インテルの“値ごろ6コア”な「Core i7-970」の立ち位置を考えようイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2010年10月04日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

通常ラインアップの6コアモデル、ではあるけれど

 Core i7-970が登場するまで、インテルの6コアCPUはCore i7-980X Extreme Editionだけだった。この両者で最大の違いはオーバークロックに関する機能だ。Core i7-980X “Extreme Edition”に対して、Core i7-970は“通常”モデルとなるため、倍率変更ロックが有効になっている。

 Core i7-970の動作周波数は定格で3.2GHz、Turbo Boost Tecnology有効時は最大3.46GHzになる。Core i7-980X Extreme Editionと比べると、ベースクロック倍率がそれぞれ「1」ずつ引き下げられている。また、通常モデルという点で、Core i7-970のQPI転送速度が4.8GT/sに制限されている点も異なる。

プロセッサー・ナンバー Core i7-980X Extreme Edition Core i7-970 Core i7-975 Extreme Edition Core i7-960
コア数 6 6 4 4
スレッド数 12 12 8 8
動作クロック 3.33GHz 3.2GHz 3.33GHz 3.2GHz
Turbo Boost Technology 有効時最大クロック 3.6GHz 3.46GHz 3.6GHz 3.46GHz
3次キャッシュメモリ容量 12Mバイト 12Mバイト 8Mバイト 8Mバイト
QPI 6.4GT/s 4.8GT/s 6.4GT/s 4.8GT/s
プロセスルール 32ナノメートル 32ナノメートル 45ナノメートル 45ナノメートル
TDP 130ワット 130ワット 130ワット 130ワット
VID 0.8〜1.375ボルト 0.8〜1.375ボルト 0.8〜1.375ボルト 0.8〜1.375ボルト
AES NI OK OK

評価で用いた機材はエンジニアリングサンプルであったため、識別用に手書きで「i7-970」と書かれていた。なお、試作品を使った評価なので製品版と測定結果が異なる可能性があることに注意していただきたい

 そのほかのスペックは基本的にCore i7-980X Extreme EditionもCore i7-970も共通する。プロセスルールは32ナノメートルでステッピングはB1。また、TDPが130ワットでVIDが0.8〜1.375ボルトに設定されている点も同じだ。AES-NIに対応している点は、暗号化を利用しているユーザーにとって45ナノメートルプロセスルールの前世代クアッドコアモデルに対する差別化になるだろう。

CPU-Zで取得したシステム情報。Core i7-980X Extreme Edition(写真=左)、Core i7-970(写真=中央)、Core i7-975 Extreme Edition(写真=右)を並べた。Core i7-980X Extreme EditionとCore i7-970は動作クロック以外はまったく同じ。Core i7-970とCore i7-975 Extreme Editionは、動作クロックやコア数に加えてプロセスルール、共用する3次キャッシュメモリ容量、そしてAES-NIへの対応も異なる

スコアが示すのは値ごろ感? 6コアの優位性?

 今回の評価作業では、マザーボードを普段使っている「DX58SO」からASUSの「Rampage II Gene」に変更している。そのほかの構成は従来のベンチマークテストと共通だ。比較するCPUには、Core i7-980X Extreme EditionとCore i7-975 Extreme Editionを用意した。

評価用システム構成
マザーボード ASUS Rampage II Gene
チップセット Intel X58 Express
メモリ DDR3-1333 2Gバイト×3
GPU Radeon HD 5870
HDD WD5000AAKS(500Gバイト/7200rpm/16Mバイト)
OS 64ビット版 Windows 7 Ultimate

Sandra 2010 Processor Arithmetic
Sandra 2010 Processor Multi-Media

Sandra 2010 Cryptography AES256 CPU Encryption
Sandra 2010 Memory Bandwidth

PCMark Vantage Build 1.0.1.0(その1)
PCMark Vantage Build 1.0.1.0(その2)

PCMark 05 Build 1.2.0(その1)
PCMark 05 Build 1.2.0(その2)

CINEBENCH R11.5
TMPGEnc Express:Full HD WMV→H.264(秒)

3DMark Vantage Build 1.0.1
THE LAST REMNANT

システム全体の消費電力

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