと。Enterキーにダブルハピネスの文字を刻印したり、芍薬(しゃくやく)の花をあしらったりと、こだわりを実現できてよかった」と感想を述べ、「触っていてもキーボードを使っていても気持ちがいい製品であり、わたし自身が非常に満足している」と誇らしげに語った。

日本では2009年2月に投入予定のスペシャルモデル「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」(写真=左)。Vivienne Tam Editionのイメージ画像(写真=中央と右)

会場に展示されていた「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」(写真=左)。深紅のボディが印象的だ。ブラックモデルとの比較(写真=中央)。液晶ディスプレイ天面部分に芍薬(しゃくやく)の花が大胆にあしらわれている(写真=右)

海外モデルのため、キーボードは英語版だった(写真=左)。Enterキーにはダブルハピネスを意味する漢字がプリントされている(写真=中央)。底面もゴム足を除いて赤くなっている(写真=右)。日本での展開およびスペックなどは未定とのことだが、米国では699ドルから販売されている

インタフェースの配置や構成はブラックモデルと共通だ。左から前面、左側面、右側面

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