今だから純国産──ハイエンドスペックのATXケース「JIGEN J's PRO460S」(2/2 ページ)

» 2010年06月18日 11時00分 公開
[長畑利博(撮影:矢野渉),ITmedia]
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国産品質に見合う製品

 J's PRO46DSの内部には、HDDを収納するスペースとして、3.5インチシャドウベイが4基用意されているほか、3.5インチシャドウベイのすぐ上にはSSDに対応した2.5インチシャドウベイも3基用意されている。3.5インチシャドウベイは、底面に対してHDDが垂直になるレイアウトでドライブの間をファンの風が通り抜けるようになっている。

 HDDの取り付け、取り外しは通常のネジ固定方式だ。シャドウベイ部分を一度取り外して、HDDを固定してから元に戻す仕組みとなっている。2.5インチシャドウベイには3台のドライブが取り付け可能だが、ベイの間のスペースが狭いため、発熱の大きなHDDは2台に抑えておくべきだろう。

 マザーボードのベース部分には、専用の台座を用いてユニットの固定にバックプレート式を採用する。このバックプレートにはCPUクーラーに対応したメンテナンスホールが設けられているので、マザーボードをケースに組み付けたままでも、CPUとCPUクーラーの交換が可能だ。なお、最近流行のバックプレート裏側におけるケーブル配線には対応していない。その代わりに、フレーム部にケーブルを結束するバンド固定用の穴が用意されている。

 パーツを組み込むときの注意としては、電源ユニットが本体底面に配置するため、EPS12ピンのケーブルは長めのもの(50センチ前後)が必要となる。マザーボードの設置スペースは標準的だが、通常、Serial ATAコネクタが来る部分にステイが配置されているため、横コネクタタイプのマザーボードの場合は配線がやや難しい。そのため、L字ケーブルなどで対応する必要がある。グラフィックスカードの電源ケーブルは取り回しで特に干渉するものはない。大型のカードでも対応可能だ。

バックパネルの下部に開いているのは電源ユニットのインタフェース部(写真=左)。J's PRO960Sは本体後部の底面に電源ユニットを設置する。本体内部の底面にはそのためのステーも用意する(写真=右)

J's PRO460Sは両サイドパネル、天面パネルが取り外せる(写真=左)。さらに、5インチオープンベイと3.5インチシャドウベイも取り外し可能(写真=右)。天面側と5インチオープンベイに強度を確保するためにステーが組み込まれている

左は取り外した5インチオープンベイで、右は同じく取り外した3.5インチシャドウベイだ。HDDは3.5インチシャドウベイに立て向きに設置することになる(写真=左)。付属するネジには防振用のラバー製ワッシャが用意される(写真=中央)。5インチオープンベイと3.5インチシャドウベイの間に2.5インチドライブ用のシャドウベイが設けられている。9.5ミリ厚のSSDなどが最大3台まで取り付け可能だ(写真=右)

 本製品は、マザーボード裏配線には対応していないものの、最近流行の機能に多く対応している。クセがないデザインと国産ゆえの高い加工精度と相まって、輸入品とは一線を画する実用性を持つPCケースといえる。2010年の1月に登場した当初は、実売価格が3万円台後半と高額で、それが理由で敬遠されていた面もあったが、2010年6月の時点では2万4800円まで実売価格が下がってきた。

 高い加工精度のおかげでパネルやドライブベイの脱着が容易で、マザーボードパネルに用意されたCPUクーラーのメンテナンスホールやケースファンの増設エリアなど、その使い勝手はバリュー価格のPCケースを大きく上回る。「純国産の信頼感」を尊重したい自作PCユーザーなら、購入候補として検討してもらいたい製品だ。

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