「HP ENVY14 Beats Edition」を味わう――“羨望”という名のノートPCPCとHip-Hopの融合(3/4 ページ)

» 2010年10月20日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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1366×768ドット表示の14.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載

 液晶ディスプレイのサイズは14.5型ワイド、画面の表示解像度は1366×768ドットに対応する。表面は光沢仕上げで、標準の壁紙が黒いこともあって照明などの光が映り込みやすいが、写真などを鮮やかに表示できる。特にコントラストが浅いような印象もなく、標準的な表示品質だ。

 一方、ノートPC用のTNパネルだけに上下方向の視野角は狭く、液晶ディスプレイのヒンジも最大125度程度までとあまり開かないため、上からのぞき込むような姿勢ではちょっと見づらく感じる。机の上に置いて普通に利用するぶんには問題はない。

1366×760ドット表示の14.5型ワイド液晶を内蔵
ディスプレイのヒンジは125度程度までしか開かない

浮き石型キーボードは赤く光るLEDバックライト付き

同社が浮き石型と呼ぶキー間隔を離したキーボード

 キーボードはキートップのみが表面に露出しているアイソレーションタイプで、HPが呼ぶところの「浮き石型」を採用している。マットブラックのキートップにレッドのプリントが映え、しっとりとした感触のラバーコーティングされたキーボードベゼル/パームレストと合わせて、高級感抜群の仕上がりとなっている。LEDバックライト機能を装備しており、バックライトのカラーも当然レッドを採用している。

 キーボードは6段配列で、四隅に丸みを持たせたデザインとなっている。最上段のキーのみ少し小さめ(実測キーピッチ横14×縦13.5ミリ)だが、主要キーを含めてほとんどのキーでキーピッチを約19×19ミリ、キーストロークを約2ミリ確保している。キーのスイッチはわずかに反発が強めかという程度で、ラフにタイプしてもたわみを感じることはなく、おおむね良好なタッチ感だ。

 ただし、キーの配列には少しクセがあり、Enterキーの右にPgUpやPgDnなどのキーが並ぶ。Enterキーもそれほど大きいわけではなく(実測サイズは横21〜26×縦35ミリ)、慣れないうちはミスタイプしやすいと感じた。

レッドのLEDバックライトが個性的だ

 なお、最上段に並ぶキーは音量調整などのメディア操作や光学ドライブのイジェクト、輝度の上げ下げ、無線LANのオン/オフ、キーボードバックライトのオン/オフといったワンタッチボタン機能とファンクションキーの共用となっているが、標準では前者が優先されている。つまり、ファンクションキーを利用するにはFnキーと最上段のキーの同時押しをする必要がある。

 HPのノートPCではおなじみの仕様だが、他社製ノートPCに慣れているとちょっと戸惑う仕様だ。BIOSセットアップで入れ替えができるので、ファンクションキーを多用するなら入れ替えることをおすすめする。

マルチタッチ対応のクリックパッドを装備

タッチパッドとクリックボタンを一体化したクリックパッド

 ポインティングデバイスは、タッチパッドとクリックボタンを一体化した「クリックパッド」を採用している。パッド表面に左右ボタン部分を示すラインがプリントされており、その辺りを下に向かって押すとパッド全体が沈んでクリックされる仕組みだ。

 シナプティクス製のマルチタッチ対応ドライバが導入されており、2本指での縦横スクロール、つまみズームなどの機能が標準で有効になっている。パッド部分の滑りは上々で、クリックボタンの感触も悪くない。パッド面積も大きい(実測107.5×61ミリ)ため、マルチタッチの操作もやりやすい。

 クリックパッドは白色LEDのある左上をダブルクリックすると機能をオフにでき、キー入力中の誤操作を防げる。LEDで有効(点灯)と無効(非点灯)がすぐに分かるように配慮されているのは便利だ。

クリックパッドにはシナプティクス製の多機能ドライバが導入されており、2本指での縦横スクロール、つまみズームなどの機能が標準で有効になっている。回転機能や3本指タップでのアプリケーション起動、3本指でパッドを弾くことによるWebページ送り/写真送りなどの機能はユーティリティで設定すると利用可能になる

ハイレベルのパフォーマンスを実証

 それでは今回入手した量販店向けモデルの実力をベンチマークテストで調べていこう。一部のテストではATI Mobility Radeon HD 5650利用時とCPU内蔵のIntel HD Graphics利用時の両方の設定で行ったので、グラフィックス性能の差にも注目してほしい。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右の画面に示した通りだ。ノートPCとしてはかなりハイレベルのスコアが出ている。ATI Mobility Radeon HD 5650利用時はPCMark Vantageの総合スコア(PCMark)で6004とハイレベル。Windows 7環境で日常操作から動画鑑賞、ちょっとしたゲームやエンコードまで快適にこなせることを示している。

 DirectX 9.0c世代のベンチマークテストである3DMark06でも6942とまずまずのスコアが出ており、比較的描画負荷の低いタイトルであれば十分3Dゲームも楽しめる性能がある。DirectX 8.1世代のタイトルであるFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではLowで8523という高いスコアをマークしている。最新のFINAL FANTASY XIV Official BenchmarkのスコアはLowで1428と、「動作困難(1500以下)」に分類されるレベルで、プレイするのはさすがに難しい。

 Intel HD Graphics利用時は、やはり3DMark06、PCMark05のGraphics、PCMark VantageのGamingと、3D描画処理を含む部分でスコアが大きく落ち込んでいる。ただ、それ以外の項目ではほとんど差がなく、ゲーム以外なら十分こなせることが分かる。

PCMark05のスコア
PCMark Vantage x64(1024×768)のスコア

3DMark06(1280×768ドット)のスコア
FF XIベンチ3のスコア
FF XIVベンチのスコア。ロードタイムは36671、2回目以降で23572

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