本(Ben)NanoNoteでネットワークを利用する場合、標準ではEthernet over USBを利用することになる。Linuxが動作しているPCとUSBで接続した状態で、本(Ben)NanoNote側で
# ifconfig usb0 192.168.3.2
を、PC側で
$ sudo ifconfig usb0 192.168.3.1
を実行する。IPアドレスはNIC側とかぶらないよう、環境に応じて変更すればよい。
本(Ben)NanoNoteではsshdが動作しているが、rootにはパスワードが設定されておらず、sshでのログインができない。本(Ben)NanoNoteのキーボードから直接、
# passwd
コマンドを入力してパスワードを設定しておく。その後、PC側から
$ ssh root@192.168.3.2
と打ってログインできることを確認しよう。
また、本(Ben)NanoNoteからPCを経由してほかのネットワークやインターネットにアクセスするためにはPC側でフォワーディングを有効にしなくてはならない。PC側で以下のコマンドを入力する。
$ sudo sh -c 'echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_forward'
これでフォワーディングが有効になったので、次に
sudo iptables -t nat -A POSTROUTING -o eth0 -j MASQUERADE
としてNATを有効化する。
また、microSDスロットはSDIOに対応しており、SPECTEC製のmicroSD型802.11b/gアダプタ「SDW-823」が利用できる。SDW-823はExpansysなどから入手可能だ。ただし、価格が高めで本(Ben)NanoNoteと大差ない金額(NanoNoteは99米ドル)であることなどから、開発チームの中でもサポートに消極的な者は少なくないようだ。とはいうものの、USB周辺機器の使えない本(Ben)NanoNoteにとっては単独でネットワーク通信を行うことができる唯一のソリューションである。超小型端末であるからこそ、無線LANが求められるのもまた事実だ。
実は、本(Ben)NanoNoteはプロトタイプの製品化にほかならない。2011年には次のバージョンとなる「Ya(芽)NanoNote」のリリースが予定されており、Ya NanoNoteではBen NanoNoteから次の点が強化されることが検討されている。
これらの要望についてはメーリングリストなどで購入者などからの意見を吸い上げている状態だ。WikiページにはWishlistもあり、実装するソフトウェアの意見も広く求めている。また、IRCによるサポートが非常に手厚く行われているのも特徴の1つだ。contributorsのページに名を連ねる開発者たちが軒並みIRCの「#qi-hardware」チャンネル(irc.freenode.net )にログインしている。笑い声が「hehe」である彼らだが、日本市場には非常に注目しているようだ。英語によるコミュニケーションではあるものの、平易な英語を書いてくれるので英語が苦手な人もがんばってみよう。参加してこその”祭り”なのだから。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.