PC USER Pro

「U2211H」実力診断――IPSパネル搭載で1万円台の21.5型フルHD液晶:これが価格破壊か……(2/3 ページ)

» 2010年08月31日 12時30分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

OSDメニューの設定項目はカスタマイズ可能

右フレームのボタンを押すと、まずはOSDの簡易メニューが表示される

 操作ボタンは液晶ディスプレイの右フレームに配置されている。縦に並んだ4ボタンのいずれかを押すと、OSDの簡易メニューが起動する仕組みだ。簡易メニューの項目は各ボタンに対応しており、上からショートカット1、ショートカット2、OSDメインメニュー、終了となる。デフォルトでは、ショートカット1で画質モード(プリセットモード)のメニュー、ショートカット2で輝度/コントラストのメニューを呼び出せる。もちろん、ショートカットをほかのメニューに変更することも可能だ。

 OSDのメインメニューには、輝度/コントラスト、自動調整、入力信号、色設定、画面設定、その他の設定、カスタマイズ(ショートカットの設定)といった項目を用意。色設定のモード選択では、グラフィックス(PC用)とビデオ(映像機器用)の2種類が選択可能だ。グラフィックスモードでの画質モードは標準、マルチメディア、ゲーム、暖色、寒色の5種類とユーザーカスタムモードを1つ用意する。ユーザーカスタムではRGB各色の増減による調整が行える。一方のビデオモードはムービー、ゲーム、スポーツ、自然色の4種類を備える。

 ガンマはPCとMacの設定があるのみで、色温度やガンマの数値での設定には対応しない。また、低価格な製品のためか、画面設定のワイドモード(スケーリング機能)は4:3(アスペクト比固定拡大)または全画面フルスクリーン拡大があるのみだ。スケーリングはグラフィックスカードのドライバ機能を利用したい。

色設定メニューでは、映像ソースに応じてグラフィックスモードかビデオモードを選択でき、それによって画質モードの内容が切り替わる
画面設定メニューからは、スケーリング(ワイドモード)の設定が可能。ドットバイドットの設定は用意されていない
簡易メニューのショートカット1/2には、よく使う設定を割り当てることができる

ガンマ特性と色域を調べる

 次は実機の表示をキャリブレーターで測定し、ガンマ特性と色再現域を確認しよう。測定にはエックスライトのキャリブレーター「i1Pro」(製品パッケージとしては「i1Basic」)を用いた。検証したのは2点だ。まずはi1ProでU2211Hをソフトウェアキャリブレーションし、測定結果のグラフからプリセットモードのガンマ特性を調べた。次に、Mac OS XのColorSyncユーティリティを用いて、i1Proで作成したプロファイルをsRGBの色域に重ね、色再現域をチェックした。

標準モードに設定し、目標値を輝度80カンデラ/平方メートル、色温度6500Kにセットした状態で、i1Proによるソフトウェアキャリブレーションを実施した結果。輝度も色温度もほぼ目標値通りだ。ガンマは中間階調からRGB各線が少しずつ離れていくが、中央からのズレは大きくない
キャリブレーションして作成したプロファイルをColorSyncユーティリティで読み込んだ例。sRGBの色域は下に薄いグレーで重ねて表示した。標準モードでは、青から紫、緑の深い部分において色域が不足している

 i1Proでの測定結果を見ていこう。U2211Hは画質モードにsRGBの設定がないため、標準モードで測定を行った。目標値は色温度を6500K、輝度を80カンデラ/平方メートルとしている。標準モードでは色の調整ができないため、そのままの状態で測定している。結果はRGB各色ともガンマが直線的に重なっており、意外にもといっては失礼だが、まずまずだ。中間階調から明部にかけてズレが生じているが、低価格帯の製品であることを考えれば、許容できる範囲ではないだろうか。

 一方、ColorSyncユーティリティで見た色再現域はsRGBの色域から少しズレてしまった。画質モードの名称がsRGBではないため、sRGBの再現性は追求していないのかもしれないが、公称スペックではsRGBカバー率100%をうたっていることもあり、ユーザーによっては色域のズレが気になるかもしれない。より正確な色再現を求めるならば、ユーザーカスタムモードを用いて、細かくキャリブレーションを行うほうがベターだろう。

ディスプレイキャリブレーションの基本キット「i1Basic」

「i1Basic」

 エックスライトの「i1Basic」は、測色器の「i1Pro」が付属し、ディスプレイのキャリブレーションに機能を特化したパッケージだ。名前の通り、i1シリーズの中ではエントリーモデルにあたるが、i1Proはスペクトル方式を採用した測色器で、フィルター方式のエントリーモデル「i1Display 2」に比べて、検出精度がかなり高い。同じくスペクトル方式の「ColorMunki」と比較しても、さらに高い精度が得られる。

 i1Basicをベースとして、より高度なカラーマネジメント環境を構築したい場合は、必要に応じてソフトウェアの機能を拡張することも可能だ。

 日本国内では加賀電子が取り扱っており、クリエイター向けオンラインショップ「KGDirect」や「CGiN」で購入できる。両サイトでのi1Basicの価格は16万9800円だ。i1シリーズの製品紹介サイトはこちら。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー