HDDホットスワップ対応の「JX-FX300B」と価格控えめ「JX-FX100B」を試す拡張性重視のMini-ITXケース(1/2 ページ)

» 2009年11月17日 17時17分 公開
[長畑利博(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Mini-ITXケース選びは慎重に

「JX-FX300B」のフロントには、吸気の役割を果たす8センチ角ファン用のメッシュカバーが取り付けられている。5インチベイはデザインカバー付きの光学ドライブ専用タイプ

 Mini-ITXファームファクターPCケース選びでポイントとなるのは、「内部スペースの大きさ」「排熱環境」「電源の定格出力」だ。内部スペースの大きさは、内部に組み込むCPUクーラーユニットに影響し、光学ドライブやシャドウベイのレイアウトの関係で、CPUクーラーユニットの高さや設置位置、面積が制限されることが多い。リテール以外のCPUクーラーユニットを利用する場合には注意が必要になる。

 次に重要なのが排熱性能だ。利用するパーツによるが、PCケースがコンパクトということもあり、内部に熱が滞留しやすい。特に、ACアダプタタイプはファンレス仕様のケースも多いが、そのようなタイプでは、内部にたまった熱によるダメージでマザーボードやCPU、HDDなどの寿命を縮める可能性がある。

 最後が電源の容量だ。現在、Mini-ITXで利用されるプラットフォームは、Atom系CPUを搭載したシステムと、一般的なLGA775やAM2/AM3系CPUが使えるハイエンドモデルの2種類に分けられる。最近になってAtom+NVIDIA IONという組み合わせも人気が出てきた。

 先ほども触れたように、Mini-ITX用のPCケースでは、電源ファンが省けるACアダプタを採用した製品が増えているが、一方で、こうしたタイプにおいて、LGA775やAM2/AM3系CPUを使うマザーボードでは容量不足になる可能性がある。ハイエンドパーツ構成のPCを組む場合は電源の容量不足によるトラブルが起きやすい。自分が使うパーツが消費する電力を考慮した上で、それに見合った電源を持つケースを選びたい。

拡張性を重視した「JX-FX300B」

 前置きが長くなったが、今回紹介する2製品は、Mini-ITX用ケースとしては比較的拡張性を重視したモデルだ。上位モデルの「JX-FX300B」はホームサーバ向けで、本体サイズは200(幅)×205(高さ)×317奥行きミリとMini-ITX用としてはやや大きめのサイズとなっている。

 最大の特徴は、合計3台の3.5インチHDDを搭載できるMini-ITX用ケースとしては例のない拡張性だろう。そのうち2台分はフロントカバーを開けて簡単に取り出せるトレイ方式を採用する。対応するマザーボードとソフトウェアを組み合わせれば、ホットスワップ環境の構築も可能で、データストレージの増設も簡単だ。シャドウベイは3.5インチHDDだけでなく、底面側に2.5インチストレージ用のネジ穴も用意されているので、SSDの取り付けも可能だ。なお、Mini-ITX用マザーボードはSerial ATAコネクタを2基しか備えていないモデルも多い。光学ドライブを含めてフル増設する場合は4基のSerial ATAを持つマザーボードが必要となるので注意したい。

フロントパネルに用意されたインタフェースは、USB 2.0×2、マイク、ヘッドフォン端子(写真=左)。サイドパネルはヘアラインが施されたスチール製だ(写真=右)

フロントパネルのカバーを開けると、取り外し可能な3.5インチトレイが現れる。マザーボードやOSが対応していればストレージのホットスワップ機能が利用できる(写真=左)。リアファンは5センチ角タイプが2個。このファンの電源コネクタは3ピンだが、製品にはペリフェラル4ピンから変換するアダプタが標準で付属する。電源ユニットの定格出力は220ワットタイプで、+12ボルトが1系統で15アンペア、+5ボルトsbは2.0アンペアと大きめの仕様となっている

ドライブベイの1番下にあるトレイは3.5インチと2.5インチの両方に対応している。2.5インチストレージを取り付ける場合は、底面のネジ穴を利用する

 コンパクトな筐体に多くの機能を詰め込んでいるため、内部のスペースはかなり限られている。LGA775用CPUクーラーユニットなら、高さ5センチ前後のリテールサイズでないと取り付けられないので注意すること。また、マザーボード側のATX24ピンがケースフロント側にある場合、ケーブルとシャドウベイが干渉する可能性がある。その場合は、シャドウベイを取り外して運用しなければならないだろう。マザーボードを取り付ける場合も、最初にシャドウベイを取り外す必要がある。また、天面やHDDトレイのベイが外れないため、配線の取り回しも手間がかかる。

 ケース内の排熱をするファンは、フロント側にHDDトレイも冷却する8センチ角ファン(1600rpm)が1つ、リア側に5センチ角ファン(3000rpm)の2つが用意されている。いずれも静音性を重視した低速ファンで、動作音は同じサイズのモデルでも静かな部類になる。ただ、風量は少なめなので、HDDの冷却を重視するならフロント側のファンを回転数の高い市販品に交換してもいいだろう。そのほか、電源側に8センチファンが付いているが、ケースレイアウト的に電源ファンはケース内のエアフローに影響しない。

 標準で搭載する電源ユニットの定格出力は220ワットで、+12ボルトは1系統15アンペア、+5ボルトスタンバイは2アンペアと、Mini-ITX用としては大きめの容量になっている。電源コネクタはATX24ピン×1、ATX12ボルト4ピン×1、Serial ATA×3、ペリフェラル×2個が用意されている。ペリフェラル4ピンコネクタの1つは、フロントベイに搭載したHDD専用だ。

 ケースに用意された仕掛けをフルに生かすためには、マザーボードのセレクトが難しいことと、内部のスペースに制限があることなど、自作PC初心者にはお勧めしにくいが、3.5インチHDDが3台搭載できる拡張性やホットスワップ機能はほかのMini-ITX向けPCケースにはないメリットだ。機能重視のヘビーユーザー向けといえるだろう。

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