12月13日、インテルのユーザーイベント「Intel in Akiba 2008 Winter」が秋葉原で開かれた。秋葉原UDXの2階にあるアキバ・スクエアで8月2〜3日に開催された「Intel in Akiba 2008 Summer」とは異なり、今回はPCパーツショップ密集地に立地するカフェ ソラーレ(リナックスカフェ秋葉原店)を会場に選んでいる。
これまでのインテル主催イベントとは異なり、トークセッションやプレゼン用ブースは会場内に設置しておらず、スペースをフルに使ってCore i7関連のデモ機やPCパーツを展示していたのが特徴的だ。インテルのイベントでたびたび司会を務める梶原氏は「トークセッションをメインにすると、お客様を会場に長時間拘束してしまうことにもなります。今回は特にそういった方向ではなく、周辺のPCパーツショップを回って頂いて、ここにも寄ってもらうという、流動性の高いイベントを目指しました」と語る。
協賛店舗の巡回を促進するために、各店舗と会場に異なるシールを置いてシールラリーを実施した。シールを集めてCore i7やCore i7搭載マシンなどを購入すると、会場にある抽選会場でX58マザーなどの豪華景品が当たるくじにチャレンジできるというもの。実際、各ショップの店頭でもIntel in Akiba 2008 Winterに関連したキャンペーンを打っており、当日はシール付き抽選券を持つ人々を多数見かけた。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「シールを求めて3階まで足を運ばれる方が多いですね。感触としてはいつもの週末よりも盛り上がっています」と、インテルによる企画の効果を認めている。
イベントのテーマはハイエンドユーザー向けのCPUである「Core i7」だが、そこにはNetbookを含むAtomマシンに注目が集まりすぎることへの警戒感も見え隠れしていた。梶原氏は「今年はAtom関連でヒットアイテムが多数出て、とても感謝しています。ただ、Atomマシンでできることは限られてしまうんですよ。HDコンテンツの視聴は厳しいですし、マルチタスクでの作業はすぐにガタついてしまう。割り切って使うぶんには良い選択肢だと思いますが、初めてのPCがAtomマシンで“PCって使いづらいものなんだ”と思われるのは残念です。だからこそ、ハイスペックなCore i7を強くアピールして、PCの可能性を伝えていきたいと思います」と語る。
会場内には、Core i7 Extreme Edition 965とCore 2 Extreme QX9770搭載マシンによる性能比較デモや、協賛メーカーによるX58マザーの展示などが行われていた。その中でも注目を集めていたのは、アイ・オー・データ機器のブースだ。
アイ・オー・データ機器は、発売されたばかりの新型地デジチューナー「GV-MVP/HX2」と「GV-MVP/HS2」を搭載したデモ機で、12月下旬に公開予定の録画データ編集機能を披露していた。ソフトウェアのアップデートで追加できる機能で、1つの録画番組から必要なシーンを抽出してBD-REなどへ書き出せる。
ただし、編集中は各シーンが抜き出せないように暗号をかけるため、PCのリソースを多分に消費するという。スタッフは「以前、Core 2 Quadで同様のデモを行ったときは、どうしても編集中の画面がコマ送りみたいになることもありましたが、今回Core i7マシンで処理したところ、ご覧の通り非常にスムーズに動作しています。やはり、動画編集を頻繁に行う人にはCore i7マシンをオススメしたいですね」と語る。なお、同ボードが編集に使うソフトウェア「Corel Direct DiscRecorder」はマルチコアとハイパー・スレッディングに対応している。
会場の入り口付近には、ギガバイトやECS、MSI、ASUSTeKなどのX58マザーが並んでいた。新製品は見つけることができなかったが、MSIの三好氏は「時期は明言できませんが、今後はX58マザーのラインアップを拡充していくと思います。2万円台の比較的低価格なマザーボードを追加していくことになるでしょう。実際、Core i7は当初ハイエンドユーザーだけのものといった印象がありましたが、予想以上に受け入れられています。安い対応マザーを提供することで、さらに多くのユーザーに使ってもらえればうれしいですね。今は下がAtomで上がCore i7と二極化する傾向にありますが、中間層を充実させることで、うまいことグラデーションの様相にできると思います」と今後の展望を教えてくれた。
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